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プロローグ1

「うおっ!不良アクションバトル漫画に出てくる主人公っぽいのが

居るじゃないか!?」


俺はそう言われ足を止めチラッとその人物の顔を見た

知らない女子生徒だった、だから無視してまた歩き出した


「ちょっ待ってくれないか!君に言ったんだ金髪君!」


「…………」


また変な人に捕まってしまった気がする

何故こんな事になってしまったのか……アレが原因だな


それは今から数週間前の事だ――






「初めまして俺の名前は九阿多(くあた) 亜夢(あむ)といいます!」


此処は学校、高校の学校の1-Aの教室だ

そして名を名乗った彼は今、学校生活を共にする

クラスメートたちに自己紹介をしていた


「九阿多君はご両親の仕事の関係でこの学校へ転入して来ました、まだ

この周辺にもあまり詳しくないと思います、だから皆、九阿多君を頼みますよ!」


そう話すのは1-Aの担任の桜木(さくらぎ) (おう)先生だ、彼はまだ教師になったばかりで

先生としては経験が浅いが、周りからの評価も良く特に何に対しても頑張り屋な所が良いと評判だ


その後、九阿多 亜夢こと俺は、空いている席にどうぞと言われたので

景色が良い感じに見える窓側近くの席に座った


「「…………」」


すると何故だか周りから視線を感じた、この視線は新しく来た生徒を

珍しそうに見る視線ではない、訝しげに見るような視線だった


十勝(とかち) 麺麭粉(ぱんこ)です」


突然お隣さんから声を掛けられた、振り向くとそこには胸が良い感じの

女子生徒が居た、スタイルも良くとても可愛いタイプの子だった


「えっと、よろしく」


俺はその子を見て何となく察した、多分この子はクラスの中で

一番可愛い女子で人気が有るのだろう

だから何の迷いもなくこの席に座った俺に嫌な気持ちを抱いたのだ

初っ端からヤバい選択をしてしまった気がする、けれど彼らは時期に気付くと思う

俺と彼女はただのお隣さんと言う事に、恋愛に発展なんてするわけがないだろうと


「では今日の授業を始めて行きます」


こうして学校の一日は始まって行く






それから授業が終わり、転校生、亜夢の周りには人だかりが出来ていた

この現象は転校生が来る度起こる恒例行事、この恒例行事は暫く続いた後

静かに収束する物だ、そして現在亜夢は、彼らから質問攻めをされて居る

それが以下の通りだ


好きな食べ物は?

嫌いな食べ物は?

趣味は何?

普段どんな音楽を聴く?

何処から引っ越してきたの?

部活何やってた?

彼女は居るの?

体重は?身長は?


