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エターナルおぢさん〜隔離世界ノ中で〜  作者: 世界最弱ノ作者
11/13

ひと時の幸せな時間。

《日時? 夜 ルイの家》


――あれから俺達は、街中に出向いた。


食材を買わないと、今晩の夕飯にありつけないのだ。


外食をする手も考えたが、昼間の値段を想像すれば、恐ろしくて外食なんて出来やしない……。


手元に残された現金は、シワクチャな6千円だ。


総司

「ってコトで……食パンの束4袋と、肉3つだ」


ルイ

「なんとか数日、これで過ごせるわね」


総司

「本当は、米食いてぇけど――絶望するくらい高い」


ルイ

「えぇ……“10キロで4万円”程するのよ……」


総司

「ふぅ……俺達は暫く食パンで耐えよっか――」


ルイ

「うん、でもお肉あるだけ、本当にありがたいわ?」


総司

「あぁ……何とか稼いだお金も余ったしな」


内訳はザックリこうだ。


食パンが4つ、1束が400円の為、1600円。


お肉は紙袋3つ、一袋が1200円の為、3600円。


それらをガッチャンコすると……都合5200円だ。


昔と比べたら約4倍くらいの物価だ――。


食パン1束で400円は震えてくるが、仕方が無い。


お肉に関しても、1パック300円くらいで売ってたモノが、今じゃ……1200円だ。


ここら辺も、現世とあまり変わらないのかも知れない。


若干、現世の方が安い程度の話だ。


総司

「とりあえず、ルイの方で稼いだお金は使うな」


ルイ

「別に良いのに……私も出すから」


総司

「いや、何があるか分からねぇ以上、ある程度お金は貯めておこう」


ルイ

「ふふっ……結構堅実なのね? アナタって」


総司

「物価が高すぎんだよ……体調崩して、働けない時どうすんだ?」


ルイ

「まぁ……確かにね?」


総司

「この世界はムカつく程、“現世と似てんだよ”……」


総司

「“悪い部分はソックリそのままな”――」


ルイ

「世の中って非情なのね――どこ行っても一緒って」


総司

「あぁ……いまだに信じらんねぇよマヂで」


ルイ

「さっ――暗い話は終わり!! すぐ調理するね?」


総司

「そうしてくれると助かる。体がバッキバキなんだ」


ルイ

「ふふっ……確かに動きが悪いわね」


総司

「あぁ……超肉体労働したからな――」


ルイ

「ご苦労さま。ちょっと待ってて? お肉焼くから」


総司

「すまん、頼むわ……少しだけテーブルで寝る」


ルイ

「えぇ……ごゆっくり」


――ゴトッ……シュリシュリ――。


総司

「はぁ……若干テーブルが冷たくて良いぜ……」


テーブルで顔を伏せるなんて、いつ振りだろう?


学生時代振りだろうか? 


何となくそれが懐かしくて、ジーンと来ていた。


総司

「……いい匂い――はぁ……眠い――」


……ジュ〜〜と、お肉が焼けるイイ音。


それに、香ばしいお肉が焼けるイイ匂い――。


そんな食欲をソソる匂いを堪能しながら、俺は少しだけ目を閉じた。


《日時? 夜 ルイの家》


……コトッ――スッ――。


ルイ

「ふふっ……ガッツリ寝てたのね? 出来たわ」


総司

「……んっ――んぁ? あっはっは――ごめん」


総司

「ふぁ……あっ――普通に寝ちまったわ……わりっ」


目の前には焼かれた食パン2枚と、焼肉が少々。


ルイ

「さぁ、食べましょう?」


総司

「あぁ……食べよう。頂きます」


ルイ

「頂きます。お腹ペコペコだから、きっと美味しいわ」


そのまま俺達は、夕飯にありつく。


肝心のお味はと言えば……。


総司

「もぐもぐ……んっ――なんか……“普通だな”?」


ルイ

「んっ――うん……“普通”――だね?」


大して美味くもなければ、不味くもない――。


言ってしまえば普通……なのだろう。


味付けはシンプルな塩胡椒ってトコロだが、正直物足りなかった。


総司

「パンも――う〜〜ん……パッサパサで“微妙”――」


ルイ

「まぁ……確かに言われてみればそうね?」


総司

「ふぅ……やってくれるなぁ!! この世界!!」


ルイ

「まぁ……食べられるだけマシよ?」


総司

「だとしてもなぁ……調味料を今度買おうか?」


ルイ

「調味料? お醤油とかお味噌とか、焼肉のタレとか?」


総司

「そう。大抵、調味料で何とかなるもんよ?」


ルイ

「あ〜〜うん……“ビックリするくらい高いよ”」


総司

「え"ッッ――?! そんなに高いの……?」


ルイ

「うん……例えば“お醤油1本”――“1万円”くらい?」


――ガタッ……!!


