表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

個人企画に参加してみた。⑤と⑥

集中力を乱すな!

作者: モモル24号


 三戦の構えから、周りに気つがれないよう息をスゥ〜っと細く静かに吸い込む。空気の麺を食べるように細く長く息を吸い⋯⋯回転を加えながら勢いよく息を吐き出し正面に向かって拳を突き出し‥‥


 打つべし!


 打つべし!


 打つべし!!


 躊躇っては駄目だ。呼吸が乱れる。何も考えては駄目だ。集中が途切れる。


 ただ拳を突き出す事だけを強くイメージし、呼気を整え狙い打つのみなのだ。


 周りは全て敵と思え。踏みしめる大地は時に激しく揺れる。油断なく構えて、足裏に根を生やすつもりで踏みしめる事で、不意の横揺れにも耐えられるのだ。


 解放の鐘が鳴り、敗残者が項垂れながら戦いの場を後にしてゆく。新たな挑戦者がやって来ようと、次の一撃で勝負は決する。



 ──次は、市役所入口。市役所入ぐ⋯⋯ピンッポーン


「──またやられた!!」


 あれほど準備し集中し、じっくりと呼吸を整え気を練り、この一撃にかけたのに⋯⋯またしても先を越された。


 バス内部に設置されたブザー。降車の意思を運転手さんに伝えるためのベルを鳴らす事は、私の朝の楽しみだった。


 それが小学生に押しまける。正々堂々勝負する私に、奴はルール無視で先押しする。


 勝負は無情。でもたまには勝たせてくれよぉ。


 

 お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆『500文字小説企画』企画概要◆          『500文字小説企画』作品はこちら↓ 500文字小説企画  ◇ クリームソーダ後遺症? ↓クリームソーダ作品 クリームソーダ後遺症祭り バナー作成/バナー作成・幻邏さま  ◇ i892942帰らぬ蝶と、果たされた約束  ↑公式企画「秋の歴史2024分水嶺」 の連載作品となります。
― 新着の感想 ―
高校の時に降りもしないのに、押そうとする人が押す前に「ピンポン」する遊びが流行った事を思い出しました。 ろくでもない高校生だ・・・。 ちなみに我が友はピンポン押した後、誰も降りなかったので、仕方な…
私はむしろ『誰か押して……』と思いながら誰も押さないと、ようやく仕方なく押すやつです(*´ω`*)
バスの降車ボタンを押す時には、確かにある種独特の緊張感が御座いますね。 一回押したら取り消せないという不可逆性もありますし、同じバス停で降りる誰かに先に押されたら以降は押しても意味がなくなる訳ですし。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