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何のチートも無しで異世界冒険飯を作ってみる

 異世界に行きそうな方は読んでみてください。

 ども、木砂こずなさんと申します。田舎の食堂に勤める、一応女です。そろそろ三十になろうかと言うところでトラックに跳ねられてお約束の異世界転移してしまいました。チートは無いようです。神様にも会えなかったし。何故か言語は分かるみたいですけど。


 うーん、トラックは痛かったので魔法陣で転移にして欲しかったです。異世界転移と言えばトラックか魔法陣ですし。


 別に子犬や子供も助けてないし、ただ信号無視の居眠り運転のトラックに跳ねられた、…………言いたか無いけど無駄死にですね。


 トラックの運ちゃんさんごめんね。まあ運ちゃんさん寝てたから仕方ないね。企業がブラックだったんだよね。うん、分かる分かる。分かりません。私の命返せ。無理ですね。


 まあ人生つまんなかったからそんなに文句は無い。家族もみんな事故死してるし……呪われてる? 親戚もいないし友達は山登り友達はいたけどね。悲しんでくれる人が一人も居なかったら今逆に泣いてるわ。

 お約束の異世界に来れたのだし、ノーチートだけど、まあいっか。料理は作れるし。


 レシピは必要ない。親子丼とか作るくらいなら目分量で味見もしたら行ける。醤油やみりんが無い方が現実的には障害になる。この世界には多分無いな。生卵とか半熟卵は食べるのかな?


 料理は科学だから科学的な理屈が通じれば何でも作れる。

 だいたい現地の食材の味が分からんからそれを試してから色々と味付けを考えていくしかない。ぶっつけで美味しくなるはずがないから味見するんだけどね。毒味も兼ねて。


 現地人と味覚が違ったら生きてくのも難しいと思う。基本的には美味いものって体が欲してるものだからね。






 そんなことは一旦置いといて、料理するどころか目覚めてすぐに犬のような毛むくじゃらの原始人、いわゆるコボルトに襲われて走るはめになったんだけど。


 ピンヒールとか履いてたら死んでたね。有り難うジョギングシューズ。君が私のチートだよ。あ、朝のランニングしてたので化粧はしてないしジャージです。なんかね。良いんですよ。私はどう頑張っても美人じゃないし、ダサくても。芋くても。不細工でも。おい、そこまで言うな私よ。


 森を出ると親切な冒険者さんに助けてもらえた。けど下手したら奴隷に売られたりもある世界らしい。怖い。トラックの運ちゃんさん、やっぱり恨んで良い?


 それはさておき、お約束の異世界冒険者の不味い飯、干し肉と黒パンを食べさせられるようです。ちょっとかじったけどどうやら物理的にはそんなに味覚は変わらないようだ。現地人が食ってるものが自分には毒とかじゃなくてほっとした。遅効性なら知らん。どうせトラックに跳ねられて死んだ身だし色々と覚悟はできてる。そこは魔法陣転移じゃなくて良かったかも知れないね。


 でも不味い飯は嫌ですね、すぐに無精髭の汚い、顔はイケメンなおっさんが口にくわえてたスキットル、金属製の酒瓶みたいなものを奪い取り香りから酒と判断、近くにいた魔女っ娘っぽいお姉さんに水を要求したら水魔法で鍋に水を入れてくれたので酒と一対一で入れ、干し肉を漬けます。魔法あるんだスゲー。便利。なんで鍋持ってたの?


 どうやらスープを作るためのようです。ふむふむ、フライパンや金網も有りますね。スープの材料に使う予定だったらしい薬草も頂いておこう。かじってみると春菊みたいな味です。


 ちなみにお酒は蒸留酒みたいで旨味や甘味は期待できませんね。日本酒無いのか汚いイケメンさん。清酒でお肉や魚を煮込むと美味いのに。清酒は流石に無いか。清酒なら糖度も高く旨味も強いんだけどね。


 日本酒に使う米は食べて美味しい糖度の高い米じゃなくタンパク質の強い米だ。日本酒も基本的には旨味が大事なんだよね。香りや甘味、雑味の無さとか細かいことは割愛するね。日本酒は料理にはかなり向いてる。


 そう言えばみんなマイカトラリー持ってるね。中世ヨーロッパでは素手で食べてたとのたまう人がいるけど、あれ某宗教のせいだから、実際パンは今でも手で引きちぎって食べるしね。


 カトラリーはその時代には存在したし中世ヨーロッパ()世界はみんな素手で食べてたと言うのは完全に勘違いだ。事実この人たちカトラリー使ってるし。ちなみに乾麺パスタは十五世紀に生まれてる。中世ヨーロッパの人はどうやってパスタを食べたんだろうね?

