19 みっつ目
そして、みっつ目の願い。
最後の望みは、ヴェルモリエルさんがしがらみから"解放"されること。
宝箱とか3つの願いとか、これまで縛り付けられていた諸々からね。
どんな願いでも叶うなら、もちろんこんな願いだっていいよね。
これからは、誰かの願いを叶えるために宝箱に封じ込められることも無いし、
もちろん、俺のひとつ目とふたつ目の願いにも縛られなくてもいい。
今まで長いこと大変だったんだし、
これからは、自由に生きてくださいね。
「ありがとうございます、アマツさん」
いえいえ、どういたしまして。
ギュッ
あー、いいですね、お礼のハグ。
さすがはナイスバディお姉さんモードのヴェルモリエルさん、
あったか柔らか良い匂いで、俺、めっちゃ幸せ……
「私のことは、ヴェルモって呼んでください」
「これからも末永く、よろしくお願いしますね」
こちらこそよろしく、って、これからも?
「自由に生きてという願い、叶えさせていただきます」
「ずっと、おそばに……」
「結局この展開だよ」
「だってアマツさんですもの」
『精霊、ゲットだよ』
「我が家の増築もまだなのに、嫁マシマシ」
あー、ヴェルモさんのこと、よろしくお願いしますね、嫁連合の皆さま。
たった今、出来たばかりのアマツ家の家訓は、"家族は仲良く"ですよ。
 




