その男 アベル=フラメル!
ーー都市国家アララト
かつてこの街で ヘルメス=トリスメギストスという者が
"錬金術"を大成させた。 全ての始まりの街だ。
アベル=フラメルはある理由でこの街を訪れていた。
「ヘルメスが死ぬまで暮らした街だ………。
ここにならきっと必ず"賢者の石"があるはずだ!」
アベルはある宝玉を探していた。
その宝玉は"賢者の石"という物だった。
宝玉に触れた者は幾万の知恵が与えられると言われる
高エネルギーの塊の宝玉である。
そんなものをアベルは何年も何年も探し回っていた。
「ハラ減ったァァァァア!」
アベルはアララトの城壁の門を潜ってすぐに
空腹という感情しかなかった。
「とりあえず………飯くおうっ!」
そうアベルは一人で決めると飯屋にへと向かった。
そして数十分大通りを歩いていると、
活気で溢れる大きな大衆酒場を見つけた。
「ここにしよっ!!」
アベルはその酒場を見つけるやいなや飛び込んだ。
そして店のメニューを見る。
高級食材のメニューでは
大きく歯応えがあって美味なルフ鳥のフォアグラや
金色に輝く鮫 ゴールデンシャークの黄金キャビア。
庶民的なメニューでは
牛と豚両方の味がするモーピッグを煮込んだカレーや
食べれるまで十年かかる 十年わさびのタコワサなど
しかし酒場でもある為お酒の種類も豊富だった
誰もが酔いしれるバックスビールのシャンディガフ
神々の酒と言われる ソーマ酒まで
流石は世界の中心地の酒場、何から何まで揃っている。
「何にじようがなァハァハァハ!」
アベルはメニューを見ただけでヨダレを垂らす。
「ずびまぜんっ!!」
アベルはヨダレをダラダラと垂らしながら
これまた金髪の美しいウェイトレスに注文する。
「ギガントカウのロースステーキと!
ホロホロイモのベークドポテトに
ルフ鳥の4部位焼き鳥に
バックスビールのジョッキをぉっ!!」
「はい!少々お待ちください!」
美しいウェイトレスはアベルに輝かしい程の笑顔を送る
だがアベルにはもう、食しか見えていない。
数分後、アベルの頼んだ料理が机にへと
次々と運ばれ、アベルはがっついてそれらを食らう。
「お前!見ない顔だな!
田舎からのおのぼりかい?」
アベルは口の中に大量の食べ物を入れたまま返事する
「おふぇはたふぃふぃほさっ!!」
「おいおい!何喋ってんのかわかんねぇよ!」
そう言われアベルはごくんと飲み込む。
「俺は旅人だっ!"賢者の石"ってもんをさがしてる!」
「ほほぉ〜………となるとお前はアルケミストか!?」
「あぁ!ところで最近街の変な噂とかないか?」
アベルはその男に聞くと
「変な噂かぁ〜………
あっ!!街のはずれにな小さな病院があんだよ
其処には名医がいたんだ。
そこにはアルケミスト兼ドクターの珍しい人がいてな
でもそのドクターよ………何故か突然死んじまってな
それからその病院では夜にすすり泣く声が〜………
するとかしないとかだっ!!」
「な………なんだそれ………
こっわいなぁ〜………。」
アベルは大量の飯を食べ終えると、
そのアルケミスト兼ドクターの小さな廃病院へと向かった
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