 これ以上は危険ですね。


 黒パンは食べたことないんですがライ麦パンと呼ばれるパンで、酸っぱいのだとは聞いたことがあります。炙っちゃおう。柔らかく、美味しくなるかも? 酢酸の沸点は百二十度程度、クエン酸は三百度程度なので火で直接炙ると飛ぶんですよね。


 お酢にしろ香辛料にしろ火を入れると飛ぶので、つか揮発しないと香らないからね、最後に熱が下がり始めたところで香辛料を入れた方が効きますし、逆にマイルドにしたいなら火を入れます。火を入れると香りとかの揮発性の成分は飛びますからね。酢酸も高温の油なら飛ぶんですよね。

 焼けば水分が揮発し一旦は柔らかくなるしね。温度管理は料理ではとても大切なんです。料理は科学!


 焚き火があったので炙ってやります。チーズとか持ってない? 無いよね。ハイジ飯やりたかったのに。


 なんで保存食が干し肉と黒パンなのかって言えば安いからに決まってますね。冒険者は貧乏です。チーズはかなり難易度も高いし、もちろん値段も高いんですよね。あー、燻製チーズで冷たいビール飲みたいな。無いかな~。


 焚き火を隣の剣士さんの刀を借りて弱めて鍋を乗せられるように炭を配置します。剣士さんを泣かせてしまった。刀を火箸に使っちゃってごめんね。木の枝でやれって話だよね。

 すみません。木の枝を払ってお箸を作ってもらいました。お箸の方がスプーンとかよりかなり簡単ですよね。つまり冒険者が飯を食うならマイカトラリーを持つか箸で食べた方が良さそうです。


 ちょっとそこの狩人さん、なんか生肉無いですか? 狩ってくる? お願いします。


 魔法使いの美人でぼいーんなお姉さんに火の管理やら水やら出してもらったりします。かまども作ってもらえば良かったね。かまどは火力調整がやり易いんですよね。焚き火よりは。火を弱めたけりゃフライパン持ち上げれば良い。鍋は水で温度調整できる。料理は強火より弱火の方が出番多いしね。


 それにしてもお姉さん本当に良い体してるな、エルフのくせに。


 私の体に凹凸などは無い。悲しくない! 悔しくない! おばさんが泣いても可愛くない! ついでに十代の子に同い年に見られるテンプレも無い! 目付きは人を何人殺したか毎日聞かれるレベル! 今日は十五人……って殺してねえよっ! わたしゃ傭兵か殺人鬼かっ!


 さっきから水と蒸留酒とで漬け込んでおいた干し肉を薬草も乗せてから蓋をして強火で蒸します。塩気は干し肉にたっぷりだから足す必要は無さそうです。それにしても食材の限られ方が半端じゃないですね。


 狩ってきてもらったドデカいウサギを捌いてもらいます。出荷される豚くらいある大ウサギ。ウサギの捌き方も鶏肉と大きくは変わらないのかな?


 魚とか鶏を捌いたこと有るので血とかは平気ですね、私は。

 私の数少ない女友達は血が流れてると「もっと流れないかなあ」と思うらしいですけど、私は流石にそこまでじゃないですよ。密かにサイコさんと心の中で呼んでましたけど就職先の同僚に彩子さんいたんで止めました。


 大ウサギ、大きすぎて全部は運べないのが勿体ないなあ。未熟成のままでもちょっとスジ肉扱いで煮込んでも良いですね。


 残りはお姉さんに魔法で穴を掘ってもらってそこに廃棄、ついでに机も土魔法で作ってもらいました。魔法便利ってかお姉さんが便利。


 大ウサギのモモ肉に塩をたっぷり塗り込んで濡れた布を被せて放置。うーん、ロバとかいないんですかね? ロバ車の荷台に布を張って日陰を作って保存したい。


 ロバって低燃費で冒険向きだと聞いたことが有ります。いざとなれば非常食にもなるそうで。異世界に行くなら馬やロバは食べられないとダメかなって。いや、美味しくは無いと思いますけどね。ちなみに馬刺は食べたこと有ります。意外と甘くて美味しいですよ。ご飯しか楽しみが無かったんだよ。だからダイエットしてたんだし。うう、お腹回り気になる……。


 塩漬け肉は仕方ないので布を数枚巻いてバッグに入れてもらいます。臭そう。血抜きはしてくれてますね。有り難い。

 布は雨避けに張ったり包帯がわりにしたりと使い道があるので持ち歩いてるらしい。麻布だ。


 塩や砂糖は高濃度だと殺菌作用があり、細菌の繁殖を防いでくれます。ジャムとかも保存食なんですよ。まあ糖度は五十パーセント無いと駄目らしいですけど。塩度は十パーセントくらいですがカビが防げないらしいのでしっかり蓋をして下さい。カビの毒性はなかなか怖いので黒カビが生えたお餅とか食べちゃダメですよ。緑カビもペニシリンは毒なのでダメです。カビが生えたら食べない!


