表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

魔力と魔法

 美人のママとイケメンのパパから生まれた私はトロワ。公爵家という偉い貴族の三女として生まれた。上には長女のアンドラ、次女のティアナ、長男のユーリがいる。どれもきれいなブロンドの髪に蒼い瞳を持っており、どうやら私もみたいだ。


 この世に生まれて半年。赤ちゃんの為、まだ何もできないが、ベッドの上で魔力について考えていた。時折床ずれを防ぐために寝返りをし、時に掴まり立ちをしてメイドさん達を驚かせてはいたが、もうそんな時期よ。

 はてさて、魔力とはどういうものかと悩み、とりあえず体内に血液以外に何か流れていないかを感じてみることにした。するとどうだろう、本当に流れている。血液以外にも管ではなく渦巻くといったほうがいいかもしれない暖かい何かが。暫定これが魔力だとして、これをどうやって魔法に変えればいいのだろうか。


 ありがたいことに、姉上達と兄上にはすごく可愛がられ、姉上達は練習中だという魔法で私と遊んでくれた。アンドラ姉様とユーリ兄様は氷、ティアナ姉様は水に適性があるようで、どうやら我が家は氷やら水やらが得意なことがわかった。私にはその才能はないけれどね。


「トロワ、ほら見て。これが氷の剣よ」


「アンドラ姉様、それは小さな子に見せるものじゃないわよ!水のうさぎだって出せるのよ」


「トロワ、氷で友達を作ろうね。ほら、氷のゴーレムだよ」


そう言って三者三様に私に構ってくれるので毎日退屈しない。そりゃ一番年の近いユーリ兄様ですら6歳も年の差が空いてるのだ。可愛くて仕方ないだろう。もっとかわいがって。じゃなくて、もっと魔法見せてとハイハイしてアンドラ姉様の手をペチペチ叩くと、熱烈なハグをされた後にキラキラした魔法を沢山見せてくれる。それで私が笑えば三人にもみくちゃにされるのだけれど、それはそれで悪くない。

 そして遊んでいるうちに、すっかりと日は沈んでしまう。姉達も途中で魔力が少なくなって魔法を使わなくなってしまうし、それでも遊んでくれるから楽しいんだけど、なんだか一日の流れが早い。私も魔法が使えるようになれさえすれば、亜空間にもいけるし、楽器だって作れる!そのために今は魔力を感じ、誰でも使える魔法を使い訓練しなければ!


 そうして夜に魔力を体内でぐるぐると回しているうちに、ピコンっと音が鳴った。


『魔力庫の容量が規定量を超えました。拡張ストレージを展開できます。内容量は100です。』


ストレージきたー!規定量っていうのはわからないけど、結局回すだけ回して使ってないから貯まったんだろうな。早速ストレージの中に何か入れてみよ。と言っても手短にあるものが何もない。おもちゃも音がなるものはないし、どうしよう……。創造でつくれるのかな。この回している魔力を手に集めたら魔法使えるのでは?と思いやってみることにした。何事もチャレンジ。

 まだ言葉は発せないので心の中で創造と唱える。私が思い浮かべたのはガラガラ。音の鳴るおもちゃでおそらく殆どの子どもたちが触る初めての楽器だ。唱えたら、一瞬手が熱くなってそして手の中にはガラガラがあった。


「んぁ!」


 魔法を使えたのが嬉しくなって振ってみるとちゃんと音が鳴る。嬉しい。音が、ある。でもきっと見られたら大変だからストレージに入れておこう。ストレージと唱えるとガラガラはしゅっと消えた。多分ストレージの中に入ったのだろう。もう私の体力も眠気も限界だった。眠い。



赤ちゃんは、夜ふかしができません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