用語解説
この大陸には六つの国があり六つの種族が暮らしている。
国名:王都:王家の人種:種族特性
イァイ国:ファタ:有翼人種:背中に一対の翼をもつ。六種族中最も小柄で
最も魔力が高い。一般的な呼称は『羽』。
ラシー国:プムダ:攻殻人種:背側(後頭部からかかとまで)に鱗を持つ。
一般的な呼称は『鱗』。
テロン国:ユータ:有尾人種:尻尾が生えている。魔力は低いが筋力が高い。
一般的な呼称は『尻尾』。
カー国:キーパ:水棲人種:手と足に水かきを持つ。一般的な呼称は
『水かき』。
ミガ国:オュー:触角人種:眉頭に二つの触角を持つ。魔力は有翼人種につい
で高い。一般的な呼称は『二本』。
エーウ国:タタ:一角人種:額上部に一本の角を持つ。大柄で六種族中最も
筋力が高い。反面魔力は最も低い。一般的な呼称は『角』。
元々は各国とも王家の種族と同じ種族による単一種族の国であった。
しかし互いの人種に忌避感が無い事から共存するようになる。
異人種の夫婦から生まれる子供は両親どちらかの種族特性を100%引き継ぐ。
この為ハーフというものが存在しない。
同じ両親から生まれた子供でも長子と次子とで人種が異なる場合もある。
○魔物:六種族以外で魔力を持つものの総称。
動植物は魔力を持たない。この事から何らかの事由で魔力を帯びた動植物が
魔物に変異すると考えられている。基本好戦的で凶暴。
○剣聖:魂に刻まれる称号。
持つ者は剣の能力を十全に引き出しあらゆる技を使える。
○精霊魔術:五感で大気に宿る精霊を感じ対話する事で力を借り受ける。
地・水・火・風の四つの元素を各精霊にお願いして効果を発現させる魔術。
上位の術として氷がそして雷が存在している。
上位の術については誰しもが使えるわけでは無く高い魔力と何より精霊との相性や親和性が求められる。
実際に術を発動するまでに他の元素よりも時間がかかるのがネックではあるがそれを補って余りあるまたそれだけのリスクを払うに値するほどの威力をほこる。
他に『重ね掛け』と呼称される技術があり地・水・火・風の基本の術を二つ以上重ねあわせるものがある。
○操魔術:魔力により物体を操る魔術。
魔力を帯びた物は操作できない。其の為六種族や魔物を直接操作するのは不可。
○封印術:対象の感覚器官や魔力を封ずる魔術。
○感覚同調:魂のみの存在であるエイジは感覚器官を持たない。
そこで宿主であるアルの了承を得られた場合のみアルの肉体の感覚を同じ様に
感じる事ができる。その事を指す。
五感全てでも任意に幾つかでもアルのさじ加減で指定できる。
○魔封紋:封印術により魔力を封じられた者の額に浮かぶ文様。
これが浮かんでいる間は魔力を使えない。封印が解かれれば消える。
○魂話:アルとエイジが頭の中で交わす会話の事。
物語中では【】内がそれに該当。
○訓練学校:入学資格は13歳以上で読み書き計算が試される入学試験合格者。
13歳から二年間の初等学科15歳から二年間の高等学科それを併せた四年間の総合学科があり選ぶことが出来る。
またそれら三つの学科すべてに兵士になる為の軍事教練のコースと文官(公務員)になるコースの二種類がある。
教育方針により生徒全員通学圏内に自宅があっても寮に入らなければならない。
○ヘイコルト商会:大手商会の一角。取り扱わない商品は無いといわれる。
行商から大都市での万屋経営また様々な店舗への配達及び他の商会との取引及び王家への御用伺いなど多岐にわたる商いを手掛けている。
商品となる魔物の部位の取得や商隊の護衛また商品の配達などで傭兵ギルドへ依頼を出す事も多い。
○害獣駆除:役場が住民に被害が出ない様に該当する魔物を駆除する為報酬を設定し受注者に支払うシステム。
○在住証明:住んでいる村や町の役場で発行してくれる身分証。カード形態。
○傭兵:傭兵ギルドで登録された者を指す。
方法は傭兵ギルドの受付で身分証を呈示する。資格は成人している事。
犯罪歴などが無ければ誰でも登録されカードが発行される。
等級が存在しており10級からスタートして依頼の達成数などにより昇級し最高位は1級までの10段階となる。
期限があり10級が一年間9級が二年間と級が上がるほど年数が一年ずつ伸び1級は十年間となる。
この期間中に依頼を達成すればそこから再び期限が伸びるがこの期限内に依頼を行わないと失効して再び10級からとなる。
等級により10級は初心者9~7級は初級者6級~4級は中級者そして3級~1級が上級者と一般的に呼ばれている。