 本枯節やブルーチーズのカビは厳選されてるから大丈夫です。カビや菌はだから難しいんですよね~。自家製の味噌や醤油作れる人尊敬するわ。私も原理は知ってるけどね。


 お酒を作るのは禁止されてるけどぶっちゃけフルーツ酵母作っててそのままにしたら糖化したあとアルコールできちゃいます。作っちゃダメですよ? メチルアルコールとかできてたら目が潰れるし死にます。まずできませんけどね。


 ちなみに保存ができるバッグもあるけど上位冒険者しか買えないらしい。彼らは上から四つ目、Cランクなんだって。それでもかなり有望な冒険者なんだとか。みんないい人で良かったよ。危うく奴隷になるところだった。


 さて、出来上がった炙り黒パンと干し肉の酒蒸し薬草添え汁少な目のスープをいただきます。おっ、炙った黒パン、やっぱり酸味は残ってるけど割とイケる。


「薬草の苦味がめっちゃ良いアクセントになってる。塩分のバランスも良いし臭いも少ないね」

「干し肉が柔らかい……黒パン炙ったら美味い…………」

「魔法使いで良かった」

「俺の酒……」


 剣士さんは気に入ってくれたようです。イケメンはうるさい。魔法使いさんは万能です。あなたが私のチートか。


 狩人さんは柔らかいと言ってくれたけど明らかに戻し時間足りてないね。私は不満だ。丸ごとなら多分数時間戻さないとダメだね。あと炙り黒パン意外と美味い。


 まあ干し肉は薄めにスライスして有るものをそのまま酒漬け、酒蒸ししてちょっと水を足してスープにしたので元ほど硬くはないけどね。酒の効能とかは前世と変わらないようだ。塩味は調整したけどやはり熟成だけは進んでるので出汁は取れたね。干し肉は調味料と考えた方が良い。


 胡椒とか香辛料とか油とか欲しいな~。小麦粉とか持ち歩かないのかな。雨が降ったら台無し? 防水性高い袋とか無いのかな? 動物の胃袋を袋にしたりさ。

 色々と言葉が通じてるけど物が同じかは調べて行かないとな~。


 とりあえず手持ちで満足できる料理はとても作れない。熟成してある肉は数日置いて表面を削ぐ、いわゆるトリミングしてから調理したい。すぐ食べれないのか、と文句は言われたよ。もちろん熟成してなくてもハンバーグとか方法はあるけど、大して美味しくはできないだろう。獲り立ての肉は硬くて旨味も少ない。

 乾かさないように置いておけば細胞内の酵素によってタンパク質の分解が進んでアミノ酸が生まれて絶対に美味しくなるから。常温なのでそんなに時間はかからないしかけられない。まあ町まで4日らしいから三日は置いておこう。

 この際に気を付けなくてはいけないのは菌の増殖だろうが対策は取ってある。塩漬けにしたのがまず一つだ。


 ご飯が終わってから汚いイケメンさんに「サン、うちのポーターになんない?」とか誘われたので、面白そうだからやることにしました。ポーターは荷物持ちのことですね。元々山登りが趣味の健脚だしこの世界に来てから更に強くなってるので向いてると思う。


 このイケメンさんは探索者と言う、ゲームで言うシーフと剣士を足したみたいな職業らしいです。名前……覚えるの苦手なんですよね、すみません。横文字は勘弁して下さい。

 まあヒゲさんと呼びます。他は剣士さんとお姉さんと弓男さんで。何故か泣かれました。私のネーミングセンスの素晴らしさにそんなに感動しましたか! ヒゲさんと呼ばない優しさよ!


 私は、しばらくポーターとして荷物持ちです。前世で少しでも鍛えていて良かったな。山歩きも好きですし。ボッチなアラサー女は山に登る動物なんです。山ガールですよ。ガールじゃないですかすみません。畜生。

 ボッチアラサーなんだから山登ったり釣りしたりしても良いよね!


 お互いに口が悪いのでお姉さんと仲良くなりました。このお姉さん見た目十代なのに四十過ぎらしいです。金髪に緑の目でエルフさんらしいですね。弓男さんもエルフさんでヒゲさんと剣士さんは普通の人間です。服は皆、洋風ですが剣士さんは刀を持ってますね。こちらは汚くない清潔なイケメンさんです。

 ヒゲイケメンさんが泣いてますね。そんなに仲間を褒められて嬉しいのかな? 仲間思いですね。帰ったらヒゲを剃るらしい。ヒゲか無くなったらリーダーですね。他に特徴無いし。ヒゲなしだとなんか花みたいだし。ひなげしリーダー。


