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鬼斬屋  作者: 千明
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2章1話 森をぬけた先で

随分投稿遅くなりました、すいません。


2章開幕です。読んで頂けたら嬉しいです。

よろしくお願いします。


哀鬼、カイルを輪廻へ送り、人里をめざして歩いた俺は不可思議な結界を目にした。

それはまるで今までいた泉の草原の周りをぐるりと囲うように存在していた。


『この、結界は…』

「んん〜??これ、認識齟齬ついてるみたいだねぇ?」

『…誰かが意図的にここに足を踏み入れないようにしているようだが…。』


認識齟齬の結界。それは結界の強度自体は弱い。子供が叩けば壊れてしまう程度の強度しかないのだ。しかし、結界自体についている認識齟齬ー間違った認識をしてしまう、意識を強制的にずらされてしまうという効果がついているためそこに結界があることをおもいいたらないのだ。そのせいで、叩くことすらしないため、結界としての機能が有効になる。

今回気づけたのは俺が内側から出ようとしたから、というのともともと術式等の感知が人より得意だったからというのも理由の一つだろう。


そして、今回の結界はどうやら湖に行こうとする人にここから先にはないと思わせるような結界のようだった。湖に行こうとこの辺りまで来ると結界が作動。湖はここでは無いと思いここを避ける。避けてしまうため湖にはたどり着けない、と言った具合のようだ。


『…しかし、この結界起点はどこにあるのどろうな。もう、彼はいないのだ。こんな結界はなくても構わんだろうに。』

「まぁ〜そうだけど?勝手に外すとおおさわぎになるんじゃねぇかねェ?なーんか向こうで見た結界とはどこか違うような感じするしよォ。これが魔法による結界、ってやつなんじゃ?」

『魔法、なるほど。それで少し結界自体に違和感を感じるのか。起点から波動を打つのでは無くグルグルと回る感じがしてこのまま見ていると酔いそうだな。それに騒ぎも望まないのだから、このままで行こうか。』


俺たちは結界から目を逸らしそのまま歩き出すことにした。

周りは緑が青々と茂り、小動物の気配も感じる豊かな森だった。

まだ日差しが上にあることからある程度の時間はありそうだが、夜になっては面倒だ。時折周りの自然に目をやりながら、歩くこと1時間ほど。

日本の道路のような道ではなかったが、木々が伐採され開けた道へと出た。

車輪の跡のようなものもあり、ここは旅人や商人の使う道なのだろう。


『ふむ、この道を行けばどこかしらにはたどり着きそうだな。』

「いやぁ、長かったねェ。俺疲れちまったよミコト〜」

『ぬかせ、その程度で疲れるようなものではないだろうに。ここから先は人に会うかもしれんが蛇はなるべく喋るな。あと人前で刀になったり人になったりするんじゃないぞ。今からでも刀の形になっておくか?そうすれば俺は刀使えるしお前も疲れないぞ。』

「えぇ、せっかくなんだから少しは楽しませてくれよぉ。まぁ主サマがお望みならそうするけどねぇ。」

『まったく、調子のいい男だ。』


蛇の気まぐれに笑いながら道へ降り立ち、人の足跡的に右に向かう人が多いようなので右の道へ進む。


「んにしても、随分開けてきたねぇ。」

『そうだな、これほど開けていれば魔物の強襲にも気づきやすいのだろう。ただまぁ、敵の方も来たことがわかりやすくはあるのだろうがな。』

「ん?どーゆー、って、あーーなるほどねぇ。随分テンプレ大事にする世界だことで。ミコトォどーする?」


俺たちの視線の先、そこは何の変哲もない開けた道。両脇には木々が惜しみなく生え揃っているがばばの広い道は人気はいなくそこにあった。


そう、道には人の気配はない。両脇の木々の裏手に息を潜め気配をほぼ絶っている人間が10人ずつ控えているようだが。


俺と蛇はかれらのに認識される前にそっと脇の木々の合間に隠れ、術式を使い姿を隠す。


『隠。潜め人と似ず。』


唱えた術式が広がる。俺と蛇をつつみ完成する。これは気配や呼吸音をほかの人間へ感知させないことに特化している。言葉も指定している相手とは可能だが周りには一切聞こえないというものだ。


『さて。これはどうするのがよいのだろうな。テンプレ通りならこれは盗賊なのやもしれんが。』

「ま、確証がないしねぇ。このまま向かってみるかィ?強さそこまでじゃなさそうだしィ。」

『ふむ、ここで俺たちが襲われず次に来た旅人が襲われるのも不快なのだが…』

「…んじゃぁ、次にくるやつら利用するかい?」

『それはリスクが高いだろう。』

「んじゃもう行かなぇと利用するしか無くなりそうだぜぇ?」

『!…そのようだな、あれは馬車、か。1番大きいのが1つと小さめのが2つか。馬車を初めて見るがあそこまで大きいのだな。』

「それなりの身分の人だったりしてーなんてなぁ」


俺たちがその後の相談をし始めたとき、後方から大きな馬車が近づいてきていた。


『…馬も立派だな、毛並みもいい。蛇の予想が当たりそうだ。このまま襲われるのも…蛇。』

「へいへいわーかりましたよォ。」


刀となった蛇を持ち、近くなった馬車見る。そして人の競歩ほどのスピードで走る馬車に併走する。

足音はなるべく消し併走。

そして盗賊(?)が潜む草陰が近くなった時、


「今だ!撃て!!」


その掛け声と共に矢や風の刃、炎の玉といったものが次々と馬車に向かって発射された。


「!!」


御者はそれを見て手元に置いてあったはこのようなものを握る。そうすると馬車は結界に包まれた。


なるほど、あれは魔道具、と呼ばれるものなのかもしれないな。


魔道具を使用し急停止した大きな馬車。その後ろをついていた小さい馬車ふたつから人がとびだしてきた。


「リル!魔法で応戦しろ!それほど魔力は持ってねぇだろ!エフィは後方待機!補助魔法は控えて回復に集中!ジェファ!俺と共に前出るぞ!!!」

「「「了解!」」」


後方に乗っていたのは護衛だったようだ。


『ふむ、連携も取れている。俺が手を出さずとも終わりそうだ。』

「だねぇ俺ら出る必要なかったかもねぇ。」


止まった馬車の結界の近くで見守る。


「くそ、こうなったら…」


向こうの盗賊(?)が不利を悟りなにかを取りだした。


「!それは!!てめえ、なんてもん持ってやがる!!」

「うるせぇ!俺はここで死ぬ訳には行かねぇんだよ!!」


そう言って盗賊(?)は取り出したものー小さな小瓶ーの蓋を開けそのままこちら側に投げつけた。

効果は、すぐにわかった。


『!これは』

「ミコト、これ、やばそうだぜ。」


巻かれた液体から煙がたち周囲に散漫。

そして、多くの魔物の気配がこちらに押し寄せてきていた。


『魔物を引き寄せる薬、と言ったところだろうか。』

「そうみたいだなァ、しかも、」


ーーリンッ


『鬼が、混ざってるな。』


耳飾りがなる。


『人がこれを使うと知っているのかもしれんな。だから、これのそばに行けば人に会えると。』

「もしそうならだいぶ食ってそうだねぇ。」


俺は持っていた蛇を抜刀する。


「行くかィ?」

『あぁ、鬼は、厳しいだろうからな。』


『ついでに魔物も手伝う。』

「了解っとぉ!!」




そうして俺らは盗賊と戦いながら到着した魔物とも戦う彼らの元へと走り出した。





























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