表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

兄の決意

 一馬かずまさん。その笑顔プライスレス☆


 なんてふざけてる場合じゃねぇ。怖い怖い怖い!むしろその笑顔怖いっす。……なんかすんません。俺の考えなんてお見通しですよね~。そうですよね~。……俺終わった…。

 そんな感じで俺が大混乱に陥っている間もみやびはいたって暢気のんきにしている。コタローってお兄のこと大好きだよね。なんてつぶやいて嫉妬の混じった目を向けてくるのだ。


 じ ゃ あ 換 わ っ て く れ !


 俺はいつでも譲る気満々だ。そもそもこいつは俺を大きな人型おもちゃとしか見てねぇよ!


「ミヤ。ソウと少し話があるから先に帰っててもらえるかな?」


 心の中でそう悪態をついていると魔王(一馬さん)(最終勧告)。コタローに押さえつけられ身動きもとれず俺は諦めの境地でその言葉を聞いた。そこに返される雅の言葉。


「う~ん。でもお兄、今日なんか様子がおかしいから早く家に連れ帰ってあげたいんだよね。」


 その言葉に俺の気分は一気に浮上する。雅ちゃん天使!それでこそ俺の妹だ!喜んだのも束の間やはり魔王(一馬さん)には俺を逃がす気はないようだ。


「大丈夫。そんなに遅くなるつもりはないし、帰りは俺がきちんと家まで送り届けるから。」


 そう言うと先ほどまでのまがまがしい笑顔とはまったく別の何の含みもない爽やかな笑顔を雅に向ける。というか正直その申し出はお断りしたい。主に俺の胃のためにも。家まで送るとかそれ何の拷問?そんなことになったら胃に穴が開きます。そんな俺の思いは雅に届くはずもなく、一馬お兄ちゃんがそういうならと納得してしまった。雅!騙されてるぞ!こいつは優しいお兄ちゃんじゃない。魔王なストーカーだ!雅はいまだにコタローに押さえつけられ顔をベタベタにしている俺のほうを向く。


「じゃあお兄。私は先に帰ってるね。」


 コタローまたね。


 そういってコタローのあたまを一撫ですると立ち上がった。家の方に歩き出す雅。黙ってそれに従うかける。ちょっと待てそこ!何ナチュラルにここを去ろうとしている。俺を置いて逃げる気か!絶対に許さない。


「おい、翔」


 はい。君はこっちね。


 そう声をかけた瞬間翔は魔王(一馬さん)に捕まった。舌打ちをして俺を睨んでくる翔。なんだよ。俺は悪くないぞ。見捨てようとしたおまえが悪いんだからな。


「じゃあ行こうか」


 一馬さんは睨み合う俺たちの間に入るとコタローを俺の上からどかし先を促す。

 どうせ行き着く先はいつもの公園(俺専用処刑場)に決まってる。俺は観念して大人しくそれに続いた。





 結論から言うと俺はいつもの公園(俺専用処刑場)にて尋問と懇願(という名の脅迫)をうけて家に帰されましたまる。つうか雅がどんな男に言い寄られようが俺が知るかっての!俺は悪くねぇ。そりゃあ多少きっかけは作ってるかも知れねぇけど引っ掛けてるのは雅だっつうの!四六時中雅を見張ってろってか。できるわけねぇだろ!こんなときばっか二人仲良く俺を責めやがって。


 とにかくこんな奴らに雅はやれん!


 家で俺を出迎えた雅を前にして俺はそう決意した。雅お前のことはできるだけお兄ちゃんが護ってやるからな。


 間違ってもあんなやつらを選ぶんじゃねぇぞ。いざとなったらお兄ちゃんがいい奴紹介してやる。


 内心そんなことを思いながら雅の頭を撫でてやった。




 これにてヒロインな兄シリーズ第4弾は完結です。シリーズ完結を目指してがんばりますのでこれからもよろしくお願いします。とりあえず次は他者視点による番外編を考えております。その前に他連載が入るかもですが…。どうぞ気長に見守ってやってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