リビング・デッド
ーーアベルはエイミーと朝ご飯を食べ
その後エイミーの家を後にした。
「そういや"賢者の石"を探しにこの街に来たんだった!」
アベルはとりあえず、街の人に色々
聞いてみるが特に情報は仕入れられず
街の中央錬金書館に言ってみることにした。
「うっわぁ〜さすがアララト………
馬鹿でかい図書館だ………。」
ーーそれからどれくらい時間がたっただろうか。
アベルはそこで何冊も何冊も
"賢者の石"の書籍を読み漁っていた。
すっかり太陽は空からいなくなっていた。
しかし、直接的な情報に結び付くような物は一切無く
山の如く積み上がったそれらの書物を元の場所に
戻していた。
「こいつはここで
これは〜あそこかっと………。」
するとアベルは本をしまった隣に
『姓名概念の操作』についての書物を見つけた。
ふと、エイミーの事が頭をよぎった。
「エイミー大丈夫かなぁ。
泊まるとこも無いし………もう一泊させてもらえるか
聞くついでに様子見に行くかっ!」
アベルはそう決めるとさっさと書物を片付け
エイミーの居る廃病院へと少し小走りで向かった。
そして図書館から街の大通りに出たその時、
突然 アベルは高い錬成反応を感じ取った。
「………まさか本当にやってるのか?」
アベルは全速力でかける。
街灯や歩く人々が前から一気に後ろになる。
ーーエイミーの廃病院の前についた時だった。
「キャァァァァァっ!!」
エイミーの悲鳴が病院の中から聞こえた。
「エイミー!!」
アベルはそう叫ぶと悲鳴のする部屋へと向かう
エイミーの部屋の扉からは以前の様なランプの
優しい光は漏れてはおらずにそれどころか
黒い色の光が漏れていた。
「あの時と………同じっ!」
アベルはそのドアを開ける。
その先には血で描いたセフィロトの樹の上に
完全に理性を失ったエイミーの父の屍が立っていた。
肉体はぼろぼろでアベルはそれを見た時に、
あの時のカインの事を思い出した。
「heeee………e…エイミー………。
何故………yo 呼び戻すぅぅぅぅぅっ!」
エイミーの父の生ける屍は
そうかすれ声でエイミーにいうと
エイミーに向かって跳びかかった。
「きゃぁぁぁぁっ!」
ガキンッッ!!
リビングデットはなぜか
エイミーのぎりぎり手前で動きを止めた。
しかし間違いなく何かしらに食いついていた。
目の前には何か見えない壁がある様な
そんな感じにもエイミーは思えた。
「アベルっ!何をしたのっ!?」
エイミーはいま目の前で起こっている状況が
理解できずに助けに来たアベルに聞く。
「これは僕の兄から貰った………力っ!!」
アベルがそう叫ぶと、
エイミーの前で動きが止まっていた
リビングデットが吹き飛んだ。
そしてアベルは吹き飛ぶリビングデッドに向かって
距離が離れているのにパンチをその場からする
しかし何故か、リビングデッドは殴られていた。
「エア・インパクトぉっ!」
アベルはそう叫びながらパンチを打ち続けていた。
その拳をくらいリビングデットは動けることもなく
徐々に徐々にとその肉体が壊れていった。
ーーしかしその時だった
「やめてっ!!」
エイミーがアベルに向かって物を投げた。
「私の………わらひのおどうざんなのぉぉぉっ!」
エイミーは泣いた
天井を見上げながらないた。
作者公式Twitter
→ @k_narouofficial
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