兄の心配
明けましておめでとうございます。新年一発目。どうぞお付き合いください。
主将が保健室から去っていくのを見送り雅の様子を確認する。だめだこいつ放心してやがる。
「雅?もう大丈夫だぞ。おーい。雅?」
反応がない…いや、なんか笑ってるぞ。朝からストレスがかかりすぎて頭がいかれたか?こいつやべぇ。
「しっかりしろ雅。雅!おい!大丈夫か?」
なにやらハッとする雅。
「ごめんごめん。ボーっとしてた。」
うん。見ればわかる。
「心配かけんな。ばぁか。」
とりあえず正気に戻ってよかった。俺がホッと一息つくと腕の中で雅がモゾモゾと動き出した。キョロキョロと周囲を見渡すと不思議そうに首をかしげる。
「あれ?先輩は?」
ん?先輩?先輩…っあぁ主将のことね。確かにあの人先輩だった。主将って言うイメージが強すぎて誰のことかわからなかったわ。
「主将のことか?部活に戻ったけど。てかお前ずっとここにいたよな?」
そしてあの人は普通にここから出て行ったよな。
「何で覚えてないんだよ。大丈夫か?」
雅ちゃん。あなた一人でいったいどこに飛んでたの。
「まあいいや。帰るぞ。」
「えっ?部活出なくていいの?」
…おい、この人マジか?どこまで記憶飛んでるんだよ。ほんとに大丈夫か?熱でもあるんじゃ…。俺は心配になって雅の額に手のひらを当てる。ん~熱はなさそうだけど。とにかくさっさと帰ろう。
「とりあえず立てるか?」
そう言うと雅は俺の腕の中から抜け出し軽い動きでベッドから飛び降りた。
「私よりお兄でしょ。倒れて保健室に運ばれたんだから。」
俺の前に立った雅は右手を差し出し爽やかに微笑む。何この子。男前過ぎる。なんつうか王子くさい。これが天然ものだからこわいんだよ。苦笑をもらして雅の手をとる。
「心配ねぇよ。いつものことだろ。着替えるからちょっと待ってろ。」
とりあえず部室行って着替えるか。勝手にあけられたロッカーがどうなってるか心配だしな。俺はベッドから立ち上がるとのんびりと保健室から出ていった。
部室に入ると真っ先に自分のロッカーの中身の無事を確認する。制服よし。カバンよし。中身もある。(携帯以外)よかった。無事だ。(携帯以外)あの人マジ勘弁してくれ。ホント女以外には鬼畜だな。てか雅によってくるやつはそんなんばっかりだ。俺もう疲れた…。若干気落ちしながらのそのそと着替える。…なんか忘れてるような気がする。そんなことを考えているとおもむろに響き渡る○ースベー○ーのテーマ。
こ れ だ!何でこんな重要なこと忘れたし。
from:魔王
sub:no title
ソウ。今日お前は何してた?今日はたっぷり時間があるようだから、じっくりとお話しようね。
絶対に逃がさない。
背筋に走る寒気。はい、そうでした俺の命の危機でした。この人実は俺のストーカーなんじゃないの?何で俺の行動までこんなに知ってるの?もっとこう雅のことだけ見てろよ!
お願いだからもう俺のことは放っておいてください。
スランプです。次回完結予定ですがいつあがるやら…。次回もお願いします。