亜夢はこれらの質問を真面目に答えた

此処での質疑応答は転校初日ではかなり重要な事だ

この人はどういう人なのだろうと言うイメージを作らなければいけない

だから亜夢自身もこの事を重要視している、全ての質問を聞き分け丁寧に答えた


その後チャイムが鳴りまた授業が始まった

亜夢は一呼吸置き呼吸を整えた


「大丈夫ですか?」


お隣の十勝 麺麭粉がそう心配して来た、隣が可愛い、そして優しい人で

あって良かったと亜夢は思うのだった


「心配してくれてありがとう十勝さん」


「亜夢君何か困った事が有ったら私に相談してくださいね」


「ならこの学校内の事を教えてくれると嬉しいかな、まだどこに何が有るか把握して無くて」


「分かりました、なら学校の授業が終わったら校内を案内させていただきます」


「こらー!そこの二人授業中だよ?お喋り禁止です!」


「あら?叱られちゃいました」


十勝はイタズラがバレた子供の様に微笑んだ、とても良い笑顔だったと

亜夢は思うのだった、それと同時に男子生徒から凄く睨まれた、亜夢は

転校初日で同性の生徒に良く思われないのはまずいと思っていた

初日で仲良く出来そうな男友達を作るのは今後の学校生活を歩むのに

必要な事だ、だから亜夢は授業が終わり昼休みになったら友達作りに走ると

決めていた


そして昼休みになった、亜夢は男性グループに声を掛けた、でも亜夢が来た途端

弾んでいた会話がパタリと止んだ、すると男性グループの一人が、「ごめんね」

と一言行った後その男性グループは何処かへ行ってしまった

その後も他の男子生徒に話を振ったが避けられた


こうして亜夢は昼休みに一人で昼食を取る事になった






「まずい……まずいぞ……」


俺は頭を抱えた、『ぐぅぅぅ』お腹の音だ


「取り合えず食べよう!腹が減っては軍は出来ぬ、だよな」


「よ、よかったら一緒に食べないか?」


俺が一番聞きたかった声が聞こえた気がした、幻聴かと思い振り向くと

そこには確かに人はいた


「い、今一緒に食べようか、とか言わなかったか?」


「言ったけど?嫌だったか?だったら」


男子生徒はそう言うと俺に背を向けた、俺は勢いよく立ち上がりその男の肩に手を置いて言った


「いや食べよう!そして友達になろう!」


「あ、ああ」


こうして俺と鹿治(しかじ) 伝雄(つたお)は友人になった、そして直ぐにお互い名前で

呼ぶ間柄となった、その後放課後となり、放課後の教室内には

俺と十勝と伝雄が居た

予定では二人で校内巡りする予定だったが、急遽友人の伝雄も加わる事になった


「伝雄君も一緒にですか?」


「……あ、伝雄の事嫌いだったか?」


「えっ!?」


俺の言葉を聞き伝雄は明らかに驚いている、そしてみるみると涙顔になって行く


「あっいえ、そう言う事じゃないです、嫌いじゃないですよ伝雄君」


「ほ、本当ですか、なら良かったです」


伝雄は安堵の表情に変わった


「もう!変な事言わないでくださいね亜夢君!」


「悪い悪い、軽いジョークだよ」


「心臓に悪すぎる」


そうして十勝と伝雄は学校内を案内してくれた

そして案内の最後に十勝はこう問いかけて来た


「案内できるところはこれで全部です、亜夢君、部活は何処に入るんですか?」


「うーむ、部活か……取り合えず今は考えて無いかな、家の事しないといけないし

段ボールの山がまだ整理できてなくてな」


「でも両親とやればすぐに片付くだろ?」


「いやうちの両親、共働きで殆ど家に居ないんだよ、

しかも仕事は何かの研究、そしてほぼ毎日ラボで寝泊まりしているらしい、だから基本俺一人なんだ」


「それは大変ですね」


「一人だと炊事洗濯を一人で熟さないといけないのか、じゃあこっちの生活が

慣れるまで部活なんてやってる暇は無いな」


「だろ?だから今は部活は考えてないな」


「亜夢君、もし何かに困ったら言ってくださいね」


「俺も俺も!何時でも頼ってくれよな!」


その後俺は、二人と別れて家路に着いた

そして俺は安堵した、初日にしては大成功と言えるのではないだろうか?

友達が二人も出来た、あの二人と絡めば自然とクラスに馴染んで行き

一か月後くらいには1-Aの一員になっている事だろう






と、俺は思ったのだが、そう上手くは行かなかった

あれは初日から二週間後の放課後、事件は起こった

事件を起こした張本人は十勝だ

十勝は俺を放課後呼び出した、そして周りには多くのギャラリーが居た


十勝本人はその事に動揺しているようだ、でもこれは十勝が悪い

教室内で堂々と俺を誘ったのが原因だ、何故その事に気付かなかったのか?

今にして思えば、十勝は朝から調子が何処か狂っていた


そして俺本人も動揺している、何のために呼ばれたのか分からなかったが

待ち合わせの場所に来たら分かってしまった、周りから「告白?告白?」みたいな

声が上がっていれば嫌でも気付く、正直俺は逃げたかった、はっきり言って十勝の

事は異性として見ていない、出会ったばかりで彼女の事をあまり知らないからだ

可愛いとは思ったけど、それだけだ、友達としては気が利くし優しいが

異性として見るのは別だ、だから断るつもりだ、そして断れば友達から

赤の他人のクラスメイトになるだろうが、それも学校生活だろう


「あっあのあのあのっあのね!亜夢君!いきなり呼び出してごめんね!

