41 亜麻奈への説明_1年目5月20日
2024/5/11の投稿です。事前にお知らせしたとおり本日は2回投稿します。
・11:20:今回の投稿です。
・18:20:
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午後になり亜麻奈が出勤してきた。
『先日は試合をしていただきありがとうございます。立川さんが
あんなに強いとは思っておりませんでした。初めてお会いしたときも
素手で神威を倒してましたし、やはり特殊な能力をお持ちなのですね』
神妙な顔した亜麻奈さんが俺に話かてくる。
『勝てたのはたまたまですよ。試合は終始亜麻奈さんが有利だったでは
ないですか』
一応謙遜しておく。
亜麻奈さんは何か悩んでいるようだった。
『何か悩みがあるようですね。会議室で話を聞きますよ』
会議室で話を聞こうと席を立つと唯留美もついてきた。
『立川さん、私は姉に比べてとても劣っているんです』
亜麻奈さんは姉の亜麻紗さんにコンプレックスを抱いているようだ。
『そこまで卑屈にならなくて良いと思いますよ。これから成長していきますよ』
『この業界は、生まれ持った才能が重要です。姉は火魔術も使えますし、
私の年の頃には父が倒せなかった神威を倒してます』
神威討伐業界は才能が重要らしい。確かに亜麻奈さんは亜麻紗さんに比べて
かなり弱く感じる。
『立川さんは異常です。初めて会った時と比べ、かなり強くなっている
気がします。こんなに短期間で変わるのはおかしいです』
真剣に悩んでいる亜麻奈さんはとても辛そうだった。
亜麻奈さんには打ち明けてもいいと俺の勘も言っている。
『亜麻奈さん、若葉家を裏切ることはできますか?』
『裏切ることなんてできないですよ!』
『言葉が過ぎましたね。重要な情報を入手しても若葉家に報告せずに
亜麻奈さんの心の中にしまっておくことはできますか』
『内容によります。人類が滅ぶようなことは報告しないわけには
いきません』
ドア・イン・ザ・フェイスを亜麻奈さんに使ってしまった。
俺も汚い大人になってきているな。
『そんな大袈裟なことではありませんよ。俺が強くなっている理由を
お話するだけです』
『わかりました。若葉家には秘密にします』
『亜麻奈さん、1点目の俺の秘密は他人も含め強さがパラメータとして
可視化することができます』
『パラメータというのはどんなイメージなのでしょうか』
『俺のパラメータをお見せしますね』
俺は自身のパラメータが書いてある紙を亜麻奈さんに手渡した。
『この英数字の羅列がパラメータなのですね。
ただ何かと比較しないとこれだけではよくわかりません』
確かにそうだよな。
『では亜麻奈さんのパラメータを横に追加しても良いでしょうか』
『はい。かまいません』
俺は紙を受け取ると、情報の可視化と念じ亜麻奈さんのパラメータを
記載していく。
俺亜麻奈
HP5053
MP143
STR4061
ATK4081
VIT5053
DEF9548
INT3068
RES4651
DEX1163
AGI2558
LUK3111
スキル:情報の可視化、:防御Lv1剣術Lv3
装備:-:神木の木刀+20
記載した紙を再び亜麻奈さんに渡すと
かなり驚いている。
『このとおり、亜麻奈さんの方が俺より基本パラメータが上です。
ただし、DEFが2倍以上差がある。DEFはDefenseの略で防御力の略称だと
思っている。先日の試合で亜麻奈さんの攻撃をいくら受けても
ダメージがなかった理由はこれだ』
『納得はできませんが、試合では私の攻撃がまったく
効かなかったのは事実なので一旦信じます』
『2点目の秘密だが、俺は神威を倒せば倒すほど強くなるようだ』
『それは若葉家に代々伝わっていることなので知っております』
『いや、若葉家に伝わっていることとは少し違う気がする。
俺は倒した神威のパラメータを全て吸収することができるようだ』
『ゴールデンウィークに倒したダンゴムシの防御力を手に入れたという
こでしょうか?』
さずが地頭がいいな。すぐに理解している。
『そうだよ。ダンゴムシの戦いの時、亜麻奈さんの攻撃が通じていなかった。
そしてその力を得た俺も同様に亜麻奈さんの攻撃を防ぐことができた』
『納得しました。それを踏まえてお願いがあります。
私が神威と戦う毎にパラメータを教えてください』
『それは構わないが、交換条件として初めに伝えた通り亜麻紗さんを含めた
若葉家には俺の力について秘密にすること』
『わかりました。立川さんの秘密を若葉家に話すことはありません』
『あと、亜麻奈さんのことを亜麻奈としてタメ口で話をさせてくれ』
『はい。立川さんは年上なので問題ありません』
『先輩とあまり馴れ馴れしくするのは禁止よ』
黙って話し合いを聞いていた唯留美が亜麻奈にクギを刺していた。
そんなことを言わなくてもこんな美人な女子高生がオッサンに
馴れ馴れしくなんかしないぞ。