 しかし食材が少ない。初見でウサギの骨を炙ってスープ試してみたけど出汁は出てない。草の臭いするし。これは煮込む時間が足りなかったね。臭みを飛ばして旨味だけを出すにはひたすら煮込まないとダメだよね。旨味が強火では砕けてしまうのでひたすら弱火で数日煮ないとダメだ。私はラーメン屋じゃないし冒険者がそこまで我慢はできないだろう。ラーメン屋でバイトしたことならあるけどね。あとケーキ屋とお好み焼き屋。定食に、もとい定職に就けって話だよね。


 急遽干し肉も削って麻布で巾着にして出汁パックにしました。せめてこの干し肉が燻製ならもう少し美味しかったのに。ただの干し肉って有るんだね。塩漬けの効能では有るんだけど。


 しかし出汁の概念もちゃんと通じる世界でなんとかやっていけそうだ。さっきも言ったけど味覚が異世界人と違ったらそれだけで命の危険がある。


 とりまウサギの残り肉のソテーも足しておくか。小麦粉ヨコセ! バターは重いから私はオリーブオイル派だ。


 お姉さんと帰ったらパーティーハウスで燻製作りしよう、と言う話になりました。色々と保存食作って冒険者用の料理を模索しないとね。

 私は、木砂傘はこれからこの世界の冒険者なんだから。味覚も通じるようだし、実は少し楽しみです。


 三日目、ウサギ肉を慎重にトリミングしていきます。

 肉の表面の菌が繁殖した危険な部分をナイフや包丁でこ削ぎ取る、これすなわちトリミング。お姉さんに追加で浄化もしてもらいました。魔法半端無いって!


 トリミングしたまな板は菌で汚れているのでそのままは使わないで、続きはもうひとつの別のまな板で捌こうね。包丁も洗うか換えよう。そのまま使うとトリミングした意味無いからね。

 トリミング用のまな板は消毒して洗ってから干しておきましょう。

 結局ご飯は病気との戦いだよね。魔法があるからかなりマシだけど浄化魔法も万能じゃ無いそうで。


 熟成ウサギ肉を……ステーキにするかな。油無いから脂の乗ってそうな臭みの少ない動物を獲ってもらってその脂を料理に使ってます。腐らないように気を付けないとね。瓶詰めのラードとか欲しいなあ。脂は酸化が怖いんだけどね。酸化した脂はくそ不味いよ。


 熟成ウサギ肉をフライパンで、しっかり弱火でじっくり焼いて、塩と酒。酒は肉を柔らかくして臭みは飛ばしてくれる。あ、もちろん小さい肉片を先に焼いて味見は済ませてる。一回は味見しないと料理に使えないよね。それにそこから最終的な味が想像できないとオリジナルレシピは作れないよね。


 ぶっちゃけささみを日本酒と水と塩で茹でるだけで美味いよ。皿に盛ったあとで胡椒や山椒を掛けても良いね。酒で煮ると柔らかくて美味しいよ。


 今はまだ胡椒もガーリックも無い。調味料も野菜も肉も魚もだけど、日本には在ってこっちには無いものもあるだろうなあ。逆もしかり。


 とりあえずなんか野菜欲しいわあ。そうぼやいたら狩人さんがキャベツのお化けみたいなのを捕まえてきてくれました。狩人さん有能!


 試食するとそのまんまキャベツでした。植生とか良く分からんな。レタスないんかな。魔物キャベツって動物なんだろうか? 栄養価は? 毒は? 大丈夫らしい。食べ合わせもないみたいだ。

 毒はある程度浄化できるらしいし……あとは虫が無ければ大丈夫かな。それも浄化できるそうだ。洗う手間が省けて助かるし、土臭さも取れるぞ。


 さてウサギの塩焼き実食です。


「うむ、魔物ウサギの肉は良く食べているが今までで一番美味い。柔らかくて香りも活きてるし旨味も強く、何より塩加減が良い」

「うん、故郷の飯より美味い」

「うわー、ワイン欲しい!」

「中らないか? 大丈夫なのか?」


 剣士さんはいつも評論家のようだ。狩人さんエルフなのに肉食らしい。お姉さんはお酒が好きなのね。帰ったら二人で飲みに行く予定。ヒゲは無粋だね。トリミングしてるから中るなら腐って肉色が黒くなってるから分かるよ。腐ってなくても血色が抜けてちょっと黒くなるんだけど、臭いとかでダメそうなら食べない!


