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救う手立て

「それは、目覚める見込みがないということか?」


動揺を隠せないまま、俺は聞いた。


“昏睡状態”


それが頭の中に重くのしかかった。


眠ったままの熱を帯びたレミアをみて、

それが嘘ではないように思えて、胸がえぐられる。


「このままの処置であれば、そうなってしまいます。

方法が、ないわけではないのですがーー」


「あるんだな!?彼女の助かる方法が!!」


希望の光が一瞬見えて、

それにすがる思いで無意識に医者の胸倉をつかむ。


「っ、はい。それは、非常に難しいです。

王子の力をもってしても手に入れられるかどうか・・」


医者が苦しそうに話した。

それをみて我に返って、腕を放す。


「なんでもいい。俺がこいつにできることならなんでもする。

それにやらなければできるかなんてわからないだろっ」


方法があるなら、いいじゃないか。

いくら難しくたって、彼女がこうなったのは俺のせいだから。

俺はこいつを助ける責任がある。


落ち着こうと思いながらも、早く助けたいという焦りが

声を荒げさせた。


「殿下・・。」


ケホッっと咳き込みながらも、俺をみつめた。

真偽か決意か・・、何かを見定めるようなまなざしを自分にしばらく向ける。


そして・・・


「殿下がそこまでおっしゃるなら、言いましょう。」


「ああ。頼むっ!」


医者にすべての希望を託して頷いた。


俺にできることなら、なんでもする!

だからーー、だから!

レミアを死なせないでくれっ!


全身全霊をかけた願いで医者を見つめると、


「その前に殿下に確認します。

彼女は呪いの持ち主ですね?」


「!ああ。」


「それで命が削られたと?」


「そうだ。この前の戦いで・・。」


「そうですか。そして、

身体に無理をさせて殿下のあとを追ったのですね?」


かなり気難しい顔をしながらも医者は淡々と聞いてきた。


「ああ、そうだ。

それで倒れて、意識が戻らないまま・・今に至る」


彼女が倒れたあの瞬間、

俺は、怒りと動揺とどうしようもない後悔が心をしめつけるように感じた。


心がつぶされるんじゃないかと思ったほどだ。

もう、ーーあんな思いは、したくない。


「殿下のあとを追う前に三日間意識がなかったそうですよね?」


「・・ああ。ピクリとも動かなかった。

身体も冷たかった。まるで仮死状態のようなーー」


あの身も心も凍る冷たさを思い出して、

身震いし、そう応える。


「・・そこから察するに、

彼女には、身体と生命エネルギーそのものに負荷をかけていたようですね」


「!、」


たしかに、そうだ・・。


一瞬、衝撃が襲ったが、すぐに納得してその結果に頷いた。


命を削るとは、生命エネルギーを消耗するということだ。

それが行われれば、身体だって耐え切れなくなるだろう。

毒も負ってしまったことも消耗につながってしまった。


「人間が、

それらの負担を取り除くには三つ方法があります。」


「三つ?」


「はい。ひとつは、自然治癒です。

人間にはその力が魔力のない人でも備わっています。」


「ああ、

だが、それではいつまでたっても彼女はーー」


自然治癒。

そんなもので彼女が目覚めるなら苦労はしない。

仮にできたとしても、だ。

どれだけの長い年月を待てば良いのか。


彼女の体が、エネルギーが治癒に使い果たされないか

かなり心配の要素である。


「はい、わかってます。

ですから彼女にこの方法は使えません。

二つ目は薬や魔法での治療です。」


「」


「ですが、それも一般の医療呪文や魔法薬では

彼女には効かないでしょう。なにせ生命エネルギーがかかっていますからね。」


そんじゃそこらの魔法で直せるものなどたかがしれている。

それで助けられるのは、命には別状のない病や外傷くらいだ。


「・・じゃあ、三つ目はなんなんだ?」


最後の方法に決意を固めて聞くと、


「それは、神によって与えられるとされる

“命の水”と、神聖呪文による蘇生魔法です」


と、惜しみなく医者は答えた。


「!!」

なん、だって!?


俺は、医者を凝視した。

その言葉に驚愕せずにはいられなかったのであった。



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