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紅い月  作者: tome
1/1

必然の出逢いは偶然のように過ぎてしまう

仕事が、あと少し片付かなくて

結局、残して帰った夜でした。


家に食べるものは何も無い。

自炊する気力も無い。

作ってくれる人も無い。


とりあえず、安易に決めた定食屋でした。


適当に今日のおすすめを注文して

スマホを見ながら待っていました。


店には、数人の客がまばらに座り

まばらに時間を過ごしていました。


入り口の少し重たい扉が開きました。


貴女が入って来ました。


初めて会った時と同じ気持ちになりました。


一礼されたので、一礼しただけで

頼んでいた定食がきたので食べ始めました。


貴女は、隣りの席に座りました。


ひとりでは、ありませんでした。

僕は、ひとりでした。


ドキドキしながら、何を食べているのか

わかりませんでした。


貴女とお連れさんが話していることが

勝手に耳に入ってきました。


次の土曜日にマグリット展を観にいくわ。


ドキドキしました。


味わうことなんて出来ず食べ終わり

席を立ちました。


ちらっと貴女に目がいきました。

湯のみを両手で包むようにしていました。

目が合いました。


僕は、目線をそらすように頭を下げて

レジに向かいました。


扉を出る時、貴女の方に振り返りました。

貴女は、僕を見ていました。


失礼します。


ほぼ聞こえない声で一礼しました。


お疲れさまです。


貴女は笑顔で応えてくれました。



土曜日、マグリット展。

考えると胸がドキドキしました。


紅い月の夜でした。


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