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エターナルおぢさん〜隔離世界ノ中で〜  作者: 世界最弱ノ作者
5/13

世の中、結局大体一緒。

《日時? 朝 街中》


――街に着いた俺達は、エルフやらモンスターやらでごった返し、忙しない様子な街中を彷徨(さまよ)っていた。


総司

「オイオイ……スゲェなこりゃ――」


オジサンになれば、大抵の事には驚かない。まるでゲームの世界だ。


そんな薄っぺらい感情しか出てこない筈だった。


でも……改めてよ〜〜く街ゆくひとび――異種達を見る度、目を見張るモノがあった。


ルイ

「……ん? なにボーッとしてるの?」


総司

「いや……何と言うか……“なんか良いな”って?」


ルイ

「ふぅ……嫌よこんな人混みの中だなんて――」


総司

「まぁ……それはそうだが――うん」


???

「うっふふっ……いらっしゃ〜〜い」


ゴブリン?

「ゲッへっへっ……今日も美人すね?」


???

「あらやだ……おだてても安くしないわよ?」


ゴブリン?

「知ってますよそんな事!! アレとアレ頂戴!!」


???

「まぁ……今日は沢山買ってくださるのね?」


ゴブリン?

「ヘッヘッヘっッ……沢山稼いだもんでさぁ」


総司

「……ほらアレ」


ルイ

「ん……? あぁ……近所のゴブリンさんね?」


総司

「あぁ……バカみてぇにアタックしてらぁ……」


ルイ

「全く……“あの店主”、いっつも色仕掛けするの」


総司

「ははっ……まぁ――“確かに綺麗”だしな……」


多分、俺達は全く別々の視点で会話をしている。


俺は現世ではあまり見掛けない、猛烈アタックと、猫耳ボン・キュッ・ボンな……猫耳お姉さんを。


ルイはと言うと、店主のやり方についてを。


正直、どうでも良い事だ。


ルイ

「ふぅ……ほんっと綺麗過ぎてムカつくわ?」


総司

「長くて白い綺麗な髪の毛に……メガネ属性……」


ルイ

「それに……とっても高そうな着物も羽織って……」


まるで俺達とは対極の存在だった。


俺達はと言うと、お互いボロボロな布切れ姿で、正直終わっていた……。


総司

「なぁ……飯にありつけたら、働こっか?」


ルイ

「えぇ……沢山働きましょう……」


正直、猫耳お姉さんに見惚れている場合じゃない。


俺達に必要なモノはマトモな生活費だった。


様子のオカシイ異世界に来て、初っ端やる事が出来た。


どう考えても貧困状態の俺達は、ある程度マトモな衣食住を揃えなくてはならない……。


色んな覚悟を決めながら、再度屋台の方へ顔を向けると――。


猫耳お姉さん

「あらぁ……? どうしてこんな所に“人間”が?」


総司

「えっ……?」


ゴブリン?

「あぁ……?! に……にん――げん??」


猫耳お姉さん

「“本当に珍しい”わぁ……? うっふふ――」


ドキッ――!!


総司

「……ルイ――行こう」


――ギュッ!!


ルイ

「えっ? はっ――あ……うん!!」


俺はルイの手を握ると、スタスタとその場を後にする。


走り際、ボソッとルイの耳許で囁く。


総司

「……多分、“面倒なヤツに目をつけられた”」


ルイ

「あの……“猫耳さんの事”?」


総司

「そうだ――多分、アイツ……“危ない”」


オジサンの勘がそう言っている。ある程度生きてりゃ、何となく気配で分かるモノだ。


――“悪意の匂い”に。 


ルイ

「でも……別にそんな気はしないけどな?」


総司

「よくそんなんで生きて来れたな……ったく――」


ルイ

「どう言う意味……? 分かんないよそれじゃ……」


総司

「ふぅ……まだ分かんねぇのかよお前……」


ルイ

「ちょっと、お前呼ばわりしないでよ……」


総司

「そんなんどうでもいい――良いか? よく聞け」


ルイ

「う……うん、分かった」


総司

「昨日の事覚えてるか? “この街で起きた事”」


ルイ

「え、えぇ……アナタがこの街で倒れてたわ」


それも正解だが、それじゃ正解とは言えない……。


問題はそこではなく――。


総司

「……“お前以外”――“素通りだ”……」


ルイ

「あっ――そう言えば……」


総司

「だろ? 要は――俺は“意図的に避けられている”」


どう考えても、避けられているのは明白だった。


いくら退廃的で荒廃した世界だとしても、人間と言う珍しい種族に、興味が湧かない筈が無いのだ……。


理由は分からない――ただ、何となく空気感で感じ取れた。


ルイ

「本当に何でだろう……私は自然と声を掛けた」


総司

「つまりだ……ルイ」


ルイ

「んなっ……なに?」


総司

「“お前でも知らない事がココにはある”んだよ……」


ルイ

「……そうかもね? 知らない事は沢山あるかも」


現実世界もココも……案外知らない事は共通して多いのかも知れない。


そこら辺は似た様なモノなのだろう。


世の中良くある事だ。知ったつもりだった事なんて、それこそ山程。


総司

「とりあえず、今日はさっさと食材買って、家に戻ろう……」


ルイ

「う……うん、1日分のお金しか持ってないけど」


総司

「それでいい、家に帰ってから今後について考えよう」


ルイ

「分かった……今度こそ色々話し合いましょう?」


総司

「あぁ……包み隠さず全部話すさ――」


総司

「俺が何者で……何故ココに居るのかを――」


一向に進まない展開にイライラしつつ、俺達は進み出す。


ルイ

「えぇ……お互い知らない事だらけだもの」


総司

「そうだ、俺達は何もかも知らないんだ」


総司

「だからこそ、教えてほしい、この世界の事を……」


ルイ

「あぁ……やっぱり――アナタは……」


総司

「……それは帰ってからの“お楽しみ”だ」


きっと、ルイは気付いている。


俺が“この世界の人間じゃない”って……。


後は自然に全て身を委ねて流れるまま、翻弄されるだけ――。


世の中――なるようにしか、ならないのだから。


――ギュッ!!


ルイ

「さ……行きましょ?」


総司

「あぁ……」


ルイに強く握り返されたまま、次なる展開へと向かって行く。


行き着く場所はどこだか分からない。


着地点がどこで、終点がどこなのかも……。


でも、流れ着いた先が終点で“始まり”だ――。













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