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【プロットタイプ】気遣いを無碍にすんなよ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

こういう小さな積み重ねで、夫婦仲って冷えきるよね。

「瑠衣たん。暫くは鏡花に少しだけ優しくして欲しいかな。あ、別に今までのが不満って訳じゃないよ。今だけちょっと歩く地雷になってるから」

ある夜、俺をテーブルと向かい合わせに座らせた後、鏡花は大真顔でそう言った。

「あぁ。承知した」


瑠衣が風呂に入っている間、テレビを付けるとドラマをやっていた。一般家庭の、有り触れた食事シーン。今まで全く追い掛けていなかったので、どんなドラマかは分からない。

――おかず、まだ残ってるから食べなよ。

――旅行帰った後も肉続きじゃん? そろそろ控えたいからお前が食べて良いよ。

旦那の不満気で低い声がテレビから聞こえてくる。奥方は其れを聞いて、やや表情を曇らせた。其れでも気を取り直した様に、また口を開く。

――あ、じゃあ明日から……。

――なんだよ。これ。食い過ぎだろ。

奥方の話をぶつ切りする様に、旦那はそう跳ね返した。

何処にでもある風景だと思っている。この世の、非常に有り触れた光景だと思っている。けれども何だか見ていられなくて、私はチャンネルを消した。

後ろを振り返る。話し掛けたい人物はそこには居なくて、風呂に入っている事に気が付いた。

今、突入して怒られ無いだろうか。『今、其れを話すべき事なのか?』と言われ無いだろうか? しかし気が付いたら足が動いていた。

風呂場に着いて、曇り硝子を指で叩く。雨音の様な音が止み、僅かな沈黙が訪れた。

「あのさ、今日寒いじゃない? 風呂入れた?」

「いや」

「じゃあ入れて欲しいな。入浴剤持ってくるから。それで……」

話を聞いて欲しいんだ。少しでも我慢すればきっと耐えられる。けれども今この思いを風化させたくは無かった。

瑠衣は何かを察した様で、端的に返事をした。


入浴剤を持ち帰ると、また雨音の様な音が響いていた。これが終わったら、話を聞いてくれるだろうか? まだ掛かるだろうか? 今この時期に、あまり我を通したくはないな。

そうこうしているうちに、瑠衣の方から声が掛かった。

「どうした急に」

気を使わせている。申し訳ないな。だが待たせるのもまた更に億劫で、思い切って口に出して見ることにした。

「大した話じゃないんだよ。ただドラマ見ててさ、なんて言うか……」

私は先程見ていたドラマの話をした。何処にでもある家庭の話だった事。奥方が気を使っていた事。其れに一切気付かず、ぞんざいな態度を旦那が取っていたこと。

硝子戸の奥で、シャカシャカと音が聞こえてきた。体を洗っているらしい。

「それで、お前はそうして欲しくないと? 今までの環境が不満だと」

「違うよ。不満じゃないよ。だって私は過度に優しくされたり、甘やかされるのが嫌だから。

ただね……何か可哀想だった。気遣いを無碍にされて、小さな傷が出来て、其れが諭羅みたいで……。

私みたいに『テメェが不満だと言ったんだろ? 気遣わせるような言葉言ってんだろ? 黙って最後まで話聞けよ。蔑ろにすんなよ!!』って言って欲しかったなって。

それだけ。それだけだよ」

自己投影のしすぎだな。剰え其れを押し掛けて聞いてもらおうとするなんて。

「お前らしいな」

緊張の糸が解ける様に、瑠衣はそう言った。ふっと笑った事気付いたのは、瑠衣が直々に入浴剤の催促をした時だった。

「早くしろよ、入浴剤。お前がお湯入れろって言ったんだろ」

仏様も聞いてる。

との比較が見たくて、良い感じにネタが降りてきたので、この話。


あんまりラジオに頼るとさぁ、物の書き方忘れちゃうから!! ただでさえ忘れかけてるのに!!


この話ってさ、些細なこと。

夫婦仲にしてしまいましたが、普通にありそうな事。


お菓子を配ってて、一個余っちゃって、其れを自分以外の人に渡した時、

『え。要らない。デブるじゃん。お前が食えよ』

って言われた時のような感じ。


これの何が駄目かって、

『自分のデメリットを相手に転換するような物言いするなよ。不愉快だな』

という事。人の気遣いを最悪な形で拒絶してる。

『デブるじゃん』一言余計。


諭羅が言われたら、間違いなく心のシャッター下ろすなって。其れも鏡花のように不満をぶちまけず。

その積み重ねが限界を超えた時、離れる事を決意しそう。


この二人が上手くやれてるのって、嫌な事は嫌だと言うところ。

『夫婦になった以上、思ったことは全て言う。良いも悪いも我慢しない』

ある意味、気遣いとは遠いところにいるんですよ。

言われなくてもするのが気遣いだと思ってるので。


何が正解なのかは分からないけど、少なくとも二人にはこれが一番良いんだろうな。


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