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 このダンジョン、入り口は自然洞窟型だったけど、


 中は人工的なんだね。



 壁・床・天井、全部が硬そうな材質の、クルマが2台通れるくらいの人工的な通路。


 イオちゃんが全力で攻撃してもキズひとつ付かないなんて、マジで異常な造りなんですよ、このダンジョン。



「ルール遵守型のダンジョンは、侵入した時点でクリア条件などの契約が成立する」

「そうなると、『転移』やダンジョン破壊での脱出は難しい」

「まだ難易度は不明だけど、ちゃんとルールさえ守ればクリア出来る、はず」


 なるほど、ズルしないで真面目にクリアしなさいってことね。


 でも、いじわるで出口を消したんじゃないってことは、


 真面目にルールさえ守ればクリア出来るように、


 挑戦者のレベルに合わせた難易度に調整されてるってことだよね。



「その可能性は高いけど、接敵して魔物の強さを確認するまで予断を許さず」

「今は魔物を呼ぶ魔法も使えないので、ひたすら前に進むのみ」


 さっきから結構歩いてるんだけど、何もいないね。



「本当に何もないよね」

「こういう一本道ダンジョンって、なんかヤダ」


 ホントだよね、メリシェラちゃん。


 なんか手抜きっぽくてさ。


 微妙に曲がり道になってて見通しが悪いってのも、ちょっとやな感じ。


 どのくらい歩いたか分かんないけど、イオちゃんはマッピング出来てる?



「たぶん、マッピングは無意味」

「この手のダンジョンのお約束なら、そろそろ扉があるはず」


 おっと、ホントだ。


 突き当たりにおっきな扉ですよ。


 えーと、なんか書いてるね。



『扉を開けし者のみが、挑戦する資格を得る』

『全てを懸けて全力で挑戦すべし』


 ふむ、これってつまり、ひとりしか入れないってこと?



「入室者選択型なので、入った人のレベルに合わせたボスが出現する、はず」

「この中にいるボスを倒すのが先に進む条件っぽいので、誰が闘うか、挑戦者の選択が重要」

「私が入ると、超高難易度のボスが出現する、はず」

「"全力で挑戦"とあるが、ボス部屋で魔法や魔導具が解禁されてるかどうかが、この表記では分からない」

「魔法が使えれば何とでもなるけど、そうでなければ勝てるかどうかは、正直不明」


 ってことは、俺が入るとヘボちんなボスが登場するってことだよね。


 そっちの方が良くない?


 メリシェラちゃんも、メネルカ魔導具を封じられてたらしんどいでしょ。



「……ごめん」


 大丈夫だよ、こういう時のための『ボクサー2』だし。


 これって最初から付与無しだから、魔法封じとか関係無しで、そもそものブン殴り専門仕様が活きるんだよね。



「もし何かあったら、"天使"としての能力を全開放して絶対になんとかしてみせる」


 無茶しちゃ駄目だよ、イオちゃん。


 たぶん全開放とかしちゃったら、世界がヤバいよね。


 このダンジョンがちゃんとクリア出来る仕様になってるなら、俺が頑張ればなんとかなるでしょ。



 そんじゃ、行ってくるね。


 ひとりで扉を開けましてっと。


 中に入ると……



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