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エピローグ「Vagabonds‐放浪者達」

 

 翌日


「んっ?……しもうた…ボクも寝てもうてたか……」


 蒼一郎は朝日の様な光を全身に照らされながら静かに瞼を動かし、目を覚ます。辺りは夜の時に比べれば明るくなっているが、まだ辺りは若干暗く、朝方だと言う事が一目で分かった。そして目を焼く様な熱く温かく、目の前でパチパチと燃え上がっていた焚き火は今はもう見る影もなかった。燃え尽きた焚き火の木達は石炭の様に黒くなり、所々の木は粉々になってしまっている。

 幾つかの木は形を残して残っているが、少しでも手を触れれば簡単にその形は崩れ去り、跡形もなく崩壊してしまうだろう。蒼一郎はそんな木達を触る事もせず周囲を見渡した。焚き火跡の向こうには悠介は腰を下ろしながら、気分を落として項垂れるかの様にしてその場でまだ寝息を立てている。目を瞑り、座りながらではあるが気持ちよさそうに眠っていたのだ。蒼一郎は肩に手を置いて揺すったり、声をかける様な事はしなかった。起きるまで待つ、それだけだった。

 そして蒼一郎の右手には無意識で感覚が無い中でも刀が抜刀され、今起きた事で刀を手に握っている事に気付いたのだった。確かに眠ってしまう前は燃え盛る焚き火の近くに立ち上がり、刀を片手に周囲の見張りを行ってはいた。しかし気が付けば蒼一郎も襲い来る睡魔に打ち勝つ事は出来ず、結局は悠介達と同様に眠りこけてしまった。


 五人の中で起きたのが、一番早くて幸いだと蒼一郎は感じた。自分で見張りをすると言っておきながら、見張りをしている本人が寝ていては見張りとしての意味をなさないので悠介や有栖達が先に起きていなくて蒼一郎は安心し、そのあまり安堵の息を口から吐いた。

 そして蒼一郎は頭に左手を伸ばし、少しだけ乱れた自分の髪を整えると同時に刀を右手に持ってその場に立ち上がる。仮にもまだ見張りの役目は終わってはいないので、蒼一郎は悠介達が全員起きてくるまで刀を片手に周囲の警戒を続けたのだった。しかしずっと立ち続けるのは足が痛くなりそうだし、貧血で頭に血が回らなくなりそうなので蒼一郎は結局、数分の間その場に立ち続けた後は、刀を右手に持ちながら、その場に腰を下ろし、刀を鞘に納めると同時に鞘に納刀した刀を地面に置いたのだった。


 しかしその場に座った所で悠介達が起きてくるまではこれと言ってやる事がなかった。今は酒が手元にある訳でもないし、読む為の本すらも手元にはなかった。しかし致し方ない事でもあった。全てを捨てて故郷から飛び出してきた身だったので蒼一郎は先程とは打って変わって溜め息を深く着いた。


「もう、少し……待つか…」


 そう独り言をボソリと呟くと蒼一郎は空を仰いだ。



















 その後、目を開けっ放しにした事で目が乾き、不意にも目を閉じてまた眠りにつきそうになる時もあったが、蒼一郎は時に自らの手で両頬を平手打ちして叩いたりしてどうにか睡魔を抑え込む。そして自分の睡魔と戦う事約数十分、目の前で項垂れるかの様にして腰を下ろしながら静かに眠っていた悠介が目を覚ました。


「………ふぁぁぁ~あ、蒼一郎さん、おはようございます」


「おぅ、おはようさん。夜の見張りはやっといたさかい、よぅ眠れたか?」


「横になって眠れなかった以外に不満はありませんよ。後は顔を洗いたいぐらいですね」


「はは、ボクも同じやで、顔も洗いたいし風呂にも入りたいわ」


 悠介の他愛もない発言に蒼一郎は笑みを浮かべながら悠介へと言葉を返す。しかし蒼一郎は糸目であったせいなのか、悠介に見せた笑いはどこか不気味なものとなってしまった。

 悠介も最初こそは少しだけ身震いしてしまい、僅かながら蒼一郎の表情に不気味さを感じたが、それはあくまで見た目だけの話だった。蒼一郎は決して悪い人間ではないだろうと悠介は思っていた。現に会ってまだそんなに時間は経過していないが、悠介が思うには蒼一郎と有栖と言う人物は悪い人ではないだろうと感じている。

