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56話「新型兵器」

 

 う~ん、どうしてこうなったのだろうか。自分でもよく分からないな。本当に分からん。

 本当なら、今頃地下室から出て外で姉さんやシズハと合流している頃なんだけど。

 何でかな?

 未だに、未だに地下室の中でレイと一緒に、武器作ってるのか?

 理由は簡単。

 武器が少ねぇんだよ!バスターランチャーとバスターブラスターとビームソード×3だけで大軍と対峙した時どうやって、どうやって戦うんだよ!?万が一敵が何万、いや何十万、いやまたまたもしかしたら何百万を超えるかもしれない。

 そんな大軍相手にバスターランチャーとバスターブラスターとビームソード×3だけで勝てるか?

 と誰かに聞かれたら……

 勝てる訳がないよ!


 と間違いなく僕は言うだろう。

 だからもっともっと武器を作らなければいけない。

 例えば?



 1万ヘクタール程の土地を消し飛ばす爆弾とか?←ヴォラクの本人の技術力では絶対無理、恐らく、いや絶対勝手な妄言。

 ボタン1つ押せば、嫌な相手を存在丸ごと消し飛ばす事が出来るとんでもないボタンとか?←ボタン押して人が消えるって、どう言う原理なの?ボタン押すだけで人を消す事が出来るなんて普通に考えて無理だよ。てかヴォラク、お前の技術力で作れんのか、そんなもん。せめて自分の技術力とレイアの技術力を合わせて作れる物を作れよ。

 ↑

「すいません(誰に謝ってんの、僕?)」


 と言う訳なので、2人の技術力を合わせて作る事が出来る物を四六時中、只管作ってました。寝る事も昼寝する事もせずにただ痛くなる手を動かして作ってました。

 目も痛いです。

 因みにお昼ご飯も夜ご飯も抜いて武器、作ってました。

 腹ぺこだったけど、作りたい!と言う謎の欲求のせいで只管、いや2人ガムシャラになって作ってました。色んな武器をね。ただ本当に手が棒になってしまった。

 今、これ以上自分の両手を動かし続けたら手が死ぬ。絶対に死ぬ。壊死でもしてしまうだろうね。

 最後に口にした物なんて休憩中に食べた甘いお菓子だけだからね。頭使うと甘い物が食べたくなるよ。

 いやこれ本当だから。食べた後は何かと頑張れたし。

 よし、今からは武器の解説でもしようか。

 何も説明もなしに唐突に名称不明の武器取り出してきたら、困るもんね。




 まずは「シールド」ただのシールドです。だがシールドとは言っても、丸い盾や四角い盾ではなく縦にも細く横にも結構細い。だが細すぎる訳では無い。細すぎたら盾としての役割果たせてないじゃん。一応、一応盾だからね?剣じゃないよ。盾だよ。盾だよ←重要な事なので2回言いました。


 そして盾の先端は鋭利な剣の様に尖っている。

 尖っている所で相手を突けって訳でもないが、あくまで取り回しを考慮した上でこんな形になっているのだ。細身になった分、デカい盾に比べれば少しは取り回しいいと思うじゃん?多分そんな感じだと僕は思う。

 そしてそして、この細長くて取り回しの良いこの盾にはある秘密が隠されている。

 知りたいよね?

 秘密ってのは誰かに知られる為にある様なものだ。その隠された秘密とは………答えはCMの後!←いやそんなのないから。さっさと答え言えよ。

 答えは言いません。

 何か勿体ない気がするので後の話でこの盾の秘密が明らかになります。本当ですよ。本当。


(さっきからヴォラクは1人で何をやっているんだ?全く理解出来ない……)



 次に作ったのは、シズハが使用しているスナイパーライフル、またの名を「ステイメン」を参考に作り出した新たなスナイパーライフル(ただしこのスナイパーライフルはステイメンとは違い、実弾を使うのではなく、バスターランチャーと同じ様に魔力生成石により生成され、内部に圧縮された魔力を発射する事が出来る。ただしバスターランチャー等とは違い、ビームの様な魔力を照射するのではなく、単発高威力な魔力を発射するタイプになっている)新たな武器「ビームスナイパーライフル」その名前は「マリス」意味には「悪意」「敵意」と言う意味がある。



