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エターナルおぢさん〜隔離世界ノ中で〜  作者: 世界最弱ノ作者
3/13

異世界の中で二人は……。

《日時? 時刻夜? 家の中》


――リビングはとても簡素で、あまりモノが置いておらず、とても綺麗なものだった。


そんな中、俺は妙にソワソワしていた。どうにも、こうにも落ち着かない……。


生まれてこの方、異性の家の中に居る事が無かったのだから。


ましてや、とても綺麗で美しく、可愛い美少女褐色エルフが目の前に居たとなればそれはもう……。


総司

「……なんか――マジで落ち着かねぇな……」


俺は頭を掻きながら、ボソッと呟く。



何かをしていないと、本当にどうにかなりそうだった。


美少女褐色エルフ

「まぁ……“それはコッチも一緒よ”……」


総司

「……だろうな。だって、“人間っぽいヤツ居ねぇ”もん」


それもそうだろう。街を眺めてもエルフか、ゲームに出てくるようなモンスターみたいなヤツしか出てこない、そんな違和感しかない異世界なのだから。


そんな場所に、オッサンが突然転がってたらそりゃもう……。


美少女褐色エルフ

「いや、そうじゃな――いや、そうね」


総司

「な……なんだよ、言い淀んで?」


何か美少女褐色エルフは言いたげだったが、途中でキャンセルしていた。


お互い、意見にすれ違いが起きているのだろう。


美少女褐色エルフ

「いや……“本当に珍しい”なって思ってね?」


総司

「そうなんだよ……俺も同じ事思ってるんだよ」


お互い状況が掴めなくて、膠着状態が続いている。


きっと、なんで人間のオッサンがココに居る?


そんな事を思っているに違いない……。


総司

「あぁ……そう言えば、名前を言ってなかったな?」


美少女褐色エルフ

「えっ――? あ、あぁ……そうね?」


本当に、俺達はぎこちない。会話が進んだと思えば止まっての繰り返し。


一向に話が進まずいるのが耐えられなくて、俺は重い腰を上げ、バンバン聞いていく事にした。


総司

「俺の名前は奥乃総司(おくのそうし)って言うんだ。君は?」


美少女褐色エルフ

「名前……なまえ――“そんなの無い”……」


――ガタっッ!! ガクッッ――ドッッ!!


美少女褐色エルフ

「えっ? ちょ――」


俺は椅子から転げ落ちそうになっていた。


な……名前が――な……無い?


本当に何もかも、現実世界と似て非なるモノだったから。


総司

「待て待て待て……じゃあどうやって、みんなと会話してんだよ?」


美少女褐色エルフ

「あ〜〜うん、“何番地のエルフさん”とか?」


総司

「おいおい……嘘だろ? それで伝わるのかよ……」


美少女褐色エルフ

「ま……まぁ、伝わるのかな?」


総司

「なんだよその曖昧なニュアンスは……」


本当に俺はポカーンとしているのだろう。あんぐり口を空けて。


美少女褐色エルフ

「う〜〜ん、でも本当だからね?」


総司

「……だろうな、嘘言ってる感じはしねぇし」


にわかには信じがたいが、ココが異世界だとするならば、もう――何でもアリなんだろう。


そのまま沈黙していると――。


美少女褐色エルフ

「あぁ、そうだ!! お茶を出してなかったね?」


総司

「うぇ?! あ――あ、うん、ハイ」


美少女褐色エルフ

「ちょっと待ってて!! 今沸かしてくるから」


総司

「あ……うん。頼むわそんじゃ」


色々ツッコみたい事は山程あった。でもまぁ……もうどうでも良くなった。


ボロボロな布切れを羽織っただけ。


そんな美少女褐色エルフの後ろ姿を眺め、俺はボーッと一人思い(ふけ)る。


妙に生々しい、叡智(えいち)な美少女褐色エルフの残り香を感じながら、少しだけ目を瞑った。


総司

(なんなんだよ……この世界は――それに……美少女褐色エルフが強すぎるだろうが!!)


