65話「いや、寝るの邪魔しないで」
何も言わないでほしい。
もうやだ。
最悪な、最高な、どっちか分からない様な気分になってきた。
あの後、それなりに貢献はしたものの、ものの数分であの世に行った様な気分になった。簡単に言えば、意識を失ってしまったと言う事。
残念な事に今は気を失いかけている。いや、もうほぼ失ってるよ。
再起不能かもよ?本当に。
もしかしたら永遠に再起不能になってしまうかもしれないかもね?え?永遠に再起不能になったらどうなるかって?
簡単な事だよ。
主役交代して進むか、打ち切るかのどっちかだよ。
そもそもヴォラクが主人公だなんて誰が決めたんだよ。他にも主役が適役な人がいるかもしれないよ?
もしかしたらヴォラクが主人公じゃなくて、サテラとかレイアが主人公になる可能性だって否定は出来ないんだぜ?
もしかしたら血雷とシズハも狙ってるかもしれないよ?
主役の座を狙うキャラクターって結構多いって聞くからね~
ワンチャン悠介に譲るのも1つの手だけど。まぁあいつは番外編で主人公やっとけばいいか?一応役貰えてるだけ有難いとでも思わせておけばいいか?
それに悠介が主人公になると話の軸もこんがらがってシナリオも視点とかも全部別物にしないといけないからこの話はなしで。
と、言う訳なので他の皆にも、もしヴォラクが再起不能になって降板になったらどうしたいか。ちょっと聞いてみる事にしました。
その回答を覗いてみる事にする。
↓以下、皆さんの意見。
話題『主役になりたいかどうか』
「番外編で主人公ポジやらせてもらってるのは嬉しいけどよ、その言い方は失礼だろ!?まぁ確かに軸が変わるかもしれないけど……」←悠介
「主役だった事に最近気付きました。復讐系で進めてください」←ヴォラク
「主様の傍に居たいです」←サテラ
「メインヒロインポジションに立ちたい」←シズハ
「主役とかヒロインとか面倒くさいぜ。適当に頑張りゃえぇんだよ」←血雷
「可能からメインヒロイン(サテラ)の座が欲しい!」←レイア
「出番ください。かれこれ40話以上出演出来てないんですけど………」←美亜
「凱亜主軸の話じゃなくて、俺を主役の話しろ。そっちの方が勇者王道系で良いと思う」←銀河
以上、皆様の意見。作者様、コメントをお願いします。
「変える気ないです。今更軸変えたってねぇ……面白くなるかどうか……それに一々シナリオ考え直すのも面倒臭いんで、ヴォラク主役の方が良いと思う」←作者(本心)
自分が主役になりたいと言っていた銀河さん、コメントを。
「せめて出番をくれ。そうでもしないと忘れられたキャラに落ちぶれる羽目になるんだよ!」
作者様、銀河さんに出番をあげる気はありますか?
「気が向いたら」
「作者ぁぁぁぁ!俺に出番寄越せぇ!勇者として、最強のポジションとして!出番をくれぇ!……って言うかナレーションやってんの誰だよ!?」
まだ話し足りないみたいですが、残念。
時間切れです。尺の問題でこれ以上は話が出来ません!
「おいおい、待ってくれ!まだ話は終わって……」
では、また来週お会いしましょう。では皆さん、ご機嫌よう!
「銀河、お前が最強だって誰が決めた?」←作者
「誰も決めてません」←銀河
途轍もなく悪い夢を見た気がした。
何かと作者がここに現れるのは意外だったよ。何気に初登場だし?
て言うか、小説の本編にその小説書いてる作者本人がご登場ってアリなのかな?
ヴォラク達ってこれが小説であってフィクションと言う事には絶対に気付いていない。そもそも小説だ、なんてヴォラク達に言ったらもう成り立たなくなるからね。
あえて言わないでおこう。真実を言う事は小説が終わると言う事と同じかもしれない。
作者として言わせてもらう。
深く考えるな…考え過ぎたら、考えてはいけない領域に辿り着く事になってしまうからね。
本編に戻ります。
よく分からないコーナー作ってしまってごめんなさい。
「はっ!?な、なんだ今の?」
ヴォラクは突然ハッとして目を覚ました。夢なのだろうか?途轍もなく悪い様な夢を見た気がした。
何だっけ?考え過ぎない?変な領域?
