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101話「譛?邨よアコ謌ヲ逕ィ迚ケ谿雁?蝎ィ」

文字化けって怖いと思うの私だけですか?

 

「中に空洞がある?」


「ですね?……結構広めの…」


 思わず二人は、疑問の声が漏れてしまう。重厚感の漂う壁を破壊し、その内部に侵入したは良かったのだがその内部に広がる景色に二人は驚きと大きな唖然を見せた。まずもって、まず普通に考えるのなら、壁の中には基本的には何も無いのが普通のはずだ。何かしらの素材で埋めてあるのが普通の考えであろう。

 だが今回は話が別だった。紗夜が右か左で迷う中、何を血迷ったのかは知らないが、弾けろ!俺のEXPLOSION的なノリで思いっきり正面の壁を破壊してしまったのだ。親父も血迷っていたと言っていたが娘もかなり血迷っている様な気がする。

 そして壁をハイハイと壊してしまったものではあるのだが、その中身を見た時、二人は驚きを見せる事となった。


「マジかよ、空洞があるなんて…」


「あるのは………机と……何でしょうか、これ?」


 紗夜がガイアよりも先に先導し、薄暗く日の光が刺さない空間の中を突き進んでいく。もしガイアが先導していたのなら、少しビビってしまっていたかもしれない。昔から暗い所は得意ではないからだ。

 そして空洞の中に入ると、薄暗い中ではあるがうっすらではあるが内部に設置された物を僅かではあるが視認出来る様になった。


「机と、モニター、パソコンも?これは……」


 ガイアは首を上に動かし、薄暗い部屋の中の壁に設置された放置され続けたせいなのか埃を被りながらも、欠損、破損せずに設置され続けているモニターに目を向けた。液晶画面は多少の汚れを残しながら暗い画面を映し続けていた。何かが移りそうな気配はなくただ静かに動く時を待っている様であった。ガイアはそのモニターを見て、何も映らないと思ったのか、モニターから視線を逸らし、もう一方の大きめの机とパソコンの方に目を向けた。

 机もパソコンも、外観だけ見るのなら年季が入った様には見えず、まるで美しさが凍り付き、永遠に保たれているかの様な程綺麗に見えてきた。埃を被っているとは言っても、まだ利用価値は十分にありそうな机とパソコンだった。

 特にパソコンは武器を制作した際に使用した物と何ら変わりのなく、違いが見受けられない様なパソコンであった。キーボードも埃を若干被っていたが、破壊はされておらず、十分使用は可能であった。

 しかしその電源は切られており、画面は暗いままであるが、動かそうと思えば動かす事は造作もないだろう。立ち上げた所で誰も怒らないだろうし、そもそもこんな廃墟みたいな場所に誰も居ないとガイアは思い、勢いに任せる様にして、電源ボタンに手を伸ばすとそのまま主電源を入れる。そして紗夜が少しだけ部屋の中を探索している内にパソコンの画面には色が着いた。

 そして画面に映し出されるのはデスクトップではなく、突然としてガイアの操作を受け付ける事なく、画面内に自動的に順次良く打ち込まれる文字の字ズラだったのだ。しかもその文の内容は杜撰で曖昧、狂気に堕ち狂ってしまうかの様にしてとても読める様な内容ではなかった。


 繧ゅ@縺薙?蝣エ縺ォ隱ー縺九′謔ェ諢上r謖√◆縺ェ縺?ク翫〒迴セ繧後※縺上l縺溘?縺ェ繧峨?∫ァ√?閾ェ繧峨′菴懊j蜃コ縺励◆譛?蠕後?蜉帙r縺昴?蝣エ縺ォ遶九▽蜷帙↓險励@縺溘>縺ィ遘√?諤昴≧縲ゅ◎縺ョ蜉帙r蜿励¢蜿悶k豌励′縺ゅk縺ョ縺ェ繧峨?∵ャイ縺励m縲∵ャイ縺励>縺ィ鬘倥∴縲ゅ◎縺?↑繧後?蜷帙?髫?縺輔l縺溽悄縺ョ蜉帙r蠕励※縲∽ク也阜繧定カ翫∴繧倶コ九→縺ェ繧九□繧阪≧縲

