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嵐の中の日記 〜プロローグ〜
人はいつか、終わりを迎える。
生物として産まれたからには、必ず死が待ち受けており、どれだけ必死に生きようと、この結末だけは変わらない。
人間の命など、いつかは枯れる花のように、儚い存在なのだ。
結末は変わらない。だが、行き着くまでの過程ならば、変えることができる。
人のために生き、死んでいく
自分のためだけに生き、死んでいく
無数の選択肢が散らばる世界で、「死」という結末へ行き着くための「手段(生き方)」を、日々人々は手探りで探し、その生き方に沿って待ち受ける結末へと向かうのだ。
「じゃあ、お前はなぜ生きる?」
この話をした際、必ずと言っていい程に良くされる質問だ。
正直なところ、昔の俺には分からなかった。
どんな人間でいたいかも、どんな未来を歩みたいのかも、何を想っていたいかも、何もかも分からなかった。