 会話を交わした時も話しやすかったし、互いに性格も非常に優しく見える。人を見た目で判断するのは悠介は嫌だったので、悠介的には二人は心優しい人物に見えたのだった。


「んんっ~ふぁぁ!おはよう!良い朝だね!」


 蒼一郎と目を合わせて、焚き火越しに話していた悠介だったが横の方から突然朝からうるさいと言う程に大きく綺麗な声が悠介の耳を刺激した。悠介はその聞き慣れた声に、悠介はその場で嫌味を言う事も嫌悪感を抱く事も嫌な表情を浮かべる事もなく、素直に嬉しげな表情を浮かべて首を横に振り、彼女の綺麗な顔へと視線を向けた。


「リア、おはよう…」


「うん!悠介、おはよう」


「うわぁお……寝起きでも…こんな別嬪さんなんて…」


 蒼一郎の目に映ったのは今ちょうど眠りから覚めた金髪の女性リアン・ジュールだったのだ。蒼一郎は今起きてきて、寝起きのリアンを美しいと思ってしまった。

 まず彼女は寝起きであるにも関わらず、彼女は元気そうに美しい表情を見せており顔に汚れなども見受けられない。それに髪の毛も外ハネ、少しだけ乱れてしまっているとは言っても逆にその乱れ方もお茶目で可愛く見えてきてしまう。そう思うのは蒼一郎だけではなくDUO(ペア)でもある悠介も同じ感想だった。


「相変わらず綺麗だな、リア……」


「えへへ、そうでしょ?」


「顔を洗いたいんだが……頼めるか?」


「あ、了解!」


「え?リアンさん、あんさん水でも持ってるんか?」


 蒼一郎が尋ねた時、リアンは突然として右手を差し出し目を閉じて心の中で何かを唱え始める。蒼一郎はその光景に疑問を感じずにはいられなくなった。一体彼女は何をしているのか気になってしまい、不意にも目を奪われ、その光景に釘付けとなってしまう。

 そして目を閉じていたリアンが再び目を開ける。するとそこには蒼一郎の予想とはかけ離れた光景が自らの双眸に映し出されたのだ。


「はい、完成!」


「お、サンキューな」


 リアンの手の平、と言うよりは手の平より僅かながら上の所に球体状の水の塊が姿を現したのだ。まるで水色のボールの様な形状をしているがそれはボールではなく間違いなく球体状に圧縮された水の塊だったのだ。そして悠介がリアンの右手の平の上に作られた球体状の水に手を伸ばすと、悠介はそのまま球体状の水の中に手を入れ、そのまま両手を合わせると同時に手の形をお椀の形にすると同時に水をすくったのだった。

 そして球体状の水の中に手を入れ、手馴れた手つきで水を汲むと悠介はすくった水を顔に浴びせたのだった。朝起きてまだ眠気が取れず、乾いた肌に浴びる事が出来る冷たく綺麗で新鮮な水は最高の至福と言っても良いぐらいだった。取れない眠気は一気に覚め、乾いてしまった肌は艶やかで触り心地の良く、男性でありながら、肌色の美しい肌へと変化する。悠介は冷たくて綺麗な水を顔に浴びた事で眠気が覚め、二度寝してしまいそうな事はなくなった。