総司

「んなっ――?! 醤油が――1万円……??」


ルイ

「お味噌もそのくらいで、焼肉のタレも高いよ」


総司

「焼肉のタレはちなみに……?」


ルイ

「あ〜〜うん……“小瓶で”――“5千円”くらい?」


――ゴッッ!!


総司

「終わってる……この世界――いやマヂで……」


俺は驚きのあまり椅子を揺らし、そのまま自分の頭を軽く殴った。


しかし――何も変わらない……。


夢ではなく、“これが現実”なのだから――。


ルイ

「そんな事をしても、夢から覚めないわよ?」


総司

「あぁ……“恐ろしく現実だ”――」


ルイ

「夢の中みたいな話だけど……本当に高いのよ」


総司

「参ったな……本当に、食って行くだけでやっとだ」


ルイ

「だから、噛み締めて食べましょう?」


総司

「あぁ……一瞬で無くなるけどな――トホホ……」


噛み締めて食べたいが、もう――殆ど食べてしまった。


ルイ

「それはそうと、今日はシャワーどうする?」


総司

「あぁ……その分じゃ――“水だな”?」


ルイ

「ふふっ――鋭いじゃない……正解よ」


総司

「まぁ……夏場だし、冷水シャワーで全然いいよ」


ルイ

「“高いからね”……“光熱費も”」 


想像したくないレベルの話だった。


大して使わなくても、物価が4倍換算するならば……。


……ブルブルっッ!! ブルッ――。


総司

「ルイ……お前――“よく一人で暮らしてきたな”?」


ルイ

「えぇ……まぁ――なんとか?」


総司

「想像しただけでブルッちまったわ……マヂで」


ルイも俺もだが、本当にボロ切れ姿なのだ――。


マトモな衣服を持っていない事が、まず異常だ。


ルイ

「まぁ……他もそうよ? “街中を良く見てみて”?」


総司

「まぁ……“俺達と似た様なモンか”――ははっ……」


ルイ

「こんなにも物価高いんじゃ、服もマトモに買えない」


総司

「ったく――酷い世の中だな……生きづらいぜ」


ルイ

「ふふっ……でもいいの。“アナタが居るんだもの”」


……カチッ――ズッ――タッタッタッ……。


お互い食事が終わり、ルイは俺の方へ向かって来た。


ルイ

「“どんなに貧しくても良いわ”……アナタが居れば」


――ギュッ……。


総司

「ふぅ……“俺もだ”」


ルイは椅子に座る俺の背後から、手を回す。


顔を寄せ合って、暫くお互いボーッとして――。


……バッッ――。


ルイ

「さて……冷水シャワーだけど、お風呂行きましょっか?」


総司

「あぁ……汗流したいしな」


ルイ

「ふふっ……火照りが取れて、きっと気持ちイイわ」


総司

「んじゃ、行きますか……」


ルイ

「ふふっ……“イキましょう”?」


総司

「…………」


そのまま俺達は風呂場へ向かって行く。


ナニか起きないと言えば、“起きない訳がない”。


ただ……もう、こればかりは慣れる以外無いのだ。


《日時? 夜 ルイの部屋》


――体がもう……“本当に動かない”。


お風呂場で……色々とその――あの、えっと……。


“大変なコトが起きて”、ヘトヘトになってしまった。


何時間、お風呂場に居たのかは分からない……。


ただもう――半分以上思考は停止し、体はもう限界を迎えていた。


俺はベッドの上でただ――“文鎮化”していた。


ルイ

「はぁ……疲れたね? “ただのお風呂のツモリが”」


総司

「あぁ……もうマヂ無理――ガチ死んぢゃう……」


“ナニがとは言わない”。


――()いて言うならば……“ナニモカモ”だ。


ナニモカモ絞り取られて……もう――動けない。


ルイ

「ふふっ……“楽しめた”?」


総司

「あぁ……まるで“アトラクション”だ」


ルイ

「アトラクション……? 何それ?」


総司

「う〜〜ん……“楽しい催しモノ”? 的な?」


ルイ

「ふ〜〜ん? まぁ……イイわ」


総司

「あぁ……お陰で楽しみ過ぎて動けねぇよ……うん」


全身が筋肉痛で、もう……体バッキバキで痛いのだ。


心の幸福度は増して、体はボロボロだった。


ルイ

「うっふふっ……なら、“これから癒さなきゃ”……」


総司

「待って――十分癒されたからダイヂョブよ?」


ルイ

「大丈夫……そのままアナタは寝ていて?」


総司

「まっ――?!」


――ガバッッ!! ガッ――!!


