表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏表~ひょうり~  作者: 宇多川クロメ
2/3

サークルメンバー

その日俺はいつも通り部室に来た。そこには部長の成明がいた。

「おや?今日は早いんですね。幸助さん」

いい忘れていたが俺の名前は幸助。どこにでもいる普通の学生だ。

「早く講義が終わってな」

「そうだったんですか」

成明は誰に対しても何故か敬語を使ってくる。本当は俺より年上なんだ。いつの日か何故敬語なのか聞いたことあったが成明は教えてくれなかった。まぁ彼なりの事情があるんだろう。


俺は席に座りさっきの講義でメモしたことをノートにまとめることにした。他にすることもなければ成明と話す内容もない。


しばらくして、今度は広人が入ってきた。

「ひゃっはー!広人の登場だぜ!」

広人はいつもうるさい。そして、チャラい。しかし、頭は賢いらしい。見かけによらないな。

「広人さん。ちょうどいいところにきました。あなたに聞きたいことがあるのでこっちにきてくれませんか?」

「おぉ!いいぜ」

成明と広人は高校からの仲らしい。何故この二人が仲良くなったのか気になるが、俺には関係ないことだし聞かなくていいかと思っている。


しばらくして、また二人きた。

「ごめんなさい。少し講義がびいてしまって」

彼女は美香。俺と同い年で同じ高校だった。そして、大人の女性という感じである。

「いいですよ。そういうこともあります」

「ごめんね」

そして、さっきから美香の隣にいる物静かな女性は莉音。

彼女がしゃべることは余りない。必要なことしか話さないためよく俺でも知らない。


そして、最後に来たのがあの日出会った彼女。由岐だ。

由岐はなんというか…うざい

「なによ!」

「ん?」

「私がうざいって」

「そんなこと言ってないぞ」

「言った!」

しまった、口に出てたのか。これはめんどくさいことになったな。なんとかして言い訳を考えないとな

「うざいってのは由岐のことじゃない。広人のことだ」

「え!なんで!」

広人は驚いていた。悪いな、広人。

「なーんだ。良かった。」

「俺はちっともよくねーぜ」

広人は理解してないようだが、許してくれ。


まぁその後は何事もなく時間は過ぎたが部活終了間近のとき、いつもと違うことが起きた。


俺と広人と由岐以外は皆先に帰っており、帰る準備をしていたころだった。

「ちょっと私トイレ言ってくるね」

「あぁ」

由岐はお手洗いに行った。そして、今この部屋には俺と広人しかいない。

「やっほー。さぁ帰るぞ!」

「お前、今日はテンション高いな」

「なんていったって、俺に彼女ができたからさ☆」

「はあ!」

こんな女ったらしのチャラ男と突き合いたい女子がいるとは。意外だな。

「実はもう来てるんだぜ」

「は?」

「朱音ちゃーん」

俺は後ろを振り向いた。そこには綺麗な赤髪の女性がたっていた。いつの間に来たのだろうか。俺は気づかなかったな。

「さぁ帰ろうぜ」

「うん!」

純粋そうで可愛らしい女性だった。由岐とは違うな。だが、彼女には妙な感じがした。何かわからないけど嫌な感じが。


そして、二人は楽しく話ながら部室を出ていき俺は一人になった。一人で由岐の帰りを待つ。その時美香が入ってきた。

「ん?どうしたんだ?」

「忘れ物をしてね」

「そうか」

そういうと美香は机においてあったスマホを手にとった。

俺は思う。スマホ忘れるか?っと。

「ねぇ、幸助くん」

「なんだ」

「由岐のこと。ちゃんと見てあげてね」

「ん?なんだよ、それ。ちゃんと見てるだろ?」

「そういうことじゃないんだけど…まぁいいわ」

そういうと美香は部屋を出ていった。彼女が何を言いたかったなか当時の俺は理解していなかった。


そして、入れ違いに由岐が戻ってきた。

「ごめんね。じゃいこうよ」

「はいはい」


誰しも隠したい一面を持っている。だとしたら彼女にも俺が知らない一面があるってことだ。あの日彼女が泣いていた理由を今度真面目に聞いてみようか。


このときの俺はまだしらなかった。もうすでに運命の歯車が回りだしていたことに

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