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モブどころかゲームが始まる前に死ぬ一行ップですが私を殺す第一王子に溺愛されてます  作者: 如月いさみ


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12/15

黒魔術と魔呪具の秘密

「普通の魔法は魔力を消費して火水土風に変化を加えるんだがそれが拒否することはないし対抗して魔法で攻め返してくることはない。ただ黒魔術や魔呪具のような所謂、闇属性の魔法は相手によっては跳ね返してくる可能性がある。それは人に対して変化を求めるモノだからね」


 私はハッとした。確かに私が眠っている時にあの黒い手が私と同化して操ろうとしていた気がする。それを私はゲームで覚えていた魔法陣で跳ね返した。


「あの先生、もし跳ね返したとしたら相手はどんな現象が現れるんですか?」


「色々だね。闇属性の魔法に強いのは反対の光属性の魔法でそれで跳ね返らされたら仕掛けた闇属性の魔法に上乗せして光属性の魔法の攻撃も受ける形になる。まあ、度合いにもよるけれど身体的なダメージを受ける時と精神的なダメージを受ける時とがあるね。光属性の魔法は多くは防御系や回復系だから使ったとしてもそういう跳ね返りはない。もちろん、光属性の魔法でも攻撃系はあるけれどそもそも光属性の魔法を使えるのは極一部の人間だから多くの場合は闇属性の魔法に対抗する時は聖魔具を利用する」


 聖魔具? それはゲームでもお目にかかったことがない。

 首を傾げた私にフレデリック・フォン・ハミルトンはにこやかに笑みを浮かべて自身が付けているネックレスを外して見せた。


 ギルバートも同じようにそのネックレスを見た。

 ネックレスには宝石が付けられておりその宝石は淡い黄金の輝きを放っていた。恐らくそれが聖魔具の本体なのだろう。


「先生、これが聖魔具なのですか?」


「そうだよ。ギルバート王子も持っていると思いますよ」


 ギルバートは「ああ」というと同じような輝きを放つ宝石が埋め込まれた腕輪と指輪を前に出した。


「これだと思う。ロレーヌ公爵家へ預けられる前に父からいただいたものだ」


 私はそれを聞いて王がギルバートを大切にしていることが分かった。恐らくエリザベート王妃も大切にしていたのではないかと思う。そうで無ければギルバートを廃嫡にもそれこそ処刑することもできたけれど王はギルバートの命を狙うこともなくかといって無理に担ぎ上げることもしないロレーヌ公爵家に預けたのだ。


 私は笑みを浮かべた。


「王はギルバートを守りたかったのね」


 そう言って私はハッとした。そして、フレデリック・フォン・ハミルトンを見た。

 まさか。まさか。

 フレデリック・フォン・ハミルトンは私が気付いたことが分かったように静かに笑んだ。


「そうですね、これは強い力を持った護符のようなものですね」


 私はヒタリと汗を浮かべた。王は本当にエリザベート王妃の謀反について冤罪だと分かっていたのだと気付いた。だからこそギルバートに聖魔具をつけさせて守ろうとしたに違いない。


 フレデリック・フォン・ハミルトンは私を見て少し考えると唇を開いた。


「私が聖魔具を用意しましょう。リリカさまとロレーヌ公爵夫人の分を。あと……光属性の魔法で防御と攻撃を教えておきましょう。リリカさまなら間違った使い方はしないと思いますから」


 ……ただ光属性の魔法を使える人は少ないので使えない可能性がありますので適性を見る為でもあります……


 私は頷いた。恐らく私が知っている魔法陣の中に光属性の魔法があったからかもしれないと私は考えた。


 フレデリック・フォン・ハミルトンは指を前にするとゆっくりと魔法陣を描き始めた。


「リリカさま」


 私は頷いて淡く浮かび上がるとそれをなぞるように指を動かした。恐らくこの魔法陣は通常の魔法陣ではないのだろう。相伝の魔法陣は本には残さずにこうやって受け継がれていく。

 一般的なものは本で覚えるが特別な魔法陣はこうやって身体で覚えていく。


 私は幾つかの陣をフレデリック・フォン・ハミルトンから受け取り、それをギルバートに伝えた。それは覚えるためのものでもあった。


 それが一通り終わるとフレデリック・フォン・ハミルトンは笑顔を浮かべた。


「では実践してもらいましょうか。陣を覚えても発動しなければ意味がありませんからね。予定外にはなりますがそれで光属性の適性を見ましょう」


 私もギルバートも頷いた。

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