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第8話 土下座のド は どういう事かな?のド

「ねぇ、セッカちゃん。本当にやるの?」

「絶対いけます!」

「まぁ、面白そうだからやるけどさ…。」

「今年の1年は、変な事考えるな……。」


 まず総合運動会に重要なのは選手宣誓。

 各学年から1人づつ、と言う選手宣誓は

 今年はアマンダさんを含めた国軍科の3人で行なう事が決まったときから

 絶対やろうと裏で画策していたセッカです。





 そして3人が選手宣誓を決める。

 実は台詞は毎年、選手宣誓をする人が決めて良い事になっていて

 アマンダさんが選ばれた事で、少々私がスパイスをぶっこんでみたのです。





「宣誓。

「私達、上級学校各科の生徒一同は!」

「正々堂々と!」

「異性の視線を気にしながら!」

「これまでご指導ご鞭撻いただいた上級学校の先生方への感謝と共に!」

「厳しいご指導の鬱憤を拳や脚に十全に込めつつ!」

「対戦相手に先生方の顔を思い浮かべつつ、闘争心へと変え!」

「それでいて異性の目に止まる事を期待しつつ!」

「正々堂々と!」

「見ている方々を楽しませつつ!」

「戦う事を誓います!」

「1年A組、アマンダ・フォン・エンデバー!

「2年A組、アシュリン・フォン・シルバリオ!」

「3年A組、イーイズデ・フォン・サエヒセルヒ!」



 観客からは盛大な拍手と笑いがあったけど

 上級学校の先生方は完全に固まっていた。





「で、どういう事かな?」

「どういう事も何も、選手宣誓は選手の花ではないですか!!」

「そういう事を言っているのでは無い。

 何故、面白可笑しくする必要があったのかね?

 と言うか首謀者は誰だ?」


 まぁ3人が私を指差しているんだけど

 私含めて全員が正座させられていた。


「だって、そもそも国軍科って結婚率低いらしいじゃないですか!?

 ならそういう期待をしっかり乗せて、ここは

 比率を上げようという親心「セッカ、お前は何時から親になった?」いひゃいれふ…。」



「まぁ、蔦テントの事があるから許すが二度とやるんじゃないぞ?」

「ふぁい。とひはへじゅ…ほっへをちゅへるのほ、やへへほはっへひひへふは?」


 意外とあっさり許された。

「よし!来年は2年だから二度にはならない!!」

「全然反省して無いじゃないか!?」

 とりあえず頭に拳骨が落ちてきて

 私は出番以外、教職員達の横で正座で待機を命じられた……。





「それでは第1競技『パン食い競争』を開始します!」



 始まった。

 この世界の運動会で、凄く極悪な競技が……。

 まぁ見た目は普通のパン食い競争なのは間違いない。

 多分発案者が異世界転生者か転移者なのは間違いない。


 古代競技の1つとして古くからあるそうで

 少なくとも図書館の本では170万年前の時点で

 勇者召喚の儀式なるものも行なわれ、異世界人。

 と言うか地球人が居た事が確認されている。


 ルールもそのままだ。

 スタートから走り、パンを口で銜えてゴールまで走り抜ける。

 ただこれは地球、と言うか日本だから成立する競技で

 ドイツとかフランスだと成立しない可能性がある。


 パンが硬いからだ…。

 いわゆる堅焼きパンは保存用でガッチガチだし

 柔らかいといわれるパンですら、ガチガチのフランスパン並で

 スープなどに浸さないと食べられない。


 あと実況っぽいのは拡声の魔導具で

 会場全体に響き渡っていて、実況なのも間違いは無い。


「さぁ、第一組スタートしました。

 各科が一斉にパンに飛びついたが、ここで会計科と普通科、さらには

 優勝候補筆頭の国軍科が堅パンを選んでしまったぁぁぁぁぁ!!」


 見た目一緒なんですよね…。

 条件は銜えて走る事なので、齧りつけないといけない。

 ご丁寧にビニール袋になんて入っていませんよ?

 そもそもこの世界で作られていませんから…。


「おっと!?しかし国軍科3年のビートル君!堅パンにしっかりと齧りついたぁ!?

 そしてそのまま逃げ切るかと思いきや、すぐ横についているのは

 冒険科の3年、エッジ君だ!どちらも速い!

 先にゴールに飛び込むのはどちらだ!?」


 え?あれに齧りついたの!?

 歯欠けなかった!?

 あんなの石に齧り付く様なものなのに……。

 だから無くならないのかな?この競技……。


 ちなみに科別で1・2・3年が入り混じって行なうのですが

 条件としては、必ず全員が参加する事。

 その為に組体操みたいなのもあるんですよね……。



「さて、第2競技の方を見てみましょうか」

 ちなみに会場は結構広いので、4つの競技が同時に行なわれている。



「こちらはスライドフロアですね。

 今、商業科と会計科が同時に完成したようです!

 どちらが先に完成したのかを審判である先生方が審議しているようです」


 これはいわゆるスライドパズルとも言う15枚のパネルを

 左上から右に1234、次の段を左から5678のように

 並べ、最後に右下を開けて15までを揃える

 まぁ、多分発案は異世界人だよね…。

 つか運動会って言い方自体がそうだろうし……。


 ちなみにこのスライドフロアは超巨大で

 パネルの上に競技者が乗っている位大きくて

 力と知識の両方が必要になる。

 その上で数字が元から書いてある訳じゃなく

 実はパネルの上の計算式から、パネルの番号も考えるという

 頭脳系の競技だ。


 それこそどこかの学生クイズ大会では無いけど

 知力、体力、時の運だ。

 このパネルもくじびきで決まるのだけど、四則演算から

 桁数が膨大なものから、1足す1みたいな簡単なパネルすらある。


 これは創設者が「力だけでも、想いだけでも」と言ったとか言わないとか。

 一応【(ザ・シード)】使いですから、気にはなるんですけどね…?


 まぁ力だけなら冒険者科とか国軍科とかが有利ですから

 そうで無い競技も多いとか。





「第3競技、ロープワーカーの方は中々の接戦です!

 現在、商業科と魔法科と会計科が競っています!!」


 こちらはようはロープ結びの競技。

 少々大きめの綱引きみたいな紐でやるけど

 ようはもやい結びとか、規定の結び方を行っていくものです。


 まぁ商業科と会計科は頭脳労働として。

 魔法科は力の補助に魔法を使ってカバーしているからでしょうか。

 接戦になっていますが、まぁ国軍科と冒険者科は

 酷いものです…。

 頭脳労働じゃない人も居ますからね……。



「第4競技、シャトランジも中々の接戦!

 しかし冒険者科、商業科に破れました!

 国軍科と会計科の闘いは、どうやら拮抗している模様です!」


 シャトランジはまぁチェスに近いボードゲームで

 それをリアルな人間で行なう、人間チェスだ。

 ルールや駒の名前、動きも違ってフィルズと言う駒があったり

 ビショップはフィール、ナイトはファラスと言ったり

 チェスの元だとも言われるものだそうです。


 ただキャスリングやアンパッサンと言う物がなく

 それに変わるルールがあったりして

 最後はシャーマート、で終わるのですが

 これが「なまって」チェックメイトになったとか?


 なら最初からチェスで良いのでは?と思わなくもなかった。

2021/07/03:修正

ただキャスリングや案パッさんと言う物がなく

 ↓

ただキャスリングやアンパッサンと言う物がなく

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