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コント「運命の特別セール」

作者: 獅子雄誠

ショート.ver


場所……お店

役……女性店員=ボケ 男性客=ツッコミ


客「お。こんな所で特別セールやってる。入ってみよ」


客、お店に入る。

ウィーンと自動ドアの開く音がする。


店員「いらっしゃいませお客様。うちのお店に何の用でしょう!」


客「なんでもう怒ってるんだよ! 俺何かした? それに買い物以外に何か用があるのかよ?」


店員「さぁ? もしかしたら出逢い……とか?」


店員が顔を赤らめる。


客「情緒不安定かよ!それより何がセールなの?」


店員「それではお客様。今、百万円お持ちですか?」


客「え? そんなに必要なの? 俺三千円くらいしか持ってないけど?」


店員「なら十分です」


客「十分なんかい! なら百万円って何だったんだ!」


店員「セールストークです」


客「ならやめた方がいいよ」


店員「それよりこちらをご覧ください」


客「……ただの輪ゴムだね」


店員「いえ! 気が付いたら机の中で固くなっていた輪ゴムです!」


客「……うん。よくある現象だけど、これって何でなるのかな?」


店員「それがこちらの商品、今だとなんと三千円なんです!」


客「わー凄い! じゃねーよ! 誰が買うんだよ!」


店員「でも、お客様、今偶然三千円お持ちなんですよね? 運命感じませんか?」


客「感じね―よ!」


店員「そうですか……今なら車もつくんですけどね……」


客「なら買うよ」


店員「さらに私も付いてきます!」


客「お前が付くのかよ!」


店員「さらに三十分以内なら私の家族も付いてきます!」


客「通販か! いらねーよ!」


店員「そうですか……」


客「こんな事でそんな残念そうな顔するなよ。それより他に商品はないの?」


店員「それではお客様。今、一億円お持ちですか?」


客「だから持ってないよ! そんなに持ってたらこんな顔してないよ! ってそんな事言わせるな!」


店員「なら十分です」


客「何が十分なんだよ!」


店員「それよりこちらをご覧ください」


客「俺の話を聞けよ!」


店員「……どうです?」


客「……ただのおしぼりウェッティーだね」


店員「いえ、気が付いたらウェッティーが押さえるゴムから外れていたおしぼりウェッティーです」


客「……うん。よくある現象だけど、こうなるとゴムに付けるのが面倒なんだよね?」


店員「それがこちらの商品、今だとなんと三千円なんです!」


客「わー凄い! じゃねーよ! だから誰が買うんだよ!」


店員「でも、今なら一等地のマンションが付くんですよ!」


客「なら買うよ!」


店員「さらに先ほどの輪ゴムも付いてきます!」


客「……てことは?」


店員「……私も付いてきます」


店員が顔を赤らめる。


客「いらねーよ!」


おわり




フル.ver


場所……お店

役……女性店員=ボケ 男性客=ツッコミ


客「お。こんな所で特別セールやってる。入ってみよ」


客、お店に入る。

ウィーンと自動ドアの開く音がする。


店員「いらっしゃいませ」


客「へぇー。結構品揃えいいじゃん」


店員「いらっしゃいませお客様。うちのお客に何の用でしょう?」


客「うちのお客? もしかしてうちの店って言いたいの?」


店員「そうともいいますね」


客「そうとしか言わねーよ。俺しか客いねーじゃねーか? それに買い物以外に何か用があるのかよ?」


店員「さぁ? もしかしたら出逢い……とか?」


店員が顔を赤らめる。


客「はぁ? 気持ち悪い店員だな。それより何かセールやってるみたいだけど、何がセールなんだ?」


店員「それではお客様。今、百万円お持ちですか?」


客「え? そんなに必要なの? 俺三千円くらいしか持ってないけど?」


店員「なら十分です」


客「十分なんかい! なら百万円って何だったんだ!」


店員「セールストークです」


客「ならやめたほうがいいよ」


店員「それよりこちらをご覧ください」


客「……これ?」


店員「はい」


客「……ただの輪ゴムだね」


店員「いえ! 机の中で気が付いたら固くなっていた輪ゴムです!」


客「……うん。よくある現象だけど、これって何でなるのかな?」


店員「どうやらお気に召されたようですね?」


客「いや、俺の話を聞けよ! それにこーなったら、この輪ゴム、ただのゴミだからね?」


店員「それがこちらの商品、今だとなんと三千円なんです!」


客「わー凄い! じゃねーよ! 誰が買うんだよ!」


店員「でも、お客様、今偶然三千円お持ちなんですよね? 何か感じませんか?」


客「何も感じね―よ! お前が上手く合わせただけじゃねーか!」


店員「いや、そんな事できる訳ないじゃないですか! そんな事できるなんて、私は神ですか?」


客「出来るよ! だって、さっき俺に聞いたじゃねーか!」


店員「そんな事より買うんですか? それとも買うんですか?」


客「どちらも買うんじゃねーか! 絶対買わないよ!」


店員「でも、今なら車が付くんですよ!」


客「なら買うよ」


店員「さらに私も付いてきます!」


客「お前が付くのかよ!」


店員「さらに三十分以内なら私の家族も付いてきます!」


客「通販か! いらねーよ!」


店員「そうですか……」


客「こんな事でそんな残念そうな顔するなよ。むしろよく売れると思ったな……」


店員「運命だと思ったんですがね……」


客「何が運命だ。運命なめるなよ。それより他に商品はないのかよ?」


店員「それではお客様。今、一億円お持ちですか?」


客「だから持ってないよ! そんなに持ってたらこんな顔してないよ! ってそんな事言わせるな!」


店員「なら十分です」


客「何が十分なんだよ」


店員「いえ、セールストークです」


客「ならやめたほうがいいよ」


店員「それよりこちらをご覧ください」


客「はぁ?」


店員「どうです?」


客「……ただのおしぼりウェッティーだね」


店員「いえ、気が付いたらウェッティーが押さえるゴムから外れていたおしぼりウェッティーです」


客「……うん。よくある現象だけど、こうなるとゴムに付けるのが面倒なんだよね?」


店員「どうやらお気に召されたようですね?」


客「だから俺の話を聞けよ!」


店員「それがこちらの商品、今だと三千円です!」


客「わー凄い! じゃねーよ! だから誰が買うんだよ!」


店員「でも、お客様、今偶然三千円お持ちなんですよね? 運命感じませんか?」


客「だから感じね―よ! それはお前が上手く辻褄を合わせたんだろが!」


店員「いや、そんな事できる訳ないじゃないですか! そんな事できるなんて、私は神ですか?」


客「出来るよ! だって、さっき俺に聞いたじゃねーか!」


店員「そんな事より買うんですか? それともやっぱり買うんですか?」


客「やっぱりどちらも買うんじゃねーか! 絶対買わないよ!」


店員「でも、今なら一等地のマンションが付くんですよ!」


客「なら買うよ!」


店員「さらに先ほどの輪ゴムも付いてきます!」


客「……てことは?」


店員「……私も付いてきます」


店員が顔を赤らめる。


客「いらねーよ!」


おわり

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