楽園
天上の楽園。
全てが満ち足りた究極の場所。
神々が住む地である。
そこはまるで美しい神殿のように荘厳で、見るものを涙させるほど壮大。
様々な神々がそれぞれの管理する世界を覗き見て、
武を認められ神になった者たちが鍛錬を惜しまない。
音楽の神々が奏でる音楽は耳から心を平穏に運ぶ。
自然の神々が管理する大小様々な庭園や花壇。
天使が神のための供物を運びて行き交うそこは黄金とも言い表せるように白と金で輝いている。
この世の建物の何とも言い表せないほど洗練された美術品のような神殿。
その神殿の中心、知恵と生命の木の生えた庭園の真ん中の豪華な宮殿の窓際に、一柱の神が寝転んでいた。
雲間に差し込む光の柱のように美しい白金の毛髪
中性的な顔立ちは見る者全てが跪きそうなほど凛々しく、慈愛に満ち溢れた瞳には金色の虹彩。
透き通った白い肌の下に逞しくしなやかな筋肉を全身に纏いて衣服は身につけず
猛々しく大きな男性の象徴を隠そうともしない。
その者の名は( )、この楽園の主。
全ての神々の頂点に立つ神であった。
時には女神として人に慈愛を教え、
時に人の勇気を称えた。
その者が認めれば楽園に招待され、
認めなければ追放される。
楽園は真の神である主のために存在するのである。
その主である神が言った。
暇だな。と
暇なんかい。