 謾ッ驟?繧キ繧ケ繝?Β


 全ての全てが文字化けしてしまっており、真面に読む事は絶対に出来なかったのだった。真実を伝える為の何かの暗号か、それとも誰かが悪ふざけで作ったトリックか、今のガイアにはまるで分からなかった。

 分からない事に頭を使うのは無駄な事、ガイアは電源を落とすと同時に、パソコンから手を離してしまったのだった。


 欲さず、求めないと言うのが、答え………


 ◇◇


「ねぇ、ガイアさん。何か、反応してますよ!?」


 もう確認する事もないだろう、そう思うと同時にガイアは隠された部屋から出て行こうとした。しかし突然として聞こえてきた紗夜の声にガイアは紗夜が立っている後ろを振り向いた。

 後ろを振り向くガイア、紗夜はガイアと目を合わせるなり、壁に掛けられていたモニターに指を指したのだ。


「ど、どうした紗夜?」


 ガイアも紗夜の言葉につられてモニターを方を眺めた。そして互いに口を噤み、耳を澄ました。すると、僅かにではあるが何か音が聞こえてくる様な気がした。

 誰かの声が聞こえてくる。何故だろうか、何故かは知らない、しかし何故か懐かしくて温かい、そして心地の良い様な声であった様な気がした。長らく忘れていた様な、聞き慣れていて、大好きな声であった様にして、ガイアはその声が聞きたくなる。


「あ―――あ―――!聞こえますか!?聞こえるなら応答をお願いします!」


 モニターをじっと見つめると、真っ黒で何も映る気配のなかったモニターが、カメラのフラッシュを使ったかの様にして一瞬だけピカッ、と光ると同時に、モニターには人が映ったのだ。しかもその人物は何処かで見覚えがある様な人達であったのだ。


「え………?」


 ガイアの脳内にまるで電流が流れるかの様な衝撃と驚きが走ると同時に、頓挫し途切れ途切れになってしまっていた曖昧な記憶達がまるで蘇る様にして脳内を駆け巡り、彼の記憶を取り戻すかの様にして呼びかけてきたのだ。


 ◇◇


 ある日、薄暗い空間の中で、檻の中とその外で偶然的に出会い、共に狩りを行った。そしてある時には共に湯船に浸かり、時にはベットの上で互いに肌を重ねた。そしていつでも共に傍に寄り添い、寝食を共にして、共に話し合える最高の仲間であり半場恋人に近い様な女性であった様な気がした。ある日突然として記憶から飛ぶ様にして消え去ってしまったが、今ガイアはその記憶を取り戻した様な気がした。目の前に映る女性を見た時ガイアは今まで闇の中に葬られていた様にして消え去っていた記憶を彼は今、取り戻した。



 そして次の瞬間だった、ハッとすると同時に目を凝らして画面をよく見つめる。そこには間違いなく彼女の姿があった。

 ヴォラクはすぐさまこちらが応答出来る様にする為に声を上げた。


「ああ、聞こえている!応答なら可能だ!」


「え、えぇっとき、聞こえてま~す!」


 ヴォラクの声に乗っかる様にして、紗夜も向こう側から声が聞こえている、と言う為に声が聞こえているとアピールをする。するとモニターに映る紫髪で美しいポニーテールの女性は姿は見えずとも声は聞こえたのだろうか、女性は、自分の声が聞こえてきた瞬間、表情が消え、口がポカンと空いてしまった後、自然と涙目になってしまったのだ。しかしヴォラクには彼女が泣いてしまう理由は重々承知であった。

 そう長い時間かどうかは分からないが、一応行方不明となってしまっていた身だ。彼女が自分の身を強く案じていた事は大いに分かる。久方に、姿を拝めずともその声を聞けただけで彼女は大いに喜び、涙を流してしまうのも納得がいった。


「お前なんだな………サテラ…」


「はい………生きていたんですね、主様」


 こちらからは彼女の姿が見えている。彼女は自分の声が聞こえてくるなり、目から涙を簡単に流してしまっていた。

 その声だけで、彼女は嬉しかったのだろう。実際ヴォラクだって記憶が蘇った事と、それによりサテラ達の事を含めた全てを思い出した事で若干ではあるが涙が溜まりそうになってしまった。そしてサテラがそこに立つのなら後の皆もいるはずだった。