 せっかく熟成して旨味が増した肉なのだから懸念なく味わってほしいよね。昔は釣った魚の熟成とか何度も試したなあ……。熟成すると美味しいんだけど香りや食感の管理は難しいんだよね。熟成は修業だよ。


 こんな感じで異世界最初の冒険は終わった。私はジャージで乗り越えたぞ! ちなみにお姉さんが浄化してくれたので綺麗です。私も死んでから生き返ったアンデッドなので浄化はヤバいかと思ったけど大丈夫だった。


 復活はアンデッド扱いじゃないのか。……だが、性根が腐ってるのは浄化してもらえなかった。お姉さん本人の腐った性根も不治の病らしい。性格アンデッドは神にも見放されているんだっ、て、やっぱりこのお姉さん面白いわ。


 お姉さんと今後の予定や予算について話し合いました。服はジャージが良いなあと思ったので靴と一緒にお姉さんの馴染みの服屋さんに持っていき作ってもらう事に。ライセンス契約してもらえました。助かるぅ。素材は知らん。多分ナイロン。


 靴下や下着もめっちゃ見られました。相手が良いお年のお姉さんだったからまだ良かったけど。ちなみに私、頭には麻のタオルを巻いてます。多分無人島でも暮らせます。とったどー。


 服はなんとかなったので私の仕事の料理に使えそうな物を探しに行きます。チーズとか有るかな?

 この世界の保存食は塩漬けが多いですけどポーションとかも有るくらいだから瓶詰めも有るらしいです。でも冒険に持っていくにはまだ高いみたい。じゃあ作れば良いじゃん。


 瓶を、多少高いけど再利用できるしたくさん買っておきます。キノコのオイル漬けとかも作れそう。二、三日の旅なら生物なまものも行けそうだし、実は牛乳や卵は生で食べなければ割と常温長時間でも保つらしい。でも卵は割れないように保管するの難しいかな? マヨネーズは、食品添加物山盛りの地球のマヨネーズじゃないからすぐに悪くなるだろうね。防腐作用はお酢と塩任せかな。


 瓶詰めは酢漬け(ピクルス)とか、野菜を中心にしたいね。キノコとかは狩人さんが安全だと分かってる範囲で採ってきてくれるそうだ。頼もしいね! こっちは油で漬けたいんだよなあ。


 あと、お米もインディカ米みたいな長粒種だけど市場に在った。これで勝てる! 何に? 多分異世界に!


 私の装備は火箸と包丁を何本か。武器の代わりにも使うつもりだ。初心者に短剣は難しいけど懐に飛び込んだら短剣は良い武器なんだって。まあ包丁なんだけどね。滑り止めは着けてもらったよ。それに私どうせ荷物持ちだからね。戦いません、勝つまでは。

 勝ったら料理と荷運びと言う戦いが始まります。もちろん調理用の包丁と戦闘用の包丁は別だけど、なんか包丁って怨念が籠りそうだから私の武器には良いかなって。怨念がおんねん。寒いギャグなら負けないぜ!


 服はジャージだしあとはタオルを何本か。トイレとかどうするんだろう?

 一応穴を掘って埋めるらしい。スコップを渡されたので武器にしよう。ちり紙も有るそうで良かったよ。紙が安いって幸せだね。紙や水場がなかったら悲惨すぎる。


 キッチンペーパーに使えそうな厚いしっかりした紙も買っておく。ちなみにお金は四日間の料理代で材料費は抜きで、少し少な目でもらってある。でも四人分だから四かける四かける二食、三十二かける例えば五百円なら一万六千円くらい? 小さい銀貨で五枚もらった。


 色々と買うには足りないけどジャージとシューズと下着のライセンス料を幸いもらえたからね。最初の契約料がその三十倍くらいもらえたので全く問題はない。大きい銀貨で十五枚。あとは材料費もリーダーヒゲさんからもらってあるし。やはり靴がチートか。

 どうでも良いけどリーダーヒゲって呼ぶとかっこ良さげだね。


 最後にお姉さんと飲みに行く。ミノタウロスの煮込みとワインを楽しんだ。ミノタウロスはお姉さんたちも狩ったことがあるそうだ。オークとかミノタウロスの肉は良い値段で売れるらしい。魔物は色々と美味しそうだ。


 ミノタウロス肉は意外に柔らかかった。魔物の肉は柔らかいようだ。この先未知の肉と触れ合えるのが楽しみだね!


「やっぱり美味しいのを食べるなら海の魚系の乾物は欲しいなあ」

「海に行きたいの? 良いわね」


 どうやらダンジョンに行く前に海で乾物を作ろうと言う話になった。海まで馬車で四時間くらいで行けるらしい。やっぱり人の町は海際から発展していくもんね。流通も水があった方がやり易いしね。


 翌日、旅の準備を整えていざ出発! フットワーク軽いな冒険者。近いんだけどね。


 今日は海辺で一泊して、市場調査したら赤身の魚を鰹節にするつもりだ。ちなみに燻製は脂の少ない肉や魚を使った方が美味しい。昔、ブリを熟成してみたら食べられないほど不味くなったことがあってそれ以来脂の乗った魚は早めに食べている。脂は熟成すると酸化するんだよね。薫製なら脂は落ちるからいけるのだけど。ちなみに赤魚や鮭は白身魚だ。どっちも赤いのに! ちなみに赤身と白身の差はヘモグロビンやミオグロビンなんかの色素タンパク質が多いか少ないからしい。多いと赤くなる。鮭の赤色はアスタキサンチンだそうです。