 因みにこの武器は、シズハに託したいと思う。

 このチーム(勝手に言ってる)の狙撃手はシズハだ。僕やサテラや姉さん、レイが使うべきではないと考えている。同じ様にスナイパーライフルを使っていたので、シズハなら難なくとこのビームスナイパーライフルを使いこなす事が出来ると思うのだ。

 よし、これはシズハにプレゼントしよう。これは絶対にだ。

 因みに3本作ったビームソードの内1つは、こっそりとオリジナルカスタムを加えてある。

 理由は姉さんにこのオリジナルカスタムを施したビームソードをプレゼントする為だ。

 僕は地下室に潜る前に姉さんに「二刀流は出来る?」と聞いた。その質問に対して姉さんは「全然、出来る」と回答した。

 なので剣で二刀流出来ると言うのなら、姉さんが持つあの刀と僕とレイが作ったビームソードで二刀流を行ってほしいのだ。

 しかし、普通に作ったビームソードでは姉さんの二刀流では火力不足になる様な気がするので、姉さん用に作ったビームソードは斬る部分(魔力を刃の形にした所)の大きさを一回り大きくしている。

(違う2本に使っている魔力生成石よりも大きくなっている。なのでビームソードの火力を上昇させている。刃の形もどこか刀の刀身を彷彿とさせる形となっている)

 持ち手の部分も姉さんの手の大きさ(姉さんの手は大きいのでビームソードの持ち手を少し大きくしている)を配慮して、大きくしている。

 持ち手が大きくなった分、内部に普通の小さいサイズの魔力生成石よりも少しばかり大きい魔力生成石を内蔵する事が出来た。

 これにより、火力が上昇する。

 そして持ち手の部分は刀をイメージして作っている。

 刀の刀身部分以外の部分は刀を再現した。刀身の圧縮された魔力もまるで刀の様になっているので、刀で二刀流が再現出来るかもしれない。

 と言うか再現出来る。だって魔力が刃となった刀だよ?何か妖刀っぽくない?いい響だ。

 さて、このビームソード………じゃなくてこの刀の名前は何にしようか。メメントモリなんかじゃこのビームソードとは似合わない。

 よし、ここは古風に『血舞斬刀』なんてどうかな?とは言ってもこれは作業台の上に置かれた白い紙に適当に書いただけの文字だ。

 他にも描いてみたカッコイイ文字はある。

 しかしただ単にカッコよく見える漢字を並べてみただけだけど。

『紅龍刀』『斬月刀』『妖刀・狂瀾怒涛』

『SuckbloodSword』

 う~ん、やっぱり僕が決めるよりも、姉さん本人にこの剣を渡して名前を決めてもらおう。

 僕なんかが決めるよりも姉さんに刀の名前を決めてもらった方が絶対に良いと思う。








 そして最後に作った武器は僕が近接で戦闘する為に開発した自分専用武器だ。

 開発したのは、この地下室に残された武器を素体に開発した武器だ。

 素体になったのは持ち手が非常に長く、リーチに優れたアックスだ。

 アックスとは言っても、森の木を切る為や作業用の為の斧ではない。

 戦場で敵を斬り捨てる為の戦う為に作られた斧だ。

 そしてアックスの先端は両方に鉄の刃が取り付けられており、片方だけで斬るのではなく、両方の刃で斬る事が出来るのだ。まるで大鎌の様だ。

 しかし、ただの金属の刃では火力が物足りない気がしてきたので、またバスターランチャーなどに使用した魔力生成石を使用しビームソードと同じタイプの力を内蔵した武器を作り出したのだ。

 簡単に言えば、ビームソードと同じく圧縮された魔力を刃状にする。

 これをビームソードの様に持ち手の部分に設置するのではなく、アックスの金属刃の部分に設置する事で(しかし、今回使用している魔力生成石は設置出来る面積が非常に小さい為、設置している魔力生成石は残存している魔力生成石の中で1番小型の物を使用している。その為、バスターブラスターやバスターランチャーと比べると魔力の生成量は他の魔力生成石と比べると低くなっている。魔力を内蔵出来る最大量もバスターブラスターに搭載している魔力生成石と比べると低い。だが威力や出力には影響しない)