○傭兵団:傭兵が任意に集った集団。
○『月光』:傭兵団の一つ。主に有尾人種で構成される。
この大陸の中に数多ある傭兵団の中でもトップ5に入るといわれている。
ちなみに残りの四つとは『風雅』『雪華』『万雷』『天元』を指す。
○『嵐』:アルが9歳の時に鍛冶師にオーダーメイドした剣。
初代の形状は反りの無い直刀の刃渡り60㎝とアルの体格に合わせて短め。
先端部分のみ両刃で刀身部分は片刃で鍔を付けてある。
柄が40㎝と長く刀身の幅が2㎝と薄い割に厚みがある。
円筒形に近い形にしてある。
初代は16歳の時に経年劣化により刃が薄くなった事を理由に置いた。
刃渡りを70㎝に柄頭を鉄製にした二代目を17歳現在使用している。
ネーミングはアル自身。理由は「なんかカッコいいから」。
○近衛隊:王家直轄の王族を守る騎士団。男性のみで構成され装備は守る事を
主眼としている為片手剣と盾で統一されている。
○『角』:アルの持つサブウェポン。短剣。
既製品で30㎝ほどの長さで刀身は細長く刃は付いていない先端が三角形。
斬るのでは無く突くに特化した形状。エイジが操魔術で使う場合もある。
ネーミングはアル。理由は「なんか角って感じがしたから」。
○『阿』:エイジ専用の操魔術で使う鉄球。
形状は通常の球の形だが直径が6㎝ほどと一般的なものよりも一回り大きい。
ネーミングはエイジ。アルに名前を付けるよう強要され仕方なく。
理由は二つを対ととらえた事に因るインスピレーションから。
○『吽』:エイジ専用の操魔術で使う鉄球。
速度と貫通力を上げるために全長5㎝直径3㎝ほどの円筒形で先を尖らせた弾丸のような形状。
城塞都市ヨルグの武器屋で木の杭に金属鎧を着せた的を貫通させた時に負荷によりつぶれてしまい廃棄。
ネーミングはエイジ。
○『雲海』:エイジ専用の操魔術で使う鉄球。
『吽』の時の教訓を生かして同じ弾丸を模した形状ながらフルメタルジャケット弾のように弾頭部分を真鍮で強化した改良版。
ネーミングはエイジ。『吽』を改良したというダジャレ。
○『絆』:主にアルが操魔術で使う鎖分銅。
エイジが使う場合もある。6歳の時に義母マージから渡された。
アルには知らされてはいないが実母ルルリアの使用していた遺品。
ネーミングはアル。理由は「こんな風はカックイイ感じがしたから」。
○特製ベルト:アルとエイジが使用する武器を収納したガンベルトを模した形状のベルト。
なめし皮と金具を用いてアル自身が作成した。
常時装備しているのは『嵐』『角』『阿』『雲海』『絆』の他に針三本と蜂蜜と香辛料を入れたホルスターもついている。
武器では無いので特に名前は付いていない。
○『縮地』:アルの使う技。戦闘において主に初手に使用する。
相対している相手に彼我の距離が縮まったかと錯覚させるほどの素早い歩法。
すり足で体を捻らず頭の位置を動かさないように且つおこりを見せずに相手の意識の薄い時に一気に仕掛ける技。
使用条件は地面がある程度平らな事。距離は6m程が限界。
相対している一人にしか効果は無い。
エイジが己の知識を総動員してこうじゃないかと作り上げアルに教え込んだもので本来の縮地がこれなのかは不明。
○領主:各村や町を治める。国の議会に議席が設けられている。
役場と連携して住民から税を徴収し国に納める。
○探索者のカード:役場で発行されダンジョンに潜る際に必要になる。
ダンジョンの入口で職員に渡し出る時に受け取る。
残念ながらダンジョン内で命を落した場合に分かる様にと設けられた、
生存確認システムの役割を持つ。
○傭兵ギルド:傭兵に依頼を仲介する施設。国営。
大きな街にしか無い。各国の傭兵ギルド同士で連携をとっている。
依頼毎に担当者が難易度を考慮して受注に該当する等級を判定する。
依頼主からの報酬を一部手数料として徴収し収入源としている。
また達成した依頼によって昇級させたり逆に期限内に依頼を行わない場合10級に下げる手続きもする。
○依頼:傭兵が受注し報酬を得る仕事の形態。
一般と呼ばれるものは通常傭兵ギルドの所定の位置に依頼書として貼ってある。
各依頼を受諾するにあたって依頼毎に傭兵ギルドが定めた該当する等級に達していないと受注出来ない。
国及び王族からの依頼は3級以上の上級者しか受けられない。
一般には他に競合と呼ばれる形態もありこれは何時までという期限が無い代わりに何時からという開始時期が記されたもので希望者は誰でも受注できる。
