13 達成
自己紹介しながら、うちの家族のことをマナナシュネちゃんに説明。
実は嫁さんは4人って知った時のマナナシュネちゃんのアレなまなざし、
なんか新しい性癖に目覚めちゃいそうだったよ。
メリシェラちゃんとイオちゃんにも、今回の件の経緯を説明。
マナナシュネちゃんは嫁候補じゃないって、ようやく納得してもらえましたよ。
まあ、将来どうなるかは、誰にも分からんけどね。
「私のような精霊と出会ったことは隠さなくても良いし、お兄さんたちにはこれからもいろいろと相談に乗ってほしいです」
「でも、ダンジョン管理の件は、絶対に他言無用でお願いします」
はい、マナナシュネちゃんがダンジョン管理人さんだってことは、みんなには絶対に内緒。
なんか、女の子と秘密を共有するのって、ドキドキしちゃうね。
「不具合修正完了するまでここは閉鎖しておくから、ギルドの方には上手いこと説明してください」
「作業が終わったら、お兄さんたちに速達鳥で連絡します」
了解、楽しみに待ってるよ。
「あとコレ、不具合のお詫び」
手のひらサイズの宝箱?
「宝物庫にあったランダム宝箱だから、私にも何が出てくるのかは不明」
「出てくる宝物の大きさも不明だから、出来るだけ広い場所で開けてください」
おみやげ、ありがと。
お仕事頑張ってね、お姉さんにもよろしく。
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マナナシュネちゃんが『転移』したら、ダンジョンの入り口も消えちゃったよ。
不具合修正、頑張ってほしいな。
新ダンジョンへの再チャレンジ、楽しみだね。
「それじゃ、撤収」
「歩いて帰る? それとも『転移』?」
俺は、のんびり歩いて帰りたいけど、ふたりはどう?
……はい、多数決の結果、全員一致で歩いて帰ることに。
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日暮れ前に、ペンネッタの町に到着。
ギルドで、サリアさんに事の経緯を報告。
あのダンジョンは、攻略者によって難易度が変わる難易度可変型だってこと。
出来たばかりなので安定していなくて、俺たちも攻略中に『転移』で外に放り出されたこと。
今は入り口が消えていること。
「了解しました。 しばらくは立ち入り禁止で様子見、ですね」
「新ダンジョン調査、依頼完了です」
いつも思うんですけど、
依頼をめでたしめでたしで達成させた時って、何か追加報酬が欲しいですよね。
サリアさんの優しいハグとか。
「ギルドの受け付けとしては、素敵な奥さまたちの目の前ではそんなことは出来ません」
えーとつまり、お仕事が終わった後、嫁さんたちが見てないとこでならOKってこと?
「アマツさんはこんなこと言ってますけど、イオタさんとメリシェラさんはよろしいのですか」
「ここから先は、サリアさん次第」
「つまり、いつでもウェルカム」
「私も賛成、かな」
「でも、大切なのはサリアさんの気持ちだよ」
「……善処します」
「報酬の方は、いつも通りパーティーの口座への振り込みでよろしいですね」
「それでは、皆さんお疲れさまでした」




