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第三章 第1話 新しい朝 (DAY 4)

 ボクたちは、交戦四日目の朝を迎えた。


 月曜日の朝は、授業中にもかかわらず、乾いた破裂音が校舎中をこだまするという、誰もが忘れられない朝になった。


 一限は国語の授業で、まだ真新しい教科書に馴染めずに、ボクは気もそぞろに授業を聞いていた。

 半分眠っていた校舎を揺るがすような乾いた音がしたのは、体育館の方だ。

 突撃銃のカラシニコフを空撃ちするような音が十数秒も続いたため、さすがに一時間目の授業は五分ほどを残して中断、自然終了となり、教師が原因を調べに体育館の方へ走っていく。

 音のしたタイミングからみて、銃撃戦ではなく、単なる釣瓶撃ちに撃っただけの緊迫感に欠ける銃声だ。


 一番後ろの窓に寄って見ると、新入生はまだ学校に慣れていないのか外には出てこず、二年生、三年生の生徒がバラバラと昇降口の方から三々五々『事件現場』に集まってきた頃合いだった。

 物見高い生徒たちが指差す先を見ると、体育館の屋根から黒いものがだらりと垂れ下がっている。

 ボクは思わず隣にいた灰音はいねに声をかける。

「なんだろうね、あれ」

「あ、あの黒いやつだよね、何か大きくなってきてる……」

 安定した灰音はいねのソプラノ声に、ボクは少し心を落ち着ける。

 遠く体育館に見える黒い光沢のある布きれのようなそれは、風に吹かれて揺れていて、徐々に大きくなっているようにも見える。


 しかし、それよりも危険な千茶ちさ灰音はいねの背後に忍び寄り、不穏な会話を始める。

灰音はいね君っ、黒くて少し大きいのって、ど、どこなのっ」

「あ、千茶ちささん、あそこっ、体育館の屋根のうえからぶら下がってるの。黒いのが、さっきより少しずつ大きくなってるみたいでさっ、ほらっ」

 灰音はいねも、その危険な実況中継を止めないと血を見るんじゃないだろうか。


「ふぅ、月曜の朝から元気なんだから、灰音はいね君ったら」

 いやいや、千茶ちさ、そのワケ分からない返事は何なんですか。

 もはや、誤解する人しか誤解しないレベルになってるよ。

「ごめん、千茶ちささん、僕、つい興奮しちゃって」

「いいのよ、灰音はいね君。男のコは元気が一番なんだから」


 ここで、また、春霞の空からいたずらな風が吹いて、少年少女の心を乱す。

「あっ、千茶ちささん見て見てっ。また大きくなったよ、黒いのっ」

「ぶふぅっ、ちょ、ちょっと、お花を摘みに行かなきゃ」

「あれ、千茶ちささん? ねぇ、どこに行くの?」

 お花を摘みにって、どこの文学少女なんですか。しかたなく、ボクは灰音はいねに意訳を伝える。

千茶ちさは、事情があってお手洗いだそうだ」

 まったく、何の事情なのか、情事なのか。


 そうしている間に、すべての教室と廊下の窓から鈴なりになった生徒が、ざわざわと騒ぎ始めた頃にチャイムが鳴り、休憩時間となった。

 休憩時間になると、昇降口から一年生も出てきて体育館とプールの間の通路は黒山の人だかりになっている。

 スマホで撮影する者、ただ物見高く出てくる者、そして、そうした生徒を押し戻そうとする教師たち。

 三年三組の教室から見ていると、京美きょうみさんと思しき小柄な白衣の女性も駆けつけて、さながら『事件』らしくなってきたときのことだった。


「おい、おかしいぞっ」

「どうして、お前っ……」

 男子の声が二つぐらい聞こえたかと思うと、プールの裏手から男子生徒が走って、瞬く間に校舎を抜けて校門の方へ向かう。

 誰も事態を把握しきれない中で、男子生徒の一人が大声を上げる。


首輪タグられた……同士討ちだっ」


 騒ぎは次第に、体育館に掛けられた黒い何かよりも、首輪タグられた一組の生徒の話に変わっていく。

 どうやら、三年一組の第六部隊チームの男子生徒の首輪タグられたようだ。


 しかも、よりによって同士討ちとはどういうことだろう? 首輪タグを誤って切ってしまうと実費負担に加えて、京美きょうみさんの不機嫌な御小言がもれなく付いてくる。ふつうなら、頼まれてもやらないことだ。