 ビームソードと同じ様に魔力の刃を形成する事が出来るのだ。

 しかもこのアックスには両方に刃が取り付けられているので、両方の刃から圧縮され、刃の形となった魔力を発生させる事が出来る。

 このアックスに付けた名前は「レーザーアックス」またの名を「ヴォルテックス」とヴォラクは名付けた。

 後は適当にテストして、問題があるなら改良すればいい。

 だけど元はただ長いだけの戦闘用の武器を魔力を発生させるだけに改良したレベルなので、能力の方はどう言うものなのかは分からない。






 残りの課題はこの作った武器を誰にプレゼントするかだ。

 しかし、大凡の事は決まっているのだが……


 バスターブラスター『ブリッツ』→ヴォラク

 バスターランチャー『ディエルタ(今考えた)』→サテラ

 ビームスナイパーライフル『マリス』→シズハ

 ビームソード→(オリジナルカスタムタイプ)→血雷

 ビームソード×2『メメントモリ』(通常型)→1つはレイアにもう1つは決めてない

 シールド→決めてない

 レーザーアックス『ヴォルテックス』→ヴォラク

 こんな感じの配分にする予定だ。

 



 ヴォラクはあまりにも眠くなってしまい、自分の右目を擦る。

 今日は昼寝か早めに寝よう。

 そうでもないと不眠症になりそうだ。て言うかなってちゃてるんじゃないの?←流石に言い過ぎ。

 ヴォラクは地下室から出る準備をした。レイと一緒に作った武器を持って外に出る事にした。

 しかしバスターランチャー、バスターブラスター、ビームスナイパーライフル、レーザーアックスはどれもそれなりに重さがある。しかしバスターランチャーはここにはない。

 特にバスターブラスターは特に重い。

 いくら男である僕とレイとサテラがいるとは言ってもかなり重い事に変わりはなかった。

 ヴォラクは右手にバスターブラスターを持ち、左手にレーザーアックスを取った。

 レイアはビームスナイパーライフルとオリジナルカスタムされたビームソードを持つ。

 サテラは通常のビームソードとシールドを持ってくれた。

 そして3人共に同じ事を思っていた。


「重い!」と……








































 階段を上って、扉を開けると扉の前には血雷とシズハが立っていた。

 血雷はいつもよりかなり不機嫌そうな表情をしている。

 シズハも血雷とそんなに変わらない表情をしていた。

 取り敢えず、ヴォラクは2人に何があったのか聞いてみる事にした。あまり気は進まないが……


「姉さんにシズハ、ど、どうしたの?何か……あった?」


「相手に骨がなかった……それだけだ。あまりにも訓練相手が弱かったぜ」


「他の魔道士の魔法能力はあんまり高くなかったです。言っちゃあれですが、ここの魔道士私よりも魔法の力が弱いです。こんな私よりも弱いとは…ヴォラクさん。何故か私魔道の先生になっているんですけど。ここの魔道士の皆さんから既に先生呼ばわりされてしまってますし」


「アタシも勝手に師匠呼ばわりだぜ。ここの戦士共に慕われちまったよ。ま、ここの戦士共のレベルはかなり低い。おい、レイア、ここの戦闘教育方針はどうなってんだ?」


「……………」


 レイアは何も言わずに明後日の方向を向いている。きっと何か隠している。

 て言うか、絶対隠してるよね?そんな見え見えな隠し方あんまり意味ないからね?

 せめてもう少しちゃんとした隠し方をしろよ。


「おい、レイ……あんたもしかして、そこら辺に目通してる?」


「し、正直に言います………やってません。そうい言う事は各自の兵士に任せてるの。後、言い訳になるかもしれないけど…私…訓練見に行く暇が、あんまりないの。私は一応この国のトップだから他にやる事が山の様にあるから、訓練に参加する事が出来ないの」