そう……本当に強すぎだった。名前も無い、小柄でとても美しく綺麗で可愛らしく、そして……叡智だ。


暫く俺は悶々した感情のまま、色々と思い耽る。


考え続けなければ、頭がどうにかなりそうだった。


こんな時、タバコでもあれば慌てながら外に吸いに出る事だろう。


でも……タバコは無い。


自分だけで解決するしかないのだ……。


あるモノと言えば……妙に鼻につく美少女褐色エルフの――叡智な残り香だけ。


あまりにも刺激が強すぎるのだ、経験の無いオッサンには。


総司

「はぁ……き――キツイ……ふ――ふぅ……」


一体どれだけの時が経ったか分からない――。


俺は必死に耐えながら、様々な事を考えては吹き飛んでを繰り返していた。


――コトっ……ザッ――。


美少女褐色エルフ

「お待たせ。さ、どうぞ? 熱いけど」


やっと俺の目の前にお茶が到着した。


総司

「ふぅ……そんじゃ、貰おうかねお茶」


震える手つきで熱アツな湯呑み茶碗に手をつける。


あの炎天下のアスファルトに比べたら、大した事はなか――。


総司

「……アッチェすッッ?! あチャチャチャ!!」


――ゴトッッ!!


美少女褐色エルフ

「だから言ったじゃない……熱いって」


総司

「ははっ――本当に熱いし、“多分現実”だ……」


湯呑み茶碗をすぐにテーブルに置き、我に返る。


美少女褐色エルフ

「ナニ? 現実って……“現実以外ない”でしょ」


総司

「そうだよな……それ以外、あるわけねぇ……」


いくら現代だとしても、脳ミソにぶっ刺して超リアルなバーチャル世界を見せる装置なんて、出来てはいない。


精々AIを走らせられる市販のパソコンであったり、スマホが登場したくらいで時は止まっている。


それに、その進化もそろそろ頭打ちに差し掛かって来ているのだ……。


それを飛び越える為には、きっと莫大な費用が掛かる事だろう。


仮に、そんな装置があるとして、何でただのオッサンにそれを使う?


拉致られて、無理矢理研究施設まで運ばれたりして、実験体にされているなら理解は出来る。


しかし、そうとはどうしても思えなかった。


あまりにもリアルすぎるのだ……。


美少女褐色エルフ

「そうだ、アナタはどう呼ぶの? “私のコト”」


ボケーッとしている俺に声を掛ける、美少女褐色エルフ。


総司

「……う〜〜ん、そうだなぁ――じゃあさ……?」


美少女褐色エルフ

「うん? ナニ……?」


少しだけ俺は考えた。なんとなくだが、とってもお似合いの名前が脳裏を過ぎりそのまま――。


総司

「“ルイ”……なんてどうだ?」


美少女褐色エルフ

「ルイ……ふふっ――良い名前ね?」


総司

「あぁ……とっても良い名前だろ?」


俺達はお互い何も分からない仲だ。そんなヤツが出逢って、思いついたのは“類は友を呼ぶ”だった。


端的に言えば、“似た者同士”って事だ。厳密に言えば、違う意味もあるだろう。


でも……こうして引き寄せ合ったのならば、きっと間違っちゃいない。


ルイ

「ねぇ……“知ってる”?」


総司

「んな……ナニを……?」


ズズッ――ガタッ――タッタッタッ――ピタッ……。


さわ……サワサワ……シュリシュリ――。


ルイ

「ふふっ――“この世界”ってね?」


総司

「お……おうふっ?! ちょ――ナニし――」


ルイ

「名前を貰ったら……“一生その人と添い遂げるの”」


総司

「え……っ?」


ルイ

「ふぅ〜〜ナニ、“固まってる”の……?」


総司

「あ……いや、ナニを言ってるのかな〜〜って?」


ルイ

「そのままじゃない……それじゃ――行こっか?」


総司

「行くってドコに? お茶は……?」


ルイ

「お茶? そんなの後でも良いでしょ?」


総司

「いや……せっかく淹れて貰ったし……お……ぉん」


ルイ

「ほら……後でいいから、“お風呂”行くよ?」


ルイは俺の側へと身を寄せると、耳許でボソッと囁き掛ける。華奢な体を擦り付けながら、まるで誘うかの如く。


ルイの体からは、頭がクラクラする様な魅惑で蠱惑な香りが漂って、もう辛抱ならない――。


総司

「君こそ……良いのかよ……こんなオッサンと」


ルイ

「構わないわ……ほら――行こ?」


総司

「……そうかよ。マジで知らねぇぞ?」


ルイ

「えぇ……“どうなっても構わない”わ?」


総司

「――分かった」


そのまま、俺はルイに誘われるまま……流れて行く。


――きっとなるようにしかならない。


なら……俺は、流れ流されて辿り着くだけ。


この未知なる異世界の中、翻弄され続けながら。


ルイと共に。

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