 ヴォラクはより強く目を凝らし、周辺の様子を確認する。

 まずサテラが立つ場所は野外ではなさそうだった。場所的に見ると屋内か城塞内部、もしくは何処かの地下室、そう言った類の場所である事は確定だろう。取り敢えず完全に安全は確保されている場所である事は確定だろう。周囲に敵影や身の危険を犯すモノは存在しない様であった。


「どうやら、チャネリングが上手くいった様だね…」


「繋がったのかな?繋がったなら、後は座標を伝えるだけだね」


 突然として、聞き覚えのない人の声が聞こえてきた。すると程なくして、映像にはサテラだけではなく、二人の見覚えのない二人組が突然として映像に映し出されたのだ。

 一人は男性でありながら、結構長めの黒髪で、中性的な顔をしている。そして前の世界でよく見た様な、現代風のファッションをしていた。黒いフードパーカーと涼し気なTシャツ、通気性の良さそうな少しだけブカブカズボン。何だろうか、親近感を感じた。

 もう一人はサテラにも劣らない美しい美貌を持つ女性であった。美しく綺麗に靡いているプラチナゴールドのロングヘアの髪、レイアに何処か近いものを感じた。腰には煌びやかな装飾が施された鞘に納められた長剣を保有している。身なりも貴族か高い身分の元であると一目で分かる様な程に整えられていて、清潔な格好をしている。恐らくは貴族階級もしくは大きな国に所属している者だろうと、ヴォラクは一瞬で理解出来た。

 まさかとは思うが、サテラは今貴族の奴隷にでもなっているのか?と一瞬ヴォラクは背筋が凍りそうになる様な妄想をしてしまったが、サテラの浮かべている表情や身なりを見れば、そんな恐ろしい考えは簡単に吹き飛んでしまった。


「おいサテラ、お前今何処に居るんだ?僕は今よく分からない場所に置き去りにされている。そっちからここの居場所は分かるのか!?」


 取り敢えずヴォラクは自らの場所とサテラが今何処にいるのかを知りたかった。ヴォラクは今何処に居るのかは分からないし、サテラだって今何処に立っているのか彼には分からない。取り敢えず場所の確認をしたかった。


「はい!私は今、自由国「フライハイト」に居ます!で、私の横に居るのは……」


 サテラが続けて何か言おうとしたのだが、サテラの横に立っていた、名前も知らない誰かが先に話し始めてしまった事でサテラの会話は遮られた。


「君が今居る場所は多分こことは違う世界層だよ。そっちはカメラ機能が壊れてるから、姿は見えないけど恐らくは今君は間違いなく別の世界層に居るって事だけは確定なんだ」


 一瞬ヴォラクの頭が真っ白になると同時に、目の前に立つ黒髪の彼が何を言っているのか半分だけ理解出来た様な気がした。こう言うイベントはよくゲームで見ていた記憶がある。先程、嫌と言う程に思い出した記憶が脳を裂く勢いで脳内に流れ込んできてきたお陰で、ヴォラク、不知火凱亜だった頃の自分の記憶を取り戻す事が出来たのだ。

 戻ってきてくれたお陰で、全てを思い出した気がしたよ、自らの名前も、大切な仲間達の記憶も、家族と師匠との日々も、銃の知識も、ゲームとアニメのメモリーも、そして煮えくり返る程に強い復讐の灯火も、全てを思い出していた。今のヴォラクの眼には紅き復讐の炎が宿っていた。

 握り拳をより強く握り締めた。紗夜には気付かれない様にして、心の中でその怒りを燃やし尽くした。


「まぁ簡単に言うとね、ここからはすっごく離れた場所に貴方は居ると言う事よ、でももう安心して!今すぐこっちに来れる様にするから、翔湊お願い!」


「分かったよ、アストレアさん」


(結局は…パラレルワールドに迷い込んだと言う事か……)


 どうやら、プラチナゴールドの髪を持つ女性はアストレア、黒髪の青年は翔湊と言う名前らしい。アストレアはまだ普通だと思う一方で翔湊と言う名前はあの異世界とほぼ同じ様な世界の人間なのか?と僅かにだけだが疑ってしまった。しかし脱出の事を気にかけている今は、彼の名前について深く考える必要性はないだろう。それよりもこんな汚らしい場所から脱出する方が先決だろう。