「オーマイガー!そんな事情があったとは…どうする?」


 何か案がないかと考えるヴォラク。すると血雷とシズハが口を開く。

 2人は何か案が浮かんだ様な表情をしている。


「なら……」


「私は魔道士の皆さんに魔術の訓練をしてあげます」


「なら、アタシはアタシのやり方で戦士共に剣の訓練をしてやるよ。万が一この国がどっかの国と戦争する羽目になった時の為にも…やってやるよ。アタシ達がな!」


「それなら、私も協力します!」


「一応、僕にも近接戦闘を教える事は出来る。レイ、僕達に任せてくれ」


「ヴォラク……皆、ありがとう!」


「よし、なら明日から訓練するか!?」


「激しく同意する。今日は休んで明日から……あ、そうだ。姉さん、シズハ、レイ、君達にプレゼントだ」


 と言って、ヴォラクとサテラはさっき作った武器、ビームソード(オリジナルカスタムタイプ)ビームソード「メメントモリ」

 ビームスナイパーライフル「マリス」

 の3つを取り出した。これは全て、彼女達に託す為の武器だ。


「まずは、姉さん。二刀流出来るって言ってただろ?だから、新しい刀、作ってあげたぜ。勿論鞘付きでな」←実はこっそり1人で鞘作ってた。


 鞘に収められたビームソードを握ったヴォラクはそれを血雷の右手の平に置いた。

 血雷すぐに両手でビームソードを握り、その姿を両目で見た。

 そして鞘から引き抜き、圧縮された魔力が刃となり、持ち手の上から魔力の刃が出現する。

 血雷は魔力によって生み出された刃に魅了されている。目をキラキラと輝かせる様に、ビームソードの刀身をただ只管に眺めている。

 まるで「綺麗だな」と言う様にその刀身をただ輝いた瞳でヴォラクとレイアが作った刀をただ見つめていた。


「良い刀だなヴォラク。アタシの為に生み出してくれて……この刀の名は?」


「決めてない。姉さんが決めてくれ」


 その言葉に血雷はキョトンとした顔を見せる。

 しかし、血雷は彼の言葉をすぐに飲み込みヴォラクから手渡された刀の名前を考える事にした………


「なら、この剣の名はアタシの刀『血殺刀』と合う様に(周りの人間から見て合ってるか知らんけど)『裂月刀』だ!」


「いいセンスだ」


「いいセンスってか?ありがとな」


 血雷が突然、ヴォラクの近くに迫ってくる。今ヴォラクは仮面を外しているので、どれだけ早く血雷が迫ってくるのかが分かる。

 いきなり、かなりのスピードで自分の傍に迫ってきたものだから、ヴォラクは反応出来ずに後ろにステップする事も横に避ける事も出来なかった。


「え!?姉さん?」


「ありがとな……」


「なっ!?………」


 血雷はヴォラクのすぐ近くまで寄ってきた。

 そして、その後はしばらく焦りが収まらなかった。


 血雷は何と、ヴォラクの頬に口付けをしたのだ。唇ではなかったが、自分の頬には明らかに血雷の唇の感覚を感じた。

 その光景を見ていたサテラ達3人は頬を真っ赤にしていた。

 

「ち、血雷さん!ヴォラクに何してるの!?そんな大胆な!」


「ヴォラクさん、キスしてほしいなら私に言ってくれればいいのに!そしたら……キスぐらい」


「あ、主様にキス……私の専用だったのに!」


「ん?何だヴォラク?まだ欲しいのか?なら今度は舌を…」


「誰も欲しいだなんて言ってねぇよ!てか!せめてするなら2人きりの時にしろぉ!」


「も、申し訳ない。少し大胆になり過ぎたぜ。なら今度は、2人の時に…」


「「「大胆!!」」」


(何てこったパンナコッタ……)



























 さて、パンナコッタ言ってないで話を戻そう。

 今度はシズハとレイに武器を渡さないと。


「は、話を戻そうか……………シズハ、お前にも渡す物がある」


「何ですか?爆弾でもくれるんですか?」


「冗談はやめとけ……新しい武器だ。ステイメンに変わって、新しい武器を作ったぜ!」


 と言って、ヴォラクはレイアが持っていたビームスナイパーライフル『マリス』を受け取り、シズハに手渡した。


「これって……ステイメンと同じ武器?ですよね?一体どんな風に使えばいいんですか?二丁で戦うのは……少し…」


「あ~少し違うな。この武器はな、実弾を使うんじゃなくて、圧縮した魔力を銃弾にして発射するんだよ。だからこのステイメンは引退だ。これからはこのビームスナイパーライフルまたの名を「マリス」を使用してくれ。因みにステイメンはリサイクルさせてもらうぜ」


「成程……実弾じゃなくて魔力を弾として……凄くいいアイデアですね!有難く使わせてもらいますね!」


「あぁ、大切に使えよ」


 シズハは相変わらずの可愛らしい笑顔を見せた。

 笑顔を見せるなり、シズハの尻尾が嬉しそうに動いた。

 モフりたい。

 これで2人に渡せる物は渡した。

 後はレイに……………









 あれ?何か前が………





 ヴォラクの視界が突然として暗闇に落ちる。

 そして猛烈な睡魔が襲いかかってきた。



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