003:非常
4時間目 音楽────
やたらと移動授業が多い日のようで…ハァ…。
「お前、今日やたらとため息吐くじゃん…なんか…どした…⁇」
「いやー考えることが色々あって…」
「まぁいい───」
(少し…寝る───)
覇月は何故、自分が生徒会室に呼ばれたのか、自分と生徒会長にどんな関係があるのか、考えながら眠りついた────
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音楽講義、終了数分前────
「…ッ…ふぅーー…」
(…ろそろ起きるか…)
(はぁ…)
クラスメイトが全員寝ている。
「ってあれ、おい...⁈」
「みんな?おいお前??気ノ好⁈」
「ンー...ッ、グーーー──」
肩を揺らしてもこいつは起きない。
⁇「あれ…、オカシイな…」
⁇「全員寝かせたと思ったのに…」
「?!」
(なんだ、こいつ───)
覇月の目線の奥で、天然パーマが怪しげに揺れる。顔が隠れてよく見えない。
⁇「キミ…オモシロいね…」
⁇「…キミももしかして───」
「(キーーンコーーンカーーン…)」
「あらッッ…嘘!せんせい寝ちゃった?!
」
「ごめーん!起きてた人‼︎ごめーんなさーい!!」
「あれっ俺、寝て…」
「えっうちも寝た...」
「みんなーーおはよー」
「ウチめっちゃ寝た──」
⁇「キミがもしそうなら……また会うかもしれない────」
そう言うとそいつは…
「(顔がよく見えなくて───)」
どこかへ行ってしまった───
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───放課後
「じゃあ、家の床には気をつけるように」
皆が散らばって、教室が静かになっていく。
気ノ好が当然のように俺の席に近付いてくる。
「なぁ、部活って入んだっけ⁇」
「いやー、まだ決めてないからなー…」
(部活....。生徒会長…。音楽室…。天パ...あぁ!頭が…!)
「じゃあ帰宅部同士ィ早速帰るぞゥっ」
キメ顔で言うことじゃないだろ。そう思ったが、ツッコみより先にあの生徒会長のことが頭をよぎる。
「キメ顔で言うことじゃないでしょー。」
代わりに隣の席のクラスメイトが気ノ好を諭す。
「説乃さんー、おれそんなキマってた⁇」
「はいはいキマッテマシタ。それと乙宮クン今日は日直。片付けとかしたいから一緒に帰っちゃ、」
「「ダメーー」」
「ね、ハイっ、分かった。乙宮ァーまた今度──!!」
ちぇーっという口のままあいつは帰ってった。
すまない気のいいキミ、何やら俺は残らないと"ダメーー"ならしい。
やはり考えずにはいられない、あんな人がなぜ俺を生徒室なんとやらに呼ぶんだ...。俺になにか....それとも....
「──宮!乙宮覇月!」
説乃さんの怒声で現実に戻る。
「もー早く作業終わらせないと帰れないじゃないっ!」
「⁇」
「はやくしてー?手伝ってよちゃん…(ベラベラベラベラ)…ったくもー…日直の仕事はさ…分担して……だからこの…」
(よく話す子だなー、熱心だしいい子だなぁ...)
(あれ、ってか───)
「そういや、…俺なんで手伝ってるんでしたっけ⁇」
「はぁー?!覇月くんとわたし!今日日直‼︎でしょ‼︎」
「ンっ!ヌっ!!」
指でお互いを指す説乃さん。
「───俺って今日日直だったんだ…」
「ッッ!何度もそうッ(バシッ)」
「言ったじゃ!!(バシンッ)ない!!」
「(バシバシッ)イタッ痛いっ、てっッッごめんなさッいっ────」
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俺達はやっと腰を入れて作業を始めた。'谷ちゃん'先輩のことは気がかりだけど、この子の血管をこれ以上膨らませちゃわるいしな────
「じゃあ俺、ずっと今日の日直の仕事…サボってた…ってこと⁇」
説乃さんはンッ!と腰に手をつき覇月を睨みつける。
そうか...悪いことした…な...。彼女のこと、ずっと怒ってかりかりした子だなって思っていた...。
「そうだ、お詫びに、今日あと自分でやっちゃうしさ、さき帰って──」
「そんな毎回毎授業ぼーっとしているような人、置いていけません!」
「...」
「...それに、今日のきみ、少し...」
また心配した顔で覗き込む。
「…なにか…なにか…あった??」
「……」
「俺実は…」
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正直に話す。といっても生徒会長に呼び出されたってところまでだけど、その話をしたら、急にそっちを優先していいと言われ、教室を後にした。自分も手伝いたかったのだが、生徒会長を待たせたくないらしい。
「わたしのせいでぼこぼこにされる乙宮くんなんて見たくないっ」と言っていた。
そんなに怖い人なんかな、と少し不安になった矢先に、部屋の前に着いてしまった。が、彼女の気遣いと自分の肢体を優先してみる。
「(コンコンっ)失礼しま──」
「入れ。」
「遅れて申し訳──」
「構わん」
(もう少し、あの子を手伝ってから来ればよかったな。)
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生徒会特別室───
もう少し荘厳な感じかと思ってたけど、質素な感じだ......。
「乙宮くん」
「…ッ、ハイ。」
会長の眼差しと声の圧が強く、俺の声はやや裏返った。
「今回来てもらったのは他でもない」
やな感じだ、"他でもない"などという表現には、いくつかやな覚えが────
「(──まずいっ)あの質問──」
「我々は君に────」
「(ゴクッ)」
「生徒会役員として、共に働いてほしい」
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