 くりかえすまでもなく、同一校区内での交戦は禁止と明確に記載されている以上、暴力や犯罪以前にルール違反で首輪タグの取得は無効になる。


 休み時間終了のチャイムと同時に校庭に出ている生徒を校内放送で叱りつける生活指導担当教師の矢名瀬やなせの怒声が響く。


 ボクが窓の外を見ると強い向かい風に煽られて、物騒な体育館の黒いビニルの布は飛んでいってしまっていたようだ。

 ボクはさっきの首輪タグが気になって、隣にいた灰音はいねに訊いてみる。

「いったい、誰が切ったんだろう」

「だよね、うちの生徒の首輪タグを欲しがる子なんかいないよね」


 灰音はいねも状況を掴みかねている中で、今日も芙蓉の顔に、柳眉を靡かせる三組の頭脳派、中押なかおさんが近づいてきて言う。

「最初の爆竹みたいな音、次に体育館の屋根から下がってきた黒いビニルの布、そして、首輪タグの切断騒ぎ……ねぇ、走っていった男子、昇降口の方に入っていったの?」

「いや、昇降口じゃない……」

 そう、ボクは言った瞬間に中押なかおさんの言わんとしていることを理解して口ごもる。

「僕も見てたけど、校舎に入らずに正門の方に走っていったように見えたよ」


 中押なかおさんが、独りごちて笑みを浮かべる。

「そうよねぇ、でも、なんとなく際どい気がするわ」

中押なかおさん、一体、何が際どいの?」

虹都こうと君、この首輪タグにはGPSもついてるのよね」

「そうだけど、何が際どいの? 誰が一体何のために、こんなことを」


「それは首輪タグのためじゃない……あとで、昼休みにでも養護教室に行ってみない?」

 そりゃ、ことが首輪タグのことだけに、京美きょうみさんに訊きに行くべきなんだろうけど、どうして、昼休みなんだろう。

 ボクは昨日の日曜日、あおいに呼び出された上、ルールブックを頭にたたき込むと称して、教本でしとどに打たれ、最後に足蹴にされるという、非日常を味わっていた。

 しかし、その代償であるはずのルールの習得が残念ながらまったくできていなかった。

 それを痛切に知らされたのは昼休みのことだった。


 昼休みの養護教室には、西條さいじょうあおいと北雲きたぐも千茶ちさにも声をかけると二人とも一緒についてきた。

 中押なかお冴朱さやか灰音はいねとボクが加わり、五人で養護教室に向かう。こうして五人並ぶと部隊という感じがする。

 しかも、交戦時間中にこうして集まって行動するのは初めてになる。

「変な感じね。なんだか先週の金曜日の続きみたいじゃない? こーちゃん、なんで京美きょうみのところに行くのよ? ひょっとして何かやらかしたの?」


 粗暴なあおいが粗暴な疑問を投げつけてくる、いや、素朴な疑問か。

「今朝の体育館爆竹事件の謎解きに行くんだって、中押なかおさんが」

「謎解きじゃないわよ、虹都こうと君。首輪タグられたかどうかの結果を訊きに行くだけなの」

 あおいがそれを聞いて胡乱げに尋ねる。

「え? 首輪タグは校内の誰かが持ってるんじゃないの?」

「そうだといいわね」

 養護教室に向かう階段を降りる途中で、ボクは駆け上がってくる男子生徒に突き飛ばされた。

 そのまま、ボクは後ろのあおいに縋りつくようにして転倒を免れる。

「ひどいなぁ」

 行ってしまったが、つぎの千茶ちさの一言でボクは驚かされた。

「今のって、一組の伊富士いふじよね。何か、こう、泣いてなかった?」

「僕もそんな気がしたよ、千茶ちささん」

「泣いてても他人を突き飛ばしていい理由になんかならないよ」

 ボクは、打ち身の痛さも加わって、少し感情的になっている。

 しかし、それ以上に感情的になっているのがあおいだ。

「こうちゃん、いつ迄しがみついてんのよっ……」


 あおいの顔が真っ赤だ。そこまで怒ることでもないでしょう。

