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情けないな
こんなことで嫉妬してたら身が持たない
でも嫉妬せずにはいられない
ガチャ
愁さんたちが半裸で入ってきた
たぶんシャワーを浴びていたのだろう
みんな髪の毛が濡れてる
私が下をむき赤面に耐えてるのに比べ
女の人は普通に愁さんたちに手を降ってる
「みんな、今日のライブなかなか良かったよ。」
すごく馴れ馴れしい気がするのは私だけだろうか
「おぉっ
凛香も瑠璃もありがとな。」
たぶん凛香さんって言うんだろう
愁さんがさらっと私の名前より先に呼んだ名前
気がつくと瑠璃は楽屋を飛び出していた
…いや飛び出せたと思ってた
でも残念ながらドアを出る前にみんなに捕まった
「瑠璃なんで泣いてるの??」
愁さんが顔を覗き込んでくる
相変わらずかっこいい
1ヶ月前よりも輝いてる
そんな貴方に私は釣り合わない
「……。」
何も話さないで黙っていても愁さんは視線をはずさない
みないでほしい
こんな嫉妬にまみれた顔
チュッ
「えっ!?」
今キスされたよね??
えっ何で何で
錯覚?
「姉貴に嫉妬するなんて可愛いなホントに
でももうちょっと信じて欲しかったな。」
まるで拗ねるように言う愁さんはすごく可愛い
「じゃあ愁、その子が愁の彼女??」
凛香さんが私を見極めるように見てくる
何かだいぶガキでスイマセン…。
凛香さんに比べれば
まぁスタイルもガキだし
胸とかも小さくはないと思うけど凛香さんよりは…。
「は、はじめまして
いきなり泣いたりしてスイマセン
瑠璃って言います
よろしくお願いします。」
愁さんが耳元で
「ややこしいから俺だけの彼女ってことにしといてね」って囁いた
ビクビクしてるのをまぎらわすように耳を押さえていた
凛香さんは全く気にしてないようだった
「愁から歳をきいた時は驚いたけど
愁にはあってるかもしれない
こいつクールすぎるとこあるから
瑠璃ちゃんぐらい感情豊かな方が良いんだよ。
愁のことよろしくね」
子供扱いされたような気もしたけど
とりあえず認めてもらえたことが何より嬉しかった
やっと彼女に慣れた気がする
「愁さん
凛香さん
これからもよろしくお願いします。」
そういうと凛香さんはいきなり抱きついてきた
頬っぺたにはほうずりをされ
思わず身体が固まる
「可愛い!妹ちゃん!」
相変わらず離してくれない凛香さんをみんなが引き離す
念のため1番愁さんが強く
「これから俺と瑠璃はデートだから
また今度な。」
今日は帰さないと元々言われていた
でも何かデートって言われると照れる
「えー
今日は飲もうと思ってたのにぃ
じゃあ淳達と行くかなー。」
さすがに邪魔する気はないみたい
「無理だよ
俺ら疲れたからホテルに帰るし
ってことで行くか!」
凛香さんを放置して楽屋を飛び出そうとするみんな
えっ
1人戸惑う瑠璃を愁さんが引っ張る
「良いんだよ
いつものことだからさ」
いつもって…
ちょっとひどくないですか??
「あーじゃあ帰りますよ
仕事あるし
じゃあ愁またね」
けど案外凛香さんはあっさり帰って行った
するとみんなは途端に瑠璃にくっつき始めた
「愁だけズルいよね
人前で瑠璃を抱きしめれるなんて。」
陸さんが不服そうにつぶやく
そんな行動さえも愛しい
ギューと抱きしめかえしていると淳さんがいきなり陸さんをはがす
「誰が見てるかわかんない所より
さっさと部屋行こうぜ。」
淳さんに荷物のように担がれ車に乗せられる
運転席にはマネージャーさんじゃなくて律さんが乗っていた
「あれ…律さんが運転するんですか??」
横にいた愁さんにきくと丁寧に説明してくれた
マネージャーさんは会ったこともない私に嫌悪感を抱いているらしい
だから私に会わせたくないから帰らせたってことらしい
まぁ顔が良いバンドメンバーに彼女が出来たら邪魔だろうね
「なんかごめんなさい。」
私のせいで律さんが運転してるのは確かだし
迷惑もきっとかけてる
するとみんなが私をみる
「謝りたいのは俺たちだよ
拒否権がないとか言って彼女にしたくせに
堂々と彼女宣言は出来ないし
仕事も捨てれないから
外でデートさえ出来ない
瑠璃はこんな俺たちで良いのか?」
芸能人であるってことはそういうことだよね
しかも彼らは圧倒的女性ファンで成り立ってる
スキャンダルなんて出してはいけない
デートはきっとこれからもホテルだけ
「確かに全然会えないし
デートも出来ないけど
私はみんなが好きなんです」
今更忘れるなんて出来ない
私は望んで彼女になったんだよ?