ルイ

「ほ〜〜ら……“捕まえた”――ぢゅるッ……ふふっ」


総司

「嘘でしょ……? え"ッ――? “まだお楽しみ”?」


ルイ

「大丈夫――“優しく”、“ゆ〜〜くり癒すから”」


総司

「ホント……“優しくしてね”? もう体が辛いの」


ルイ

「えぇ……ふふっ? たぁ〜〜くさん、癒してあげる……」


総司

「分かった。“好きにしてくれ”――」


ルイ

「ふふっ? 言われなくても――“好きにするわ”」


……スゥ――ボソ……。


ルイ

「ふぅ〜〜」


総司

「うぐっ――?!」


ルイ

「それじゃ……“朝まで”――“楽しもっか”?」


総司

「……好きにしてください――おほほっ……うぅ」


お風呂に続き、ルイの部屋でもお楽しみは続く。


相変わらずルイは元気で、ほんっと――ピンピンしている。


あり得ない程、“色々あったのに”……ルイは――。


ルイ

「はぁ……アナタ――“好きよ”? “大好きよ”……」


ルイ

「“愛してる”……“愛してるの”――“狂おしい程”」


総司

「あぁ……“俺もだよ”――“ルイ”」


ルイ

「うっふふっ――こうして抱き合ってるだけで……」


ルイ

「ふぅ……“凄く安心する”……はぁ――暖かい……」


総司

「ルイ……“満足するまで”、好きにしていいからな?」


ルイ

「うん……“全然足りないもん”――もっと欲しいの」


総司

「そっか――なら、好きにしてくれ」


ルイ

「うん……“本当は数日間”、こうしていたいよ……」


総司

「す……数日――間?」


ルイ

「うん……“ずっと一緒にこうしていたいの”……」


総司

「そんな事したら……“多分死ぬぜ”……?」


ルイ

「ふふっ……“大丈夫よ”――“きっと耐えられる”」


総司

「いやいやいや……“ソッチはね”?」


ルイ

「大丈夫――“アナタも耐えられるわ”?」


総司

「“今でもキツイのに”……?」


ルイ

「うん……きっと大丈夫。“徐々に慣れて行くから”」


耳許でずっとこんな、イチャコラした会話が続く。


ひと時の幸せな時間って、こう言う事を言うのだろう。


総司

「ルイが辛くなければ……いつまでも付き合うさ」


ルイ

「うん……“気の済むまで付き合って”?」


ルイ

「うっふふっ……私――本当……“駄目な子なの”」


総司

「……それくらいが可愛くていい」


……ギュッ――ぎゅっ――。


俺はバッキバキな体で、ルイを抱き締めた。


華奢で小柄なルイを抱き締めながら、ルイの温もりや、叡智な匂いを感じる。


総司

「あぁ……ヤベェわ――ルイ……お前――マヂで」


ルイ

「うふふっ……“ナニが”?」


総司

「ふぅ……“ナニって”――“色々全部だよ”……」


ルイ

「そう……“褒めてくれてありがと”――えへへっ?」


総司

「ふぅ……“もう無理だ”――イイぜ……もう?」


ルイ

「えぇ……もう限界よ――はぁ……それじゃ――」


ルイ

「……んっ――ちゅっ……ふふっ――始めましょ?」


総司

「あぁ……んっ――」


限界に限界を重ね、限界に至るのです。


まるで、ナントカ構文みたいだった。


もう……とっくの昔に限界なのに――。


俺達は……“色々と戦い始める”のだから。


俺はただ……底が見えないルイに付き合うだけ。


ルイが楽しくて、満足出来るならば……。


俺はただ、それに付き合ってやるだけなのだ。


ルイ

「あぁ……大変――うっふふっ?」


ルイ

「もう……“止められないわ”――ゴメンね?」


総司

「イイよ……“好きに暴れてくれ”」


ルイ

「うん……!! ゴメン――本当に……んっ――」


総司

「……んっ」


もうここまで来たら止まらない――。


ルイはもう……きっと止められない。


お互いが止まるその時まで――戦いは終わらない。


これから……毎日の様に、戦いが続くと思うと――。


ほんっと……怖くて堪らない。


でも――戦い続けるしか無いのだ。


この幸せな時間をお互い、失いたく無いのだから。


失わない為に、戦い続けるのだ。


“必死に”――。






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