 ボクは、ただ、あおいの腰のあたりにしがみついていないと階段から滑り落ちそうなだけなのです。他意はないのです。

 無実のボクが必死に、あおいの怒気ステータスを平常に戻していると、中押なかおさんが押し殺したような声で呟く。

「なんだか悪い結果が待っていそうね」

 節電のせいか階段以外、明かりの消えた廊下をボクたちは養護教室に進んだ。


 養護教室は相変わらず、戦場のCICよろしく端末が全国の戦況と交戦監視委員会の情報、地区戦況を流し続けている。ただ、京美きょうみさんは交戦監視員の端末を手に溜め息をついていた。

「失礼します」

 中押なかおさんを先頭に第十八部隊チームがぞろぞろと養護教室きょうしつに進入する。

 京美きょうみさんは金曜日の例の騒動のせいもあってか、ボクたちの顔を見て何だかとても嬉しくなさそうに対応してくれる。

「どうした、部隊揃って、公式戦の申請か?」

「違います、京美きょうみさん。今朝の伊富士いふじ君の首輪タグについてお伺いしたいのですが……」

「なるほど……中押なかおさん、さすがに気付いたのかしらね。私もあなたの見解を聞いてみたいと思っていたわ」

「いえ、質問しているのは私です。伊富士いふじ君の首輪タグの扱いは、紛失なんですか。それとも奪取ロストなんですか」

 あの、中押なかおさん、京美きょうみさん。周りで聴いているボクたちを置いてけぼりにしないで下さい。

 ボクがジリジリと悲鳴を上げそうになる衝動を抑えていると、京美さんがそれに応えるように言う。

「さっきね、陵日りょうじつ中の交戦監視員から常山じょうざん中第六部隊の首輪タグ取得の情報照会があったわ。取得は今朝の九時半だから、あの騒動の最中ね……交戦監視委員会の情報では、伊富士いふじ君の場合、非公式戦による首輪タグ切狭きりばさみでの取得で、記録IDは陵日りょうじつ中の第三部隊チームの佐々ささい君って子ね。ちなみにGPSによる取得場所は陵日りょうじつ中の敷地内で、佐々ささいって子も今日は一歩も陵日りょうじつ中から出ていない……交戦監視員の私としては、取得を認めざるをえない状況なの」


 京美きょうみさんはタブレット端末を脇において、ボクたちの方を見て言う。

「以上の情報については伊富士いふじ君に伝えたわ。首輪タグの喪失状況について異存があれば、証拠を添えて四月中に交戦裁判所に申し立てができるってね」


 納得がいかないような口ぶりで、反論するのは中押なかおさんだ。

「特定はできませんが……今朝の事件は、陵日りょうじつ中の誰かが本校生徒の制服を着用して、佐々ささい君の首輪タグ切狭きりばさみを持って校内に侵入したんだと思います。そして、一限目の終わりに、爆竹を鳴らし、黒のビニルを体育館の屋根にまるめて引っ掛けて伊富士いふじ君を校舎の外に誘き出して騒ぎに乗じて首輪タグを不正取得した……そうすると、京美きょうみさん、これは建造物不法侵入とか、制服不正利用の偽計業務妨害とか、ルールブックの犯罪行為には該当しないんですか?」

 中押なかおさんの言葉にボクたち四人は一様に驚いていた。ギケー、ギョー、ムボー、ガイ……中押なかおさん、お願いですから、日本語使って下さい。

 あと、中押なかおさんは自らの推論に、最後に自信のなさを付け足して言う。

「……もし仮にそうだとしての話ですが」


 中押なかおさんの話を意図的に聞き流すような感じで、話の最中、京美きょうみさんは頻りに背筋と体側を伸ばしていた。

 そして、その身体のラインを強調するようなストレッチの途中、顔を傾げたまま視線をこちらにくれて言う。

中押なかおさん、私は、仮定の話は好きじゃないの。言いたいことは証拠を揃えて言わないといけないわ。ちなみに警察庁長官の娘として言わせてもらうとね……警察は民事不介入なの。警察はあてにせずに証拠はすべて自力で調えないとね」