「瑠璃…愛してるよ。」
全員から優しく囁かれた言葉は
私にやすらぎを与えてくれた
彼らと一緒ならどんな困難だって耐えれる気がする
車はあっという間にホテルに着き瑠璃はみんなと共に愁さんの部屋に入った
前と同じようにベッドが2つ置かれていた
2回目でも緊張は半端ない
ベッドをみつめ棒立ちしていると
みんなにベッドに腰かけることを勧められる
「瑠璃…俺らの彼女って証を付けていい?」
淳さんがいきなり言った言葉
意味はわからなかったけど瑠璃はウンと頷いた
「目つぶって?」
律さんの指示どおり目をつぶる
誰かの指先が首にあたり髪の毛をあげられる
首に触れる冷たい何か
カチャッ
「もう良いよ
目あけて?」
愁さんの言葉を合図に目をあけると
首には蝶のネックレスがついていた
チェーンに繋がれた紫の蝶
よくみるとメンバー全員の首にも同じネックレスがあった
「遅くなったけどお誕生日おめでとう瑠璃
ずっとつけててくれ
俺らの彼女の証」
瑠璃はあまりの嬉しさに涙を流していた
みんなと同じネックレスを付けれるってことは私は本当にこの人達の彼女なんだね
蝶のネックレスの裏側には
「Batterfly - ruri」
と刻まれていた
「泣くなよ!」
ちょっと横暴だけど淳さんが涙を拭ってくれて
他のメンバーは抱きしめてくれて
いつの間にか辺りはムードが出来上がり
いつの間にか瑠璃は押し倒されていた
やっと呼吸が落ち着き愁さんの腕まくらに顔をのせて寝ていると
いきなり陸さんが何かを手渡してくる
「ねぇ瑠璃これ着て?」
陸さんから手渡されたのはメイド服…
「お前相変わらずコスプレ好きだよな…」
淳さんがあきれると陸さんは笑顔でてへへと笑っていた
陸さんコスプレ好きなんだ
「えっと着た方が良いんですか?」
メイド服なんて生まれてから1度も着たことないし
ましてや着たいとも思わない
ってか似合わないよ絶対!
「もちろん
彼女になった子に着てほしかったんだぁ。」
嬉しそうに告げられては着ないわけにはいかない
瑠璃はしぶしぶ了解しシャワールームでメイド服に身をつつむ
鏡は恥ずかしくてみれず勢いだけで出ると
いきなりフラッシュが当てられた
「良いねぇその照れた顔
待ち受けにしよっと。」
要さんはシャワールームの前で待ち伏せしてたみたいで逃げるヒマもなかった
「あっズルいよ
俺だって待ち受けにしたいし
ねぇ要2ショット撮って。」
陸さんが要さんに携帯を渡して近づいてくる
そして後ろから抱きしめられ身体を固定された瞬間写真をとられた
「やめてくださいよ…
ハズカシイです。」
精一杯拒絶したハズなのに愁さんがやって来てベッドにまた押し倒された
みんな既にバスローブを脱いでいる
「もう終わりって言ったくせに…」
「瑠璃が可愛いこと言って煽るからだよ」
そして今夜も眠りにおちるまで抱かれたのだった
ちょっと陸さんの好みが…(笑)
少しふざけてみました(*´∇`*)