あ~思い出せない。夢の内容ってすぐ忘れてしまうと聞いた事があるが、本当だった。確証を得る事が出来るとは貴重な体験かもしれないね。
そして寝転がった体を起き上がさせればそこはまたもやベットの上だった。
何故だろうか、このパターンよくあるよね。
気を失う→運ばれる→ベットの上だった
このパターンが稀に起こるのは何故だろうか。まるでアニメの作画流用シーンの時の様に←例えが悪かったかもしれない。
しかし問題はそこではない。
この後何が自分の身に起こるかだ。
この前なんて起きたら、速攻でシズハにディープキスされたからね。もしかしたら今度は更に先の事をやらされているかもしれないね。
いや、洒落にならないね。
突然過ぎて驚くレベルじゃ済まないかもね。
「あ、ヴォラクが起きた」
「え、何が起きた?何だったんだ、あの夢は?」
「あ、皆さん、主様が起きましたよ」
どうやら寝かされていたみたいだ。ここは恐らく僕がレイアから借りていた部屋みたいだ。
しかし、その部屋に居るのはヴォラクだけではなかった。サテラ、シズハ、血雷、レイアと4人共が部屋に居たのだ。
4人はヴォラクが寝ていたベットの隣のベットに寝転がっていたり、部屋に置かれた椅子に座っていたりなど4人共楽そうに寛いでいる。まるで女子会トークだよ。
こんな華やかな感じの中でこんな陰キャみたいな僕が寝ていていいのだろうか。
人が気を失って寝ている中、女の子達が横で楽しんでいるのに。何で起きれなかった?
どんだけ強く気を失っていたの?これって、僕が1度寝ると中々起きられないと言う事と同じなのだろうか?
うむ……………分からん。なのでスキップでお願いします。
「あ~どうなったたんだ?僕…」
説明はレイアがしてくれた。イマイチ現状理解出来ていないヴォラクに。
「ヴォラク、貴方はお風呂場で呆気なく気を失っちゃったんだよ。覚えてない?血雷さんに背中洗われて、恥ずかしながらもサテラの背中洗おうとしたら、何故か鼻血吹いてぶっ倒れちゃったのよ。しかもそのまま気を失って……だから気を失っちゃったヴォラクの身体と頭だけ洗ってここに運んだって訳」
「そ、そうなのか。すまない、手数をかけてしまって」
「ううん、全然いいよ。そもそもお風呂一緒に入ろうとした私も悪かったし、ごめんね…」
レイアはそう言ってベットに座りながら頭を下げた。ヴォラクは気にする事はなかった。
何故なら、悪い気はしなかったからだ。気にする事の様な問題ではない。目を瞑る様に流せばいいのだ。
「ったく、背中洗ってやっただけで吹きやがって。そんなんじゃ、いつまで経ってもへなちょこだぜぇ?……ふっ」
さっきまでベットに座り込み、煙管を口に咥えて吸っていた血雷だったが突然ヴォラクが寝ていたベットに移ると、血雷は煙管を口から離し、煙を吐いた。
だがその煙はヴォラクの顔に直で当たった。
勿論、ヴォラクは血雷が吐いた煙を吸い込んでしまい「けほっ」と咳き込んでしまった。
すると、まるで狙ったかの様にヴォラクの肩に綺麗な肌をした右腕を使って自らの抱き寄せたのだ。
またかよ。この、チームのお姉さん的ポジションである血雷のよくある行動。す~ぐにボディタッチかましてくるからね。
ヴォラクは血雷のボディタッチにはもう半分慣れているから問題ないけど、こう言う事やられた事がない人にとっては結構緊張するかもね。
そして、今気付いた事がある。
よく見たら、血雷は髪を下ろしていたのだ。因みにサテラはいつも通りのポニーテールだ。
シズハ、レイアは基本的には長い髪を下ろしたロングヘア。
血雷の髪はいつも後ろに束ね上げられ、額を隠す様に、前髪は残っているが、後ろの方の髪は基本的に全てまとめていた。
しかし今は珍しく、いや初めて見た。血雷は髪をロングヘアにして下ろしていたのだ。お風呂場に居た時も彼女は髪を束ねていたからだ。
しかし風呂上がり時に、彼女は髪を下ろしていたのだ。
血雷の髪は長く、今は座っているがその髪の長さは腰よりも下ぐらいの長さだろう。
ベットの上に座っている時、彼女の髪はベットに簡単に寝転がるぐらい長かったのだ。
「あれ?姉さん、珍しいね。髪下ろしてるなんて」
「あぁ、そうだな。アタシって基本的には髪結んでる事の方が多いんだけどよ。風呂上がりとかは今みたいに下ろしてる時もあるんだよ。………な、なんだよ?かっこ悪ぃのか?」
いや、そんな事ないです。逆に”とても”可愛いです。姉さんって”女の侍”ってイメージが結構強いせいで髪を結んで束ねているのがディフォルトに見えてるけど、こうやって可愛い女の子の様に髪を下ろして、ロングヘアにしているのも非常に可愛いと感じます。
姉さんって男勝りな所もちょこちょこ見られるので、こんな風に1人の女の子って所が見られるのも非常に美しいポイントだと感じるんだよね。いっそ、ずっとロングヘアでいてほしいんだけど、姉さんまでロングヘアになったらロングヘアのヒロインが3人になってしまうので、普段は髪を結んで、束ねてもらいましょう。