そ、そのね!大事な話があるの!でも!その事を話す前に亜夢君と私の――」


「おっ俺、十勝と付き合う事は出来ない!だから俺の事は諦めてくれ!」


俺は十勝の言葉を遮り告白を聞く前に断った

告白前に断ればまだ傷は浅いと思ったからだ

最後まで聞いた上で振ったら、効果は抜群だー!、的なダメージを

負ってしまうと思ったのだ

そして十勝は俺の言葉が信じられなかったのか顔がみるみると

泣き顔に変わっていた


「ま、まだ告白もしてないのに振るの?、告白の練習いっぱいしたのに

私の告白なんて、痰ぺっぺ!ってこと?」


「た、痰ぺっぺ?いやそこまで――」


「ひ、酷い!?亜夢君なんて大っ嫌い!!」


十勝はそう言うと駆け足で何処かへ走り去って行った

そしてその場に残された俺は


「お前!最低だな!」


これが十勝が走り去った後、最初に聞いた言葉だ、その後も


「人間の屑!」


「パンちゃんに死んで謝れ」


「死刑」


「世界で一番可愛いパンちゃんの告白を痰ぺっぺって、死ね」


「そうだ死ねぇ!」


罵詈雑言の嵐だった、大音響の中に居るような感覚だった

まあクラスで一番可愛い子を振ったんだから、そうなるよな

でも時間が経てば笑い話になるだろう、と、その時は思ったのだが……


次の日学校へ行くと、俺は全生徒たちの敵になっていた、滅茶苦茶睨まれた

嫌味っぽいのも言われた、教室に行くと机と椅子が無くなっていた

そのお隣さんの十勝は平然としているがこちらを見ない

話しかけても、完全に居ない者とされて居る、俺は呆然と

立ち尽くして居ると授業が始まった教室に入って来た担任は

クラスの異質な感じを直ぐに感じ取り一つ机が無くなって

いる事に気付いた、そして俺を連れ職員室へ向かった


「な、なにが有ったんですか!?」


桜木先生は俺を職員室に在ったソファに座らせ、話を振って来た

俺はどう言えば良いか迷ったが率直に言う事にした

そしてそれを聞いた桜木先生は明らかに悩んでいる表情になった


「そ、そんな事が、ど、どうしよう!」


桜木先生は俺とクラスメイト達がどうやったら

仲を取り戻せるのかと、今滅茶苦茶考えてくれているのだろう


「桜木先生大丈夫ですよ、何れ元に戻りますよ」


「いや、難しいと思います、彼女のファンは多いですから

熱狂的なファンを舐めては駄目です」


「ファン?そんなに彼女を好きな人が居るんですか?」


「……もしかして知らないんですか?彼女は、十勝 麺麭粉は

声優とアイドルの仕事をしているんです

パンを擬人化したアニメで声を当てて大人気になり

全国にもファンが居るんです」


「えっ?そうなんですか?全く知らなかったです」


「……そうですか、確かに学校では彼女の希望で普通の学生として

扱って欲しいと周りに言ってましてね、だからその手の話題は

出ないようになっていたようです、そうですか……

知らなかったんですか…………その彼女が人気者だって分かったら

好きになりませんか?」


「えっ?」


「しっ失言でした!今のは聞かなかったことにしてください!

取り合えず僕からもクラスの皆に話してみます、机の事も僕が

何とかします!だから今日は早退してください!

なあに心配いりません!

明日になれば何時も通りです!では明日会いましょう!」


その後俺は早退した、そして今の状況を相当まずい状況と思っていた

暫くこのままだったら決断しなければならない

そして不安を抱きながら次の日学校へ行った、昨日と同じ変な目で

見られるし嫌味な事も言われた、でも教室内は新しい机と椅子が

用意されていた、でもお隣の席が無く、有るにはあるが距離が

かなり開いていた、これが桜木先生の精一杯だったのだろう

そして今日の授業が始まった


桜木先生はとてもやつれて居た、昨日あの後頑張ってくれたのだろう

そして授業後に桜木先生と廊下で話をした


「桜木先生ありがとうございます」


「いえ当然の事です……ですが気を付けてください

その……教師の僕が生徒を信じきれない訳では無いんですが

昨日何とか話を付けました、けど納得いっていない顔をしている

人が多数いました

だから十分注意してくださいね、そしてまた何かあれば頼ってください!」


桜木先生はそう言うと職員室へ入っていった

俺は良い先生に巡り合えて本当に良かったと思った

そして今日を無事に乗り越えた、帰りに友人第一号の

伝雄に一緒に帰ろうと持ち掛けた

だが――


「あ、亜夢、その……ごめん!」


俺が声を掛けた瞬間、伝雄はビビる様に俺を避けた、そして

謝りながら駆け出したのだったやはり気まずいものが在るのだろう

何れこの騒動が収まり何時もの中に戻ってくれると俺は信じていた

でもそれは間違いだった、次の日の学校で俺は何かに躓いて廊下に転んだ

視れば男子生徒がにやにやしながら足を出していた

あれはワザとやっている顔だった、その他にも俺の

下駄箱に死ねと書かれたメッセージカードや、画鋲

俺が女子生徒に無理矢理迫って酷い事をしたとか、やっていない噂も

流れ始めた

そしてその噂を流していたのは友人第一号の伝雄だった


この状況に俺はかなりショックを受けた、桜木先生からは

暫く学校を休んだ方が良いかも知れません

と提案された、俺の精神状態を心配しての事だろう

俺はその提案に乗る事にした、桜木先生自身も疲労の色が

見えていたからだ、俺に親身になってくれた良い先生をこれ以上

疲弊させるのは心苦しかった


そして学校を休んでいる間俺は考えた、転入前に立てた作戦は

一つでは無く、様々な作戦を予め

考えていた、クラスに馴染めない、さらに虐め紛いにまで

発展した場合の解決策、今回の件は早急に対処しなければ虐めの

質が上がってしまう、いじめの同調行動と言う奴だ

時間が経てば経つほど、罪の意識は無くなり、どんどん

エスカレートして行きいじめの質が上がって行き、最終的に全生徒

の間で当たり前の日常になってしまう


だから事は急を要する、けどこの作戦が成功したとしても

俺の評判は地に落ちると予想している


でも俺は決断した、そしてその日、俺は髪を金髪に染めた

それから学生服の背面に龍と髑髏の刺繍を施した、かなり厳つい刺繍だ

そしてそれを着崩して着た、俺は鏡を見た


「これは俺も関わりたくないな」


そう関わりたくない見た目をして学校へ行けば、生徒たちは

関りを持ちたくなくなるだろう

変に関わって怖い思いをするかも知れない

でも見た目だけじゃ駄目だ、態度にも出した方が

より関わりたくなくなるだろう


そして決戦は明日だ


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