しかし報酬は一番最初に依頼を達成した者のみが得られ他の者は無しとなる。
受注する傭兵側にリスクが高い事から高額な報酬の依頼が多い。
一般の他に指名依頼というものがありこれは個人や傭兵団のような集団を特定して発注する形態。
指名依頼には傭兵ギルドを介して頼む場合と直接依頼主が傭兵に交渉する場合がある。
○ダンジョン:各国に一つずつこの大陸に六つある地下に造られた施設。
誰が何のために造ったのかは不明。
○魔核鉱石:魔物の魂が宿るといわれる石でダンジョン内の魔物はこの石に魂が宿る事で実体化するが致命傷を受けるとこの石を残して体は霧散する。
この石には魔力が宿る為エネルギーとして売り買いされている。
魔力の量は魔物が宿っていた時間が長いほど多くなるので強い個体の方がそうなる可能性が高い。
○ヒカリダケ:発光するキノコで洞窟内などの湿気が多い冷所で多くみられる。
食べると嘔吐・下痢などを引き起こす毒きのこ。
ダンジョン内はこれがある事で視界が確保されている。
○ヒーラウ迷宮:イァイ国城塞都市ヨルグ近郊にあるダンジョンの正式名称。
○開かずの宝箱:ヒーラウ迷宮の名物。
誰も開けたことが無いとされ第10階層にあるといわれている。
○万屋:ほぼすべてを売っている。大手商会が経営する店舗。
大手商会が経営している為売ってない物も注文すれば取り寄せてもらえる。
○薪人形:主に武器の試し打ちする為の地面に打ち込まれた木の杭を人に見立てたもの。
金属鎧を着せて操魔術や精霊魔術の的にする事が多い。
○『受け袈裟』:アルが使う剣技。
相手の上段からの攻撃を自らの剣を水平にして柄で受ける。
てこの原理で柄を押された力を利用し刀身で袈裟に切って落とすカウンター技。
これには素早い踏込により出来るだけ相手の剣の力の乗った箇所では無く鍔元を受ける事が肝要となる。
○『滑り小手』:アルが使う剣技。
相手の得物に鍔やナックルガードがついて無い時に使える技。
剣を合わせた際に剣の腹を相手の得物に沿って滑らせ小手を撃つ技。
仕込みや短刀また短槍などに特に有効で長槍相手にも懐に飛び込んで使える。
○決闘:当事者同士がお互いに了承し勝負する方法や人数その他諸条件を申請書に記入し役場に提出して許可が下りれば行われる。
役場から立会人が一人派遣されその他に希望があれば双方が認めた立会人を一名配すことが出来る。
○『魔散石』:ある程度の量は必要だがこれがあると魔力が散らされて効果を及ぼさない魔術が使えなくなる石。
店の中で精霊魔術や操魔術を使われ無いように武器屋や万屋など商売してる店舗にはほぼ必ず設置してある。
また大きな商会のものや高貴な身分な者の乗る馬車には通常備えられている。
○草玉:主に馬車の足を止めるために用いられる文字通り草を集めて丸めたものを蔦などでしばったもの。
精霊魔術の風の魔術で馬の足下まで転がして火の魔術で燃やし馬の足を止める。
○『銀狼』:義賊。頭目はヴァンフィール。
悪徳商人や因業領主などから奪った金を恵まれない人たちに配っている。
○『頭仏』:アルが使う剣技。
鍔迫り合いの中強く押してくると感じた瞬間力を抜き腕はそのままに手首の動きだけで丁度切っ先が自分に向くように剣を引く。
その時さらに一歩前に踏み込んで相手の方を向いた剣の柄の頭で石突きを回し打ちするように相手の喉仏を突く技。
○『金龍』:テロン第三王女誘拐事件の主犯であるガロイアが
『銀狼』を一時的に乗っ取り名乗った名前。ガロイア死亡により消滅。
○バリスティックナイフ:刀身部分がスプリングで飛び出すナイフ。
○征龍剣:魔術が効かないどんな物理攻撃をも通さないといわれる龍の鱗を斬る事ができる数少ない武器の一つ。
対になっている盾は龍のブレスを無効化し物理攻撃をシャットアウトする。
仕組みは龍の鱗に反応する斥力を発生させ物理的にこちらに触れられないようにする。
但しこれは攻撃の衝撃や重さまではどうにもならない。
仮に龍の尾で殴られたとして直接尾が盾に触れる事は無いがその衝撃でこちらは吹き飛ばされる。
踏みつけられたら同じようにして足が当たらなくてもその重さでつぶされる。
○龍:王家を守る最強の盾であり鉾。
この世に六体のみで各国に一体ずついる王家を守護する存在。
○宮廷魔術師:近衛隊と同じ王家直轄の王族を守る魔術師。
女性のみで構成される。10人程度と人数はそれほど多く無い。
○ホーエル商会:大手商会の一角。規模はヘイコルト商会を上回る。