そう言う感じでお願いします。
偶に見せるのが、とても可愛いです。
勿論、今も可愛いです。
「いいえ、最高に可愛いでぇす!」
「…っ!…そ、そうかぁ?なら今日は髪下ろしとくぜ」
血雷は照れそうな振る舞いを見せて、頬を赤くする。いつもの男勝りな勝気な感じとは程遠く、1人の乙女の様な表情を見せている。
うん、やっぱりギャップ萌えっていいね。姉さん、完全に”女の子”って感じになってる。
「ナイスだ!」
「ったく、世辞言いやがって…」
相変わらず、ヴォラクの言葉に対する照れさを隠せていない血雷。まだ頬を赤くしているのでヴォラクの掛けた言葉に照れていると言う事が分かった。
何故かツンデレを僅かに感じた気がした。
そして、血雷は再び煙管を口に咥え、ヴォラクに背を向けて、煙管を吸っていた。血雷はカァァッ……とまだ恥ずかしがる様な素振りを見せていたのでヴォラクは血雷を呼び止める事はなかった。
今は止めないでおくことにするよ。
そして、血雷はベットに座るとシズハとサテラと話し始めた。
ヴォラクはベットに寝転んだ。風呂上がりのせいなのか、微妙に眠くなってきてしまった。
と言うか、最近ちゃんと寝てない事が多かった気がする。夜遅くまで武器作ってたりとか、サテラとシズハと毎晩ハッスルしていたりしてたからだろうか。
お陰で今はとても眠い。今、ベットの中で目を瞑ればものの数分で完全に眠る事が出来るだろう。
だが、今は寝ようとしている自分のベットにレイアが座ってきたので、眠れそうにはない様だ。
今度はレイアと話す事になりそうだ。
会話を始める事にするとしよう。
「あ~どったの、レイ?急に僕のベットに座って」
「ちょっと~オ・ハ・ナ・シしたくてね」
何だろうか。この夜の営みを誘う感じで話しかけてくるレイア。
何?まだ出会って数日なのに、もうベットの上ってか?冗談はやめてほしいものだ。せめて普通の話だけにしてほしいよ。
「お話?何の?」
「えへへ、ちょっとね………」
「何も言わねぇなら、僕が言ってやるよこのヅラ野郎」
冗談混じりでこの言葉をヴォラクは言った。勿論だが、レイアの髪はカツラなのではない。あくまで和ませる為、面白おかしくする為に発した言葉だ。
決して悪口じゃないよ
「ヅラじゃない、レイアだ」
「お前そのネタ知ってんのかよ…」
その後はカット。秘密にしてくれとレイアが言ってたので、お口チャックでお願いします。
2人は特に特別な話をしていた訳でもない。ただ適当に雑談を挟んでいただけ。
それだけだ。別に後に起こる戦いの話だとか、小難しい事を話していた訳ではない。
ただ適当な雑談をしていただけだった。
そして気付いたらレイアと2人ではなく、血雷、サテラ、シズハが会話に加わり、5人で笑い話をしたり、怪談話を血雷から聞いたりなど微笑ましい時間を過ごした。他にも何故かは知らないが、部屋に置いてあった机の引き出しの中にトランプがあったのでこれを使ってババ抜きや神経衰弱、大富豪などを5人して楽しんだ。
後は5人で適当に会話を挟んでいれば、夜は深けてくる。楽しい時間ほど早く過ぎ去ってしまうと言うが、それは本当だと思う。サテラ、シズハ、血雷、レイアと楽しく過ごした時間はあっという間に過ぎ去った。
ずっと続けばいいと思うのに、すぐに消えてしまう様に過ぎ去る時間。何か惜しい気分になってくる。
でも、楽しいと言う事に違いはなかった。ヴォラクはこの時間を最高に楽しめたと感じた。
しかし、まだ疑問に残る事があるんだよ。
ここに僕が居ていいの?普通ならここって女子会トークの場所だよね?僕みたいな奴が居ていいのか?
以上、~完~(まだ少しだけ続くよ)
その後、血雷とレイアは自分の部屋に戻っていった。ヴォラクももう眠たかったので、ベットに入って寝る事にする。
今日は深い眠りに付く事が出来ると思った。
何故なら眠いからだ。
眠いならすぐ寝れるだろ?とヴォラクは考えていたのだ。
よぉし、それじゃあベットインしてさっさと寝落ち……
「主様……」
「ヴォラクさん…」
え?まさか……
「「今夜も3人で楽しもう♡」」
うぁぁぁぁぁ――――――――――!今夜も寝かさないぞコースだぁぁぁぁ!!
案の定、この後夜が深くなってもヴォラクの意識が闇に落ちる事はなかった。
やっとベットインして寝れたのはこの叫びが口から出てかなりの時間が経過していた時だった……
(いつになったらちゃんと寝れるの?いや、寝るの邪魔しないで…)
寝ようにも横には服を全て脱ぎ捨てたサテラとシズハが寝転がっている。2人は疲れてしまったのかもう、寝てしまっているが、ヴォラクはまだ眠る事が出来ていなかった。
確かに僕だって服着てないけど……2人と違って本当に寝れない。
一応頑張って寝たには寝る事が出来たらしいのだが、睡眠時間は大幅に短縮される羽目になってしまった。
全く、いつになったらちゃんと眠る事が出来るんだ?
寝るの邪魔しないでほしいよ。全く………