月殺物語(超短編小説)
...月音、俺の妹だ。「私、いつか月に行ってみたい」っていつも言ってたな。
その願い、かなったのかな。あんな形で。それとも、まだ俺の近くにいてくれてるのかな。
...きっと、あんなに月に行きたがってたから神様も行かせてくれてるよなぁ。
「そろそろ、夕飯にするか」
「いただきます」
「ほら、今日は月音が大好きな月形オムライスだ。」
「やったぁ」
かすかに思い出が蘇る。
月音。絶対あいつを殺るからな。
それがお前のもう一つの願いだろう?
虐待でお前を殺した、「屑」を。
今屑らは外にいるはずだ。
...よし
「うふふwww 月音は元々、生意気だったからあたしたちに殺されたのよ、ねぇw」
「そうだよな...w 高校生とかなんて糞餓鬼なんだよなw」
「父ちゃん、母ちゃん」
「あぁん?一人で飯食ってんじゃねーよ。あたしらにも食わせろや。」
「残念だけど、父ちゃんたちはもうGAMEoverだよ」
「は? 何を言ってるんだ。それが親に言うことか?」
そのとき思った。殺すとか娘にやる行動か、ってな
「調子に乗ってると...殺るぞゴラァ?」
ああ腹立つ。これはザクッと殺るしかねぇな。
「反省しろ、糞爺と糞婆」
ナイフを刺した瞬間、悲鳴。あー面白い。逆襲って楽しい...
「オノレ...糞餓鬼...っっ」
月音、糞爺らをしっかり説教してやれよ。
俺はまだそっちには行かない。一緒に虐待してた婆友(ママ友)とか近所の奴ら殺らねーといけないから。
それに、お前の分まで生き続けなきゃな。糞らの分まで生きる義務はねーけど。んじゃ、殺ってくる。
「兄ちゃん、ありがとう。高校生活、がんばってね。うふふ...」