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メビウスの扉

メビウスの扉『店内を見て回る→今すぐチェックする→気味が悪いので電話を切る』

作者: かるちぇ

薄暗い部屋の中、優香の遺体の枕元で、誰も触っていないのに僕のケータイをコールし続ける優香のケータイ。


正直、ひどく薄気味悪かった。


少しの間この電話を受けるかどうか悩んだが、結局、気味が悪いので電話を切った。


そして、そのまま優香のケータイの様子を窺っていると、パリンと何かが砕けるような音がして、優香のケータイから光の粒が舞い上がって宙に消えていった。


いったいなにが起きているんだ?


恐る恐る優香のケータイを拾い上げてみるが、特に変わったことは……あれ?


優香のケータイについさっきまでついていたストラップが無くなっている。


え? なんでだ? さっきは確かにあったのに。


周りを見回してもやっぱりストラップは落ちていない。なぜ? と思う僕の頭の片隅に引っかかるものがあった。


昨日、アベルトゥラでの優香の言葉を思い出す。


「……不思議体験があった後、その雑貨が必ず消えてるのも事実なの。……いかにも消費型魔法アイテムって感じじゃない?」


まさか、さっきの電話がそれだったというのか?


もしそうだったとしても、僕には今更確かめる術はないし、正直今更どうでもいい。


僕にとって誰よりも大切な優香は死んでしまったのだから。


僕にはもうそれ以外のことはすべてどうでもいいことだった。


仕事も、これからの生活も、僕自身の生きる目的も、僕の中のすべてが意味を失い、どうでもよくなっていた。



僕にとって、もはやすべてが虚しかった。




Fin.



『届かなかったメッセージ』


This is “mobius no tobira” Bad ending.




メビウスの扉のバッドエンディングです。追憶の花の力による彼女からの最期のメッセージを受け取らなかった場合のストーリー。

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