 あと、本枯れ節はカビを使うので当然私には作れないが、荒節は燻製の施設があれば作れる。一時間煮込んだ後で成形して一日三時間燻製して、一週間繰り返すんだったかな? 一度試してみたいよね。ちなみに三時間で休ませずに一気に一日燻製しても硬くならないらしい。高温では酵素が壊れるから熟成はしないよ。


 さて、今回の旅はご飯作る必要ないんだけど、みんなのパーティーハウスで泊めてもらってるのでそこでの料理とか掃除洗濯は私が受け持つ事にした。戦闘でも役に立てないだろうし、これくらいはしないとね。


 昨日は魔物ウサギの熟成肉を唐揚げにしたら受けたよ。お酒に合うからね。胡椒やにんにく、白い小麦粉もちょっとお高かったけど買っておいた。パーティーの帳簿も私が付ける事にする。計算は得意だしね。予算は装備代、家具代等を八割置いておき、あとは美味しいものが食べられたらそれで良いと言ってくれた。まあこのパーティー稼ぎが良いからそんなに使わなくても行ける。香辛料も昔は金より高いくらいだったそうだが今は安くなってるそうだ。


 クミンみたいな香りのスパイスとかは薬屋さんに置いてたけど。全部嗅いでどの程度で毒性が出るか詳しく聞いたけど、どうやら香辛料で使う量では問題は無さそうだった。

 つか香辛料の名前も翻訳してよ。花椒とか八角があったらビビるけど。中華版ミックススパイスの五香粉作っちゃうよ。


 駅から乗り合い馬車で移動。盗賊も魔物も出てこないね。まあ旨味がないし、この短い道じゃ、どちらもすぐに騎士に見つかって狩られるらしい。

 途中に村があったけど馬車はそこをスルー。まあ大きい町まで片道二時間だしね。

 馬車はやっぱりかなり揺れる。酔わない体質で助かったけど、変に力が入るので身体中が痛い。お姉さんに回復してもらいます。お姉さんもなんでもできる人だね。


 しばらく走っていると、風の匂いに磯の香りが混ざり始めた。魚が大好きな私は凄く嬉しい。あー、魚をダンジョンまで運びたい……。


 ダンジョンの中に魚が出現するエリアが有るらしいので釣竿を持っていくことにしよう!

 海でも釣りしたいね! お姉さんが氷作れるから丁度良く熟成できそうだ。まずは市場調査だけど。


 宿を取ったら皆でぞろぞろ市場に向かいます。人がかなり多い! 賑やかだあ。高温多湿のアジアンマーケットな感じ!


 まずは冒険者ギルドで私の冒険者登録とパーティー登録をします。パーティー名は金月の群狼と言うらしい。カッコいいね。これで私も正式に冒険者ですね。さあ、テンプレさん、いらっしゃ~い!


 残念ながら絡まれるイベントとかは無いようです。まあ良い年したパーティーだし、余所者なんて冒険者なんだから当たり前だし。私一人なら絡まれそうだけどね。奴隷に売られそうだし。

 一人で出歩くのはよそう。


 さて市場です。やっぱり活気あるう。蟹とかもたくさんあるね。エビチリモドキ作ろうかな? トマトもあるし、有り難い。ケチャップの瓶詰めを作ろう。砂糖もあるね。


 ダンジョンで必要なのは調味料だろう。あと、火は使っても問題ないらしい。深いダンジョンだと底にガスが溜まったりしそうだけど、ダンジョンの壁が換気してくれるそうだ。まあそうでもないと火の魔法使いが戦えなくなるよね。そもそも人間が呼吸できなくなる。ダンジョンの中は灯りも有るそうで楽しみだ。


 おっと、昆布売ってるからこれも乾燥させよう。鮮度が落ちるのが心配なのでこっちで加工できないか聞いたら今の宿で加工させてもらえるらしい。一週間泊まり掛けで加工することにしよう。その間パーティーメンバーは魚釣りするらしい。そっちも楽しそうだ。


 鯖や鯵みたいな青魚がいれば水煮を作っておこう。湯煎するのとオイル漬けするの両方試してみよう。味付けして保存するのもありだ。


 保存食の歴史としては次はフリーズドライとかになるけど、流石にフリーズドライの方法はぼんやりしか知らないなあ。乾麺パスタは十二~十五世紀には有ったそうで、この世界にも有ったよ。蟹クリームパスタをダンジョンで! 良さげっ! 蟹味噌をダンジョンに運ぶ手だては無いものか……。