 リアンも悠介と同様に自らの魔力で作り出した球体状の水を左手ですくうと同時に、左手ですくった水を悠介と同じ様にして顔に浴びせた。


「ぷっ、はぁ~やっぱり朝一の水浴びはいいねぇ~」


「す、凄いなぁ…水を手から作れるなんて…」


「あれ?蒼一郎さんはもしかして魔法の事知らないんですか?」


 悠介は蒼一郎に疑問の言葉を投げかけた。悠介こそ最初は信じられなかった事だが、この世界では殆どの人間を始めとした生物全般は自身が体内に持つ魔力によって発動させる事が出来る「魔法」と言うものがこの地球とは別の世界には存在している。魔法と言うものは魔力を使用する事でありとあらゆる魔法を使用する事が出来る。勿論だが、元は地球で生きてきて、そんな魔法等とは無縁の世界を生きてきた悠介でもこの世界に来てからは、自らが持つ魔力を使用する事で影を主体とした魔法を使う事が可能となった。

 悠介だけではなくリアンやグレン、元クラスメイト達だって魔法を使う事が出来た。

 しかし蒼一郎の発言はまるで魔法に対して無知であるかの様な発言だったのだ。まさかまさか、この世界の住人?でありながら魔法を知らない?とでも言うのだろうか、悠介は蒼一郎に魔法について知っているのか知っていないのか聞いてみる事にする。


「いや、知らんわけちゃうで?知ってはいるんやけど、家の取り決めで魔法関連は一切使用禁止になってるんや。お陰で今になるまで使った事がないせいで、使い方が訳分からんのよ」


「なら、今度私が教えてあげようか?基本的で誰でも使える様な簡単なのだけど?」


 リアンは朝から元気な声を発し蒼一郎の方へと首を向け、視線を彼と合わせる。彼女は蒼一郎に魔法を教える気満々だった。ニコニコとした可愛げな表情を浮かべ、蒼一郎の事を見つめていた。

 それと変わって悠介はリアンとは違い、自分が持つ魔法を蒼一郎に魔法を教える気はなかった。理由は明白且つ単純なものだった。まず悠介が持つ適正魔法は数ある魔法の中でも適正者が少なく、中でも珍しい魔法である「影」と言う魔法だった。自分の勝手な想像となってしまうが、恐らく蒼一郎は影魔法に適正はないだろう。適正もないのに、教える意味は存在しない、完全に無意味な行動なので悠介は蒼一郎に魔法を教える気にはならなかったのだ。


「じゃ、また時間が空いた時にでも、お願いします。本当に感謝しますよ」


 そう言うと蒼一郎はリアンに対して頭を下げて一礼すると同時に、彼も悠介と同様に水をすくって顔に水を浴びせ、まだ取れそうにない眠気を取る。

 そしてリアンは突然として蒼一郎に一礼され、お礼を言われてしまいしまい、照れてしまっている様な表情を見せてしまう。


「そ、そんな!お礼な、なんて……!」


「照れ過ぎだろ……リア…」


「だ、だってぇ~悠介ぇ!」


「照れるなよ、頬が赤いぞ?」


 そんなリアンに対して悠介は腕を組みながら、淡々とした言葉でリアンに言葉を投げかける。彼に言葉を投げかけれると同時にリアンは悠介の両肩を両手で掴み、ブンブンと上下に動かした。脳を揺らされる事で頭が少しばかり痛くなってしまう悠介だったが、気の抜けた声で、痛い痛い~とボヤく様にして呟いた。蒼一郎は遠目でその光景を見つめると同時に、口元を指で抑えながら、僅かながら微笑みを見せる。


 しかしリアンはその言葉と口調は、いつも通りで何も変わらない、いつもの悠介だとリアンは感じた。基本的に悠介はこの様な感じで崩れる感じが一切しない無感情でまるでロボットが発する言葉の様な淡々としている口調、そして楽で腕を組んで立っている。基本的に悠介はこの様な感じで無気力な感じで生きている。リアンはそんな悠介は全然嫌いではなかった。無感情でまるで生きていない様な生物かもしれない悠介ではあるが、本当の悠介は根か優しくて情に熱く、時に面白い一面を見せてくれたりするし、ご飯だって奢ってくれるし、いつも、どんな時でも自分の傍にいてくれて、自分やその仲間達にも優しくしてくれる。リアンはそんな悠介が嫌いになる事は出来ず、逆に好きと言うものに近い感情を抱きつつあったのだった。


