宇宙へ
上昇していくにつれ、家の灯りが街の灯りへと変わり、雲を突き抜けると地図で見たのと同じ形の日本。
今は夜だから、灯が日本の形をしている。
大陸に海が見える。
そして、大気圏を出て、
蒼い地球が目の前にある。
「す、凄い! これが地球なんだ!!」
目の前に見える地球は確かに蒼かった。暗い宇宙に浮かぶ蒼い星、地球。
それは、蒼い宝石に見えた。回りに薄くて明るい層がある。そこには大気が有り、私達人間や動物、植物等が生きている。
それは、あまりにも薄く、すぐにでも壊れてしまいそうな、そんな感じがした。
「良いものを見せてあげるよ!」
私が感動に浸っていると、サラが声を掛けてきた。
「どこ、行くの?」
「いいから」
サラは私の手を取り、地球から離れていった。
「見て!」
サラが振り返り地球を指した。
「地球が燃えてる!」
地球の回りがゆらゆらと炎のように燃えているように見えた。
大気よりも何倍も高い炎。
「これが、金環食よ」
と、サラが云った。
「金環食?」
私はサラに聞き返した。
「そうよ、宇宙でしか見られない、地球の金環食」
「どうしたの? 泣いてるの?」
頬にてをやると濡れていた。
えっ!? やだ。
私、泣いてるの?
どの位の時間が経ったのだろうか。サラに声をかけられるまでの間、自分が泣いていることさえも気付かずに、目の前の光景に心が奪われ魅入ってしまっていた。
私はもっと、もっと、
この宇宙を見てみたいと想った。
「でわ、行きましょうか」