エイミーの決意
ーーエイミーとアベルは、街の高台の上の
小さな芝生の広場に空を見上げながら横になっていた。
エイミーはまだ涙を流していた。
アベルはエイミーの涙に濡れた手を握った。
そんな二人が見ていた同じ夜空の景色は、
億千の星々が満天に散りばめられていた。
「エイミー………大丈夫かい?」
アベルは隣で横になって、星空を見ているエイミーに
聞いた。
「本当にありがとうね」
エイミーはアベルに顔を向けるとお礼を言った。
エイミーの目は赤く腫れていたが涙は止まっていた。
「そういえばアベルさ、あの怪物と戦った時
何をしていたの?
亡くなったお兄さんから貰った力ってどういう事?」
「まぁ、なんて言うんだろう………
錬金術には『概念』を錬成する術があって
その概念の事を"アミュレット"って言うんだけど、
それを肉体に付ける事が出来るんだよ
その"アミュレット"があれば人間離れした力も
扱える様になるんだよ。」
「アベルはそのアミュレットを
お兄さんから貰ったって事?」
「そう!ちなみに僕のアミュレットは、
物質の操作をする力なんだ。
あの時は空気を凝縮させてその塊を
投げていたって事なんだよ!」
「そんな大事な話、バラしてもいいの?」
エイミーは気になって聞くと
「エイミーだからいいんだ!
だからこれは誰にもナイショだぞ!」
アベルはそうエイミーに笑って答えた。
「………アベル!
あのさ………この街には何時まで居るの?」
エイミーが突然そんな事をアベルに聞く。
「そーだなぁ………"賢者の石"はこの街には
無さそうだし、明日の昼頃には出発しようかと思う!」
「アベルのその旅に、私も付いてっちゃダメかな?」
「えっ?」
「だからっ!付いてってもいい?」
エイミーが繰り返しアベルに言う。
「僕もエイミーとずっと一緒にいたいけど、
本当に何処にあるかすらわからない物を探してるし
いろんな危険もあるん………」
「付いてってもいいっ!?」
アベルが話しているのにエイミーはそれも聞かずに
そうアベルに聞き直した。
「宛のない旅だけどそれでもいいの?」
アベルは付いてくと言い続けるエイミーに問う
「私こう見えても、医者の卵よ?
きっとアベルの役にたてると思うわ!
………恩返しもしたいしさ。」
「じゃあエイミーも手伝ってくれっ!」
寝転んでいたアベルは起き上がると
隣で寝転んでいたエイミーの方を向きそう言った。
それからエイミーの病院に戻り
エイミーはすぐに旅の支度を始めていた
アベルはイスに座ると、少し眠る事にした。
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