「はいは~い、朝からイチャつくなんて大胆ねぇ~」


「おぉ!やるなぁ、バカップル!」


「誰がバカップルじゃ、有栖さん、後イチャついてねぇよ、グレン」


「でも、見た感じじゃ、付き合ってない風にも見えんけど?」


 決してリアンと悠介はイチャついていた訳ではない。偶然にも、そしていつも通りの様にして話しているだけだ。リアンと悠介にとってこの様な会話やなり振る舞いは日常茶飯事と言っても過言ではない。日常的にまるで恋人やおしどり夫婦を彷彿とさせる様な会話のやり取りはリアンと悠介の間にはよく起こりうる事だったのだ。しかし生憎だが、グレンを始めとした蒼一郎や有栖はその事を知らない。三人の目に映る悠介とリアンは本当の恋人同士と言っても過言ではなかったのだった。


 まるで付き合っている様な発言を悠介は額にかかった髪を右手でかきあげ、リアンは自分の右手首を動かして彼女らの発言を否定する様な発言を行う。


「いやいや~付き合ってなんて」


「いないんだが…」


 その何とも空気を読まない様な発言にグレン達三人は石像の様にして固まってしまい、三人共ほぼ同時のタイミングで、あ~と拍子抜けしている様な形で発すると同時に横に列を作り、凍り付くかの様にして固まってしまったのだ。

 そこは、仲良く付き合っているとかみたいな純愛的発言や逆にツンデレの様に尖っている発言をするとかヤンデレみたいに独占するかの様な発言をするのが空気を読む?様な発言だと思うのだが、きっぱりと付き合っていないと言う発言をしてしまった悠介とリアンの空気の読めない言葉による場の空気の破壊力は凄まじいものだった。

 取り敢えず、和まし程度に蒼一郎が右手を挙手して言葉を発する。冷や汗が僅かながらも顔をつたい、表情もどこかぎこちない様な形ではあるが、蒼一郎は今この氷の様にして固まってしまっている空気を和ませる為必死になって言葉を発したのだった。


「ゆ、悠介はん?と、取り敢えず身支度しよか?」


「うん、そうしよう」


「悠介の意見に賛成…」


「悠介君側に着くのが最善」


「今だけは同情するわ」


 まだこの場の空気はぎこちなく、冷たくて話し出すタイミングが掴めない様な空間の中に五人は立っていたが流石にいつまでも固まってしまっている方が逆にもっと話しずらくなってしまうので悠介達御一行は素直に蒼一郎の言葉に従う事にした。逆に従わずに今の冷たくなっている空気を打破する様な策が見当たらないので、悠介達は蒼一郎の言葉に従い、悠介は荷物を纏めるなどと言った旅立ちの為の準備を始める事にしたのだった。と言うか、準備しないと本当に場の空気が依然としたまま凍り付いたままなので悠介は多少恐怖心すらも覚える中で準備を始めた。


「ひゃ~朝一の冷たい水って最高だなぁ!」


「乾いた肌には冷たい水が一番……」


 有栖とグレンも朝起きてすぐにリアンが作り出してくれた球体状の水の塊に悠介や蒼一郎と同様に手を突っ込み水をすくうと同時に顔に水を浴びせ、二人も寝起きでまだ覚めない眠気を取る事にした。

 因みにだが、悠介と蒼一郎は身支度や服装、髪型等を整えている女性三人達とは違い、全員の荷物をまとめたり、寝る場所として使っていたテントを片付けたりなどと言った事を行い、出発の準備を整える事にした。





  ◇ ◇




 そして悠介と蒼一郎はテントを片付け終わり、五人全員の荷物をまとめ終わると同時にリアン、グレン、有栖達三人も身支度や服装、髪型を整えると五人は出発の為の準備を完了させたのだった。

