第六話 同棲
ジェシカさんとの新たな生活がスタートして二週間がたった。ぼくはジェシカさんに魔法の稽古をつけてもらっている。
家事や洗濯は魔法でできるためぼくでもあっというまにできる。ご飯はぼくとジェシカさんと二人で作る決まりだ。
『アリサちゃーん、稽古するわよー』
『はーい!』
森へ移動し、魔法の稽古が始まった。
【ファイヤーボール】を唱え、アリサの頭上に数十個のファイヤーボールが現れる。
対するジェシカは雷属性のサンダーランスを出し、バトンの様にクルクル回しサンダーランスを構える。
『さあいつでもかかってらっしゃい』
『じゃあいきますよっ』
ファイヤーボールをジェシカの全方向からうちだす。だがジェシカはファイヤーボールを避けれるものは紙一重で避け、当たりそうなものはサンダーランスで全て切り伏せた。
『さすがですね、でもこれはよけきれますか!』
と言いながらアリサが発動したのは【アクアホーミング】
レーザー状の水を相手に当たるまで追い続けるという上級魔法だ。
アクアホーミングをアリサは20発うちだす。
だがジェシカは全て切り伏せながらアリサにどんどん接近してくる。アリサとジェシカの距離はもう10メートルを切っていた。
ジェシカは【ミスト】を発動させた。これは霧を発生させる魔法だ。
瞬時にジェシカはアリサの後ろに周りこみ短剣をアリサの首に回した。
『参りました...』
『アリサちゃんさらに強くなったわねー私ちょっと本気だしちゃったわ』
あれでちょっとなのか...この人が本気だしたら街一つなくなりそうだなぁ。
『さてそろそろお昼にしましょ!』
『そうですね』
『でもその前に...』
『え?』
『アリサちゃんのお着替えタイムよ!』
『え?ええっ!?』
『さあ早く抜いで!お姉さんの前で!!』
『いやですよ!ぼくは男なんですから!ちょっとジェシカさんなんですかそのふりふりのワンピースは!』
『いやだってアリサちゃん女の子みたいだから』
『男です!』
『でもそんなこと関係ないわ!!』
『あっ!ちょっ!!ジェシカさん!?』
白い森に少年の声が無惨に響いた。