「紗夜、今の話聞いてたか?」


「はい!違う移動するんですよね?」


「………行くのが嫌なら残っても良いんだぞ?」


「いえ、行きますよ…」


 紗夜の表情が一瞬だけ暗くなる。過去の話をしていた時と同じだった。ヴォラクは紗夜と同じ様にして僅かにではあるが表情を暗くした。


「もしかしたら、家の人が探しに来るかもしれないんで、姿は早い内に眩ませておきたいんです!私ガイアさんは信用出来る人だと思っているんで!ぜ、絶対に着いていきます!」


 そう叫ぶと紗夜は両手を使って、ヴォラクの右手を強く握った。手を握るなり、彼女の表情は明るいものへと変化していった。ヴォラクも彼女の明るい表情を見れて、少しだけ幸せな気分になれた。


「お、おぅありがとうな……」


「私、ガイアさんの為なら何でもします!」


「え、今何でするって言った?」


「前言撤回でお願いします!」


 謎のトークである。どんな時にもボケは忘れない方が良いのかもしれない。


「それじゃ、移動を始めるよ……「ムーブチャネリング」」


 翔湊が専門用語に近い事を言うと、翔湊と言う名の男は突然、両目を閉じると同時に右手を広げ、前に差し出すと常人には理解し難い何か呪文に近い事を言い出したのだ。ここには深く足を踏み入れないでおこう。


「主様、もうすぐ、もうすぐ会えますからね。私だけじゃなくて、シズハとも血雷さんともレイさんとも会えますからね!」


「あぁ、再会したら極上のシャンパンで一杯やろうぜ?」


「楽しみです!」


 さて、後は翔湊が自分達を転送してくれるのを待つだけだ。本当ならすんなりと行くはずなのだが、ここは何が起こるか分からない奇想天外なライトノベルの世界だ、残念な事にそうすんなりには行かない様だった。


(させないよ、そう簡単に事を進ませてほしくないからね)


「ぐぁぁぁぁぁ!」


 目を閉じながら、謎の呪文を唱え続けていた翔湊ではあったが、突然として翔湊は耳を裂く勢いで苦痛と恐怖に支配された様な表情で絶叫し、両手を使い、頭を強く抑えた。

 先程までは穏やかで落ち着いていた風貌で呪文を淡々と唱え続けていた彼であったが、突然の絶叫にヴォラクは強い驚きを見せる。

 な、何だ何があったんだ?とヴォラクは見ている側であったが自然と心配してしまう程であった。


「おい!何だ、どうした!?」


「翔湊、しっかり!」


「誰かが、干渉している。邪魔をするかの様に!誰かが、誰かが!」


 翔湊は全く変わらず頭を両手で抱え、苦しげな表情を見せている。額からは汗を流しており、脳が痛むかの様にして苦しみ続けていたのだ。


「よ、よく聞いてくれ!何者かの干渉でこちらに転送出来そうにない!多少座標がズレての転送になってしまうが、転送後は自力でフライハイトまで来てくれ、お願いだ!」


「干渉原因はこっちで調べるから、取り敢えず君達は自分の足でフライハイトまで来て!」


 翔湊が脳の痛みに苦しむ中、アストレアは翔湊の背中を擦りながらも、冷静な口調でヴォラク達に言葉をかける。

 翔湊は苦しみに悶えながらではあるが、何とか言葉を振り絞り、ヴォラク達に呼びかけ、必死になって言葉をかける。


「と、とにかく………座標がズレてるとは言っても…転送は出来る!今すぐ転送させるから、後は頼んだ!」


(計画は狂うかもしれないが、フライハイトに向かう前に……終焉へと向かうか…)


 そして遂に転送が始まる。ヴォラクと紗夜が転送の光に包まれていく中でヴォラクは最後に、サテラへと言葉を投げた。


「サテラ、ユスティーツで落ち合おう。そこで……分かるよな?」


 ヴォラクの殺気が込められた目で見つめられたサテラは、ヴォラクが今何をしたいのかが一目で理解出来た。彼の目を見つめたサテラは、右手の拳を強く握り締める。彼が受けた屈辱を今こそ晴らすべく、サテラもヴォラクとは同じ意見だった。


「転送を………開始!」


 翔湊が叫ぶと同時に、ヴォラク達はあの時と同じ様にして光に包まれる。ヴォラクと紗夜の肉体、そしてもう一つの何かは光に包まれ、転送され、その場から呆気なくとして姿を消し去ったのだった……。





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