04 三人目
今日は、イオちゃんとのおデートですよ。
この異世界に来てからずっと俺の面倒を見てくれているイオちゃん。
今日は少しでも恩返ししたいね。
で、どこ行くのかな。
「嫁探しツアー、再開?」
えーと、俺としては、無理に増員しなくても今の生活で大満足なんだけど。
「アリシエラさんのネコミミネコしっぽとか、ニエルさんのちっちゃなサキュバス羽とか」
「アマツさんが目を奪われる要素、この世界にはまだまだ盛りだくさん」
「嫁ラインナップの更なる充実に励むのも、嫁1号の務め」
確かにそういうのって召喚者の殿方の心を鷲掴みしちゃうけど、
俺としては、今は家族との絆を深める方が先かなって。
そもそも、この個別デートってそれが目的なんだし。
「個別デート……」
イオちゃんは、どっか行きたいとことか、やりたいこととか、ないの?
「そういえば、ひとつだけ気掛かりなことが」
「シナギさんとデュラハンが真剣勝負したらどうなるか」
「どんなに考察しても、結末が読めない」
あー、なるほど。
シナギさんの銘刀『ぶなしめじ』は、どんな強敵だって一撃で首を落として確殺出来るけど、
最初から首がもげてるデュラハンには効くのかってことだよね。
言われてみれば、確かにめっちゃ気になる疑問だけど、デートのお題としてはいかがなものかと……
「"天使"として、知りたいと思えば何でも分かるはずなのに、こればかりはいくら考えても答えが出ない」
「凄くモヤモヤする……」
えーと、その答えを知るためには、シナギさんとデュラハンがマジでやり合う必要があるよね。
まずは疑問解決のために、討伐OKな悪党デュラハンを探さないと。
あと、こんなアレな理由だけど、シナギさんに協力してもらえうようお願いしなきゃ。
あー、どうだろ、そもそもこんな実験みたいなことに、あの真面目なシナギさんが付き合ってくれるのかな。
実験っていうか、これってまさに首実験……
「……この件は保留案件とする」
「達成のための諸要素がアレ過ぎて、現状実現困難」
「むしろ、こんなイベントが実際に起こらないように留意すべき」
だよね、そもそも討伐が必要なほど大暴れしてるデュラハンなんて、絶対に会いたくないし。
「それでは、次の疑問」
ちょっと待って、イオちゃん。
個別デートじゃなくてお悩み解決コーナーになっちゃってるよ。
「私は、こうやってアマツさんを独占して、いろんなことをいっぱいお話し出来るのが嬉しい」
「これすなわち、おうちデート」
あー、確かに。
みんなでワイワイするのも楽しいけど、ふたりきりでの会話もいいよね。
じゃあ今日は、心ゆくまで語り合うってことで。
てな感じで、イオちゃんとおうちデート。
結構楽しかったんで、みんなともヤリたいね、コレ。