残酷な真実と優しい嘘
「アベルっ!!お願いだがら………。
どうざんを殴らないでぇぇぇっ!!」
エイミーはたくさんの涙ボロボロとこぼしながら
アベルにそう言った。
「目を覚ませっ!!エイミーぃっ!」
そんなエイミーに向かってアベルはそう叫んだ。
「いいか、命ってのは一度きりだ………。
そいつの失くし方がどうであれ
それはいつまでも不変の真理なんだっ!」
アベルはそう泣きじゃくるエイミーに近づくと
抱き寄せ、抱きしめた。
ーーその時だった。
エイミーの父の屍がその二人をめがけ、
襲いかかってきた。
「Grrrrrrrrrrrrrrr………。」
リビングデッドは以前は人間とは思えない様な
悲痛で苦しげな声を出していた。
しかしまた、二人の手前でリビングデッドの
動きが止まった。
エイミーがリビングデッドの方を見ると
その空間に裂け目がはしっていた。
「エイミー
この怪物は君のお父さんなんかじゃないよ。」
アベルはそう言うとエイミーをぎゅっと強く抱きしめた
その瞬間にリビングデッドは何かに貫かれた。
目には見えない何かによって。
そして灰となり消えてしまった。
エイミーは抱きしめられていた為にその瞬間を
目にする事はなかった。
エイミーはアベルの胸で泣いた。
涙もでなくなるほど泣いたのであった。
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→@k_narouofficial
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