 マカロニも十五世紀頃にはできていたらしい。グラタン食べたいなあ。チーズがあれば容赦なく作るね。太るけど。


 ドリアって日本のレストランでフランス料理人のスイス人シェフが作ったとか聞いたことが有るなあ。どこの国の料理やねん。日本料理ですかね。


 中世の当時にフォークなんかのカトラリーはヨーロッパでは使われなかったとか言われてるけど、これは某宗教の影響が大きいので、その宗教がない異世界では普通にカトラリーは広まっているようだ。そもそも時代進行が地球とは大違いな訳だけど。


 トマトやジャガイモも文明圏に無いとは限らないもんね。何故大航海時代に渡る異大陸にしか胡椒やトマトが無いのか、異世界なんだからそっちの方がおかしい。そもそも遺伝的には全く違うものだと思うから逆に胡椒もトマトも存在していない可能性も有るけどね。異世界だし。ここでは両方有った。無くても何とかするけどね。


 熱々のスープパスタを素手で食えと言われたらその手をグーにして言った奴の顔面殴り抜くよね。火傷するわ。なのでスプーンは早くから有ったそうだ。フォークも難産だったようだがパスタを食べるならフォークだよね。


 パスタはすすったらダメですよ。日本なら気にしないけどイタリアでやると殴られても文句言えない。郷に入ったら郷に従おう。私が入ったのは異世界だけど。あと音を立てて物を食べる人は私的にはNGです。やめてね?


 金属製品は中世の当時、高額だったので使われなかった側面も有るらしい。銀食器なんか明らかな贅沢品だよね。ヒ素に触れると黒くなるから暗殺を防ぐために銀が使われたとか理由もあるんだけど、一般に出回るはずも無いか。そもそも一般人をヒ素で暗殺しても仕方無い。現代なら保険金あるけどね。やめろ。あっさりばれるから。バレにくい毒もあるけど教えない。殺人教唆になるからね。


 この世界では冒険者も金属のカトラリーは持ち歩いてるね。この世界では、金属は錬金術が有るので比較的安価なようだ。

 素手でなくて良かったよ。まあ素手で食う方がおかしいけどね。某宗教は本当に罪だよ。言わないけど。

 熱々のを清潔に食べたいのに素手は無いわ。料理の適温は六十度くらいだと個人的には思う。熱いの苦手。百度超えると味も分からないしね。

 それに素手は無理だわ。





 さて、鰹節は燻製中だし昆布も煮干しも乾かしてるので、釣りに行ってる皆に合流しよう。私、釣り好きです。お魚が安価に食べられるからね!


 今回は大物狙いの磯釣り班と防波堤で鯵や鯖のような小型青物、メバルやカサゴのような根魚を狙う班と、砂浜でハゼやコチ、キスを狙う班と、舟釣りでレアな大物を釣り上げる班で別れているらしい。

 どうやら他の冒険者も巻き込んだみたいだね。期待されてるのかな?


 ああ、私は魚料理は大得意。もうこの世界の人たちの味覚は私と変わらないのが分かったし、作るよ!


 鯛の仲間を蒸し焼きにしてカレーをかけたりオコゼモドキを唐揚げにしてリンゴソースかけたりコチを水炊きにしたりハゼの天ぷらも作るよ!

 楽しいー。やはり魚は良いね!


 ここまでは前哨戦でしょう。と、言うか私が好きなものを食べます。皆ドン引き。でしょうね。


 お刺身を引きました~。醤油は無いけど魚醤と、山葵(わさび)が無いので辛子を使います。山葵と辛子の辛味成分は同じだし、魚醤も魚臭いのですが魚を食べる分には気にならなかったりします。魚が魚臭いの当たり前だし魚醤の旨味成分は当然魚に合いますからね。


 多分受けないだろうと思ったので一人で食べてたらヒゲなしリーダーも素手で醤油と辛子付けて食べました。おい、辛子素手でつけるな。


 おお、リーダーの目が輝く。新鮮な脂の乗った魚は最高に甘くて美味しいからね。ただ海際はそうでもないけど魚を生で食べる風習は多くの国にはない。


 食べたことの無いものの味の評価は難しい。だから私も奨めないしね。


 だけどヨーロッパでも海際では生魚食べる地域あるんだよね。

 アメリカ人とか大陸だから内陸部の人が魚に触れてなくて食べられない面は大きいんだよ。流通の進んでる現代の日本人ですら内陸の人はウニとか食べられないしね。


 もちろん好きな人は好きだ。リーダーは刺身が良いと感じたらしい。寿司も作ってあげようかな? 手まり寿司なら麻の布があれば作れるし。麻布が無いなら植物繊維の布を使えばだいたいあってる。