 悠介は先頭に立ち、彼の横にリアンが寄り添う様な形で隣に立つ。そして二人の少し後ろにグレンや蒼一郎、有栖が立ち、今にも歩き出そうとする。

 グレンがふと言葉を呟く。悠介は後ろからグレンに話しかけられた事で首を横に振り、視線を後ろの方向へと移動させる。


「で、悠介君?これから何処に向かうの?」


「え?これから?」


 悠介は予想していない回答が自分にぶつけられてしまい、悠介は言葉が詰まってしまい言葉が思う様に出てこなくなってしまった。現に今から何処に向かうかについては特に決まっておらず、グレンが悠介に問いた質問に対して悠介は何も言う事が出来なくなってしまったのだった。取り敢えず悠介は視線を後ろから自分の横に立つリアンの方へと移動させる。

 その表情は助けを求める様な感じでリアンの方を見つめる、その表情は無気力で無感情な悠介とは全く違っていて僅かながら冷や汗が彼の顔をつたい、必死になって、内心助けて、とリアンに縋る様な形で悠介はリアンを見つめていたのだ。

 悠介は小声でリアンの耳に口を近付け、彼女から助言を求めたかったのだが今の状況では隠れて助言を彼女から受け取る事すら出来なさそうだったのでどう返すかは全て自分で考えなくてはならなかったのだ。

 取り敢えず長々と回答を考えるのは周囲の人間の疑問を招きかねないので、かなり急いで回答を考える必要があった。


「悠介君?どうしたの?黙り込んじゃって?」


「…………放浪旅、でもしようと思っている」


「何処かに向かう訳じゃねぇのか?」


 有栖が悠介に対して疑問の言葉を投げかけるが、悠介の言葉はあまり変わる様な事はなかった。その言葉の口調はやはりいつも通りの悠介だった。


「あぁ、魔物とか殺して、依頼とかこらして、金稼いで、適当に飯食って飲む様な旅でもしようと思うんだ。ぶらりと放浪旅でもしようと思ってな…」


 そのどこかカッコつけている様な発言ではあったが、周囲の人間達の反応は決して悪い訳ではなさそうだった。現にリアンに至っては悠介のそのどこがカッコイイのかイマイチ良く分からない発言に何故か目を奪われ、目を輝かせている。グレンを始めとした蒼一郎や有栖と言った三人も決してダサいとかかっこ悪いなどとは口頭で言う事はなかったが、真実かどうかは定かではないが彼の発言を三人は肯定する様な姿勢で、悪くは無いと言いそうな表情で悠介を見つめていたが、すぐさま蒼一郎達は口を開き、言葉を悠介になげかけた。


「なら、行きましょうか?ボクらも元々は彷徨ってた様な身や、その旅付き合うで?」


「目的なしに彷徨い歩くか……楽しい旅になりそうだぜ…乗った!どうせ暇なんでオレも付き合ってやるよ!」


「今は何もする事ないし…元の場所にも戻りたくないし…私も悠介君に着いていく事にするよ」


「皆に賛成!私も目的なしに旅するの楽しそうだし、他にやる事もなさそうだから、私も悠介に着いていくよ!」


 五人の意見は一致した様だった。悠介の放浪旅を行うと言う考えは四人に賛成される姿勢で、その場から歩き出そうとする悠介に着いていこうとする様子を見せた。


「それで?どの方向に進みますか?」


 まだ進む方向は決まってはいなかったが、悠介はふと自分の目に入ったものの方向へと進む選択をする事にした。

 悠介は首を少しながら横へと動かす、その目線の先にあるのは空の上に浮かぼうと日の様な眩しい光の球体だったのだ。まるでそれは太陽の様なもので、悠介は偶然的にその目に映った事でその光の方向へと進もうと悠介は思ったのだ。


「あの光が進む方向だと、俺は思う」


「なら、出発しましょか…」


「よっしゃ、行くか!」


「楽しく…なりそうね」


「よ~し!出発だ!」


 そして、この広き世界を舞台に、悠介達の新たな冒険が今始まる。


悠介主役章は一旦ここで終わりです。

次章からはまたヴォラクが主人公になります。

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