39 試合後の食事会_1年目5月18日
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試合が終わったあとに俺は医者に腕を何度も何度も確認させられた。
『あんなに木刀で叩かれていたのに何ともないどころ、痣すらない』
医者は木槌で俺の腕を叩いてる。
『レントゲンを撮ってませんが、腕はなんともありません。
目の前で起きた事ですが、信じられません』
『達人は人より少し丈夫なだけよ。今回はありがとう。
お約束したとおり報酬はお出ししますので今日の事は他言無用で
お願いしますわ』
診察が終わった俺は着替えるためにロッカールームに向かった。
そこには、八王子と青梅が待っていた。
『男に着替えを見せる趣味は無い』
『立川さん、あなたは普通の人間ではないのですか?』
『いや、普通の人間だよ』
『普通の人間が若葉家の攻撃を何度も受けて無傷のはずがない。
どんなトリックをつかったんだ』
『今日は疲れたから月曜日に話すよ』
八王子と青梅に詰問された俺は強引に話を切り上げた。
『せっかく集まっているのですから、お食事をして帰りましょう』
姫美はスマホを取り出しどこかに電話をかけている。
『準備ができました。わたしの車についてきてください』
姫美と唯留美は高級車に乗り込み。
西砂さんと若葉姉妹はタクシーで移動を開始しようとした。
『先輩は私の車に乗ってください』
『あら、達人はわたしの車に乗るのよ』
二人が言い争いを始めた。
『姫美、店までは唯留美の車に乗せてもらう。その代わりに
家まで送ってくれ』
『仕方ないわ。今回は譲ってあげるけれど、あとで文句を言わないでね』
俺は女神のエンブレムの唯留美の車に乗り込んだ。
すごいなこの車。全然揺れないし静かだ。
そんな事を考えていたら5分もかからずに目的地に到着したようだ。
『なんでこんなに近いんですか?』
『だから文句を言わないように言ったわ』
やはり姫美の方が上手のようだ。
姫美が予約した店はチーズ帝国。
俺はチーズが大好きで昔からよくきていた店だ。
ただし残念なことに俺が好きだったチーズフォンデュはメニューに
なくなっている。
『達人、心配しなくてもいいわ。チーズフォンデュも特別に
用意をしてもらっているわ』
さすが姫美だ。俺の考えを読んでくれている。
店に入ると色々な国のチーズがディスプレイに並んでいる。
8人席に到着すると自然に俺の両隣に姫美と唯留美が座る。
『好きな料理を注文してください。ただし達人の希望で
チーズフォンデュがきますので、それを踏まえて注文をお願いするように』
八王子と青梅がそれぞれピザを2枚注文した。
それ以外はサラダと飲み物だけだ。
チーズフォンデュのボリュームを見てから追加注文するか
判断するのだろう。
チーズを食べるときにはやはり白ワインだな。
しかもキンキンに冷やしたワインとチーズは最高だ。
前菜のチーズと白ワインを楽しんでいると
チーズフォンデュとバケットや旬な野菜、ウィンナーなど
かなりのボリュームが運ばれてきた。
八王子と青梅は大丈夫かと見るとすでにピザを食べ終え、
バケットを串にさしているところだった。杞憂だったな。
チーズの配合なのか、このとろけ具合とコク。
チーズ帝国のチーズフォンデュは最高だ。
食事を楽しんでいる俺を亜麻紗さんが睨んでいることは
無視していた。