 異世界で刺身や寿司は冒険だよね……。ただ、当然不味いはずがない。包丁の入れ方が雑だと舌触りが悪かったりするし料理初心者にはおすすめはしないけどね。私は普通にお刺身引けますよ。


 繊維を潰さないのは包丁の使い方の基本だよね。玉ねぎを微塵切りにしても私はあんまり涙出ないんだよね~。細胞を潰さなければ大丈夫。


 リーダーが刺身を食べると他の冒険者も冒険好きな人たちだからガンガン食べた。宿の女将さんが新鮮な魚釣ってこいと冒険者たちに蹴りを入れる。凄いな、異世界人パワーありすぎ。


 釣ってこられた魚を全部刺身に引いてみたが白身だろうと赤身だろうとイカだろうと貝だろうと皆チャレンジする。それでこそ冒険者だよね。貝は中りやすいから気を付けろ。私の母は好き嫌いがないのに牡蠣は壮絶に中ったらしく食べられなかった。

 つか料理したこと無いなら扱ったらダメな食材だよね。生卵以上に貝類は毒素の管理は難しい。

 まあ最初に毒味してる私が一番ヤバイけどね。あとは自己責任とは言ってある。


 魚介系乾物をしっかり蓄えて、若干海辺の料理に影響を与えて、私たちは本拠地の町に帰る。


 ここはダンジョンのある冒険者の町なんだよね。これからいよいよ、私のダンジョン料理が開幕です!


 食材を山のように持って気付いたけど、この世界に来てからかなり体が丈夫になってるみたいだ。助かる。

 なので牛乳とか料理酒はかなり持ってきたよ。ガラス瓶が割れないように布も敷き詰めました。牛乳は新鮮なうちに消化せねば。まあ熱したらかなり長時間使えるんだよ、牛乳や卵は。


 いよいよ、ダンジョンだあっ!


 とは言うけど、ダンジョンで最初。スライムゴブリンコボルトコウモリ。特別な食料は出てこないね。食料ではないね。

 食おうと思えば食えるけど率先して食うネタではないね?

 スライムを湯引きして湯葉や白滝のように使えるなら引っ捕まえるけどメイン食材では無いからね。

 コボルトはめっちゃ臭い。昔路上で狸に遭遇したことがあるけど超臭かったんだよね。どうやって野生で生きてるんだろう?

 臭いから食べられないのかな?


 まあスライムを白滝にして私たちはダンジョンを進む。

 海鮮鍋うめー。つかダンジョンで海鮮鍋とか初めから飛ばしすぎな感有るなあ。リーダーが私をポーターにしたことを評価されていた。良かったねリーダー。


 さて、ダンジョンで飯を食うのに一番大変なのはなんだろう。熟成期間を置けないことだろう。

 生肉をその場で焼いてもそうそう美味くならない。


 そこで必要なテクニックがマリネやソミュール、すなわち漬け汁でーす。お酢は大量に持ってきたし油もね。

 体力の尽きかけた冒険者たちに脂とタンパク質を、すなわち底力を与えよう!


 揚げてしまえば酢は飛ぶし、サクサクに仕上がる。

 最強のダンジョン飯、天ぷらでーす!

 味付けはお好みで! 山椒と塩のシーズニングスパイスからフレッシュケチャップソースからマヨネーズまで!


 いや、ダンジョンなんだしここまでしたら十分かもね。彼らが求めるのは美味しい上に力のつく飯だ。


「美味い。そう、ダンジョンでこの言葉を呟くのは初めてだ」

「俺は漁師になりたい」

「お酒開けても良いよね? うわー、白ワインまだー?」

「美味い。美味い……」


 天ぷらで割と高評価だ!

 まあダンジョンで食べるご飯ではないと思うけどね。油を持ち歩くの大変だしね。

 つかリーダー初の高評価だな。

 ちな、白ワインは出しておく。調味料のつもりだったので全部は出せないけどね。





 私たちはダンジョン最深部まで潜ることに成功した。なんか私のご飯を食べるとバフ(各種能力強化)がかかるらしく、みんな凄まじい勢いで進軍してきた。罠に掛かっても素でぶち抜く。


 ダンジョン最深部にはヒュドラがいたんだけど、みんなヒュドラがどんな味かなあとか、スッゴいのんびりしていたよ。


 私たちはダンジョンを攻略した。うん、私のご飯が彼らを一流パーティーにしたらしいが、私は大したことはしていない。


 お姉さんとか狩人さんとか剣士さんに壮絶に評価されたけれども、まあ、私にできたのは料理だけだ。


 リーダーに、求婚されたけど。うん、まあ、良いよ。

 こんな料理しかできないポーターに惚れるとか、損したね?


 最初はノーチートかと思ってたけど割とチートだったのかも知れない。





 色々研究した結果を書いてみました。意見がたくさん欲しいです。

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