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02 一人目


 個別デート、最初のお相手は、ナナさん。


 心も身体も相性バッチリで甘えさせ上手なナナさんに、いつも甘えてばかりな俺。


 今日は日頃の感謝を込めて、存分に甘えてもらいましょ。




 おしゃれ私服のナナさんに手を引っ張られながら、商店街の方へ。


 どうやら、このペンネッタの町を散策するみたいですよ。


 地元手繋ぎデートって感じかな。



 まずは『マクラのお宿』で、ヘリヤさんとコルノさんにご挨拶。


 もちろん、お泊まりじゃなくて、ご休憩。



 ちょっと早めの美味しい昼食と、ふたりきりの露天風呂を満喫。


 まだ日が高いうちから、しっぽり温泉。


 めっちゃ贅沢だね、これ。



 それから、町の商店街をのんびり散策。


 みんなから冷やかされるたびに、手繋ぎしたナナさんがギュッて握りしめてきますよ。


 なんだか、嬉し恥ずかし成分×2倍って感じだよね。



 ---



 そんな感じのらぶらぶ散歩、着いたところはマリエレンさんの雑貨屋さん。



 マリエレンさんは、"双砲乱牙"と呼ばれた二つ名持ちの元有名冒険者で、


"天眼通し"と呼ばれたナナミリスさんのライバル、かな。


 ちなみにナナさん的に今日の訪問は、俺たちのらぶらぶ夫婦仲を見せつけるため、だって。



 旦那さんのセルジェ君は冒険者ギルドの職員なので、日中はマリエレンさんおひとりでお店番。


 姉さん女房のマリエレンさんと歳下可愛いセルジェ君は、


 町のみんなを身悶えさせちゃうらぶらぶっぷりな新婚さん。


 さすがは冒険者の頃からのナナさんのライバルのマリエレンさん、


 新妻オーラもハンパ無いですよ。




「もう、見惚れたら駄目ですよっ」


 おっと、ごめんなさい、ナナさん。


 でもほら、いつもだったら素敵な乙女には遠慮無く調子のいいこと言っちゃうのに、


 おとなしく見惚れてるだけなのは自重してる証しってことで。




「はい、ご馳走様ですこと」

「今度はセル君を連れて、そちらのお宅にリベンジに伺いますからねっ」


 おっと、反撃されそうですよ、ナナさん。


 やんちゃな"双砲乱牙"は健在ですね。



「もう、昔の話しは無しですよ」

「ところで、ナナさんは冒険者復帰の方はどう?」



「あの頃みたいな感覚が、なかなか取り戻せなくて」

「新しい魔導銃も、もっと習熟しないと」



「やっぱり狙撃銃?」



「いえ、近接にも対応出来る万能型、かな」

「標的に合わせた弾種の切り替えが難しくて」



「近接は旦那さまにお任せじゃ駄目なの?」



「えーと、旦那さまを守るための近接戦対応、かな」



「つまりは、らぶらぶね」



「そうなの、らぶらぶなの」




 なんだか新妻ふたりで盛り上がってますな。


 でも、なんかいいよね。


 かつての冒険者ライバルが、奥さまとしても切磋琢磨。



 ---



 そんな感じで楽しく町を散策して、そろそろ夕方。



「それじゃ、そろそろ帰りましょうか」


 おや、もういいんですか、ふたりきりのおデート。



「今日は、お腹いっぱい満喫させていただきました」

「でも、みんながお腹を空かせてないか、気になっちゃって」


 ナナさんは我が家のお母さんですもんね。



「時々で良いので、今日みたいなデートもお願いしますね」


 遠慮しないで、どんどん甘えてください。


 今度は遠出してお泊まりデートしましょ。



「新しい魔導銃の習熟訓練が完了したら、お祝いのデート、おねだりしちゃおうかな」


 本当に、根っからの冒険者気質なんですね。




 そんな感じの、ナナさんとのおデート。


 ナナさんが冒険者復帰したら、今度はふたりきりで遠征討伐したいね。



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