 途端に中押なかおさんの顔が曇る。

「……そうですね。犯罪だったら犯罪を立証する証拠が必要なんですよね。ありがとうございました……失礼します」

 中押なかおさんは勢い良く踵を返すと、チャイムの音よりも早く教室に走って行ってしまった。

 ボクたちも取り残されるまいとして、養護教室を後にするが、中押なかおさんの影はもう廊下にはなかった。


 ボクたちは、五時限目の数学に乗り気薄なので、いつもよりゆっくりと教室に向かう。

「ねぇ、こーちゃん、さっきの冴朱さやかの話、どこまで本当なの?」

 あおいの質問が薄暗い階段の踊り場に響く。

「分からない。全部仮定のお話だからね。でも、そう考えると不思議とつじつまが合うから、かなり真相に近いんじゃないかな」

「でも、どうして、GPSの記録が陵日りょうじつ中の校舎内なの? 伊富士いふじはずっと校舎の中にいたじゃない」


 もっともな疑問に千茶ちさが反応する。

「あおい、体育館の裏手って陵日の中等部の敷地とつながってるでしょう。ほら、放課後、部活のときにはボールが柵を越えたりして、よく陵日りょうじつの子に取ってもらったりしてるじゃない」

「それはそうだけど」

「GPSの測定誤差は理論上、最大五メートルって言われてるから、体育館の裏手一帯はGPSでいうと、どちらにでも入るんじゃないかな。たぶん、言ったもの勝ちで反論するほうが証拠を出さないと、その、こ……交戦裁判所? みたいなところでは認められないんじゃないかしら」

「何よ、それ。伊富士いふじには何十人という証言者がついてるじゃない。それに、あんなに高いフェンスがあるんだから陵日りょうじつの敷地には入ろうとしても入れっこないじゃない」

 すこし、声が怒気を含んで高くなったのを聞いて、灰音はいねが心配そうに言う。

「あおいさん、僕も窓から見てたから証言するよ、虹都こうとも同じだよね」


「うぅん、でも向こうにはGPSの記録っていう決定的な証拠があるみたいだし……そもそも、犯罪行為をしてはいけないってルールはあるけど、結局、それに頼るだけじゃダメなんだ。ルールはボクたちを守ってくれるんじゃない。ルールを利用する人が守られるんだ」

 ボクは中押なかおさんの推理と、京美きょうみさんの言ってた事実とを突き合わせて、今朝の事件の本質を見きわめようとしていた。

 そして、その刹那に昨日、あおいが言っていた言葉が重なる。

「犯罪行為は禁止だけど、犯罪は立証されなければ犯罪じゃない。昨日、あおいの言ってたことの意味がやっと分かったよ。立証の難しい日常犯罪は、この交戦ではルールとして禁止されていないんだ」


「ふ、ふん。今頃になって気づくなんて、こーちゃんも甘いわねぇ。でも、今度は、こっちがやり返す番よ。やられっ放しなんて、アタシが許さないんだからっ。それじゃ、早速だけど、今日の放課後は情報収集じゃなくて作戦会議ミーティングをするわよっ」

 あおいが誰を許さないのかボクには分からなかったが、みんなで話し合っておくことには一も二もなく賛成だ。

「今日の放課後も、情報教室の使用許可は取ってあるから、冴朱さやかには私が伝えておくね、あおい」

 中押なかおさんには千茶ちさが伝えてくれるらしいので、ボクたちは放課後、情報教室に集合することにした。


 放課後前のホームルームで、今日の体育館の爆竹騒ぎとその時の首輪タグ争奪戦について、担任の雁久比かりくびが話をした。

「みんなも知ってるかもしれないが、一組の生徒の首輪タグが切られた。誰がやったのかは分かっていない。そこで、誰が首輪タグを切ったのか調べたいので、もし、今朝の事件を撮影してる奴がいたら、協力してほしい。データをクラスフォルダにアップしておいて欲しい」

 特に、事件のときに伊富士いふじを撮影していた人には撮影データの提供が勧められたが、あの状況で体育館の屋根に引っ掛かっていた黒いビニルの布を撮っているならまだしも、周囲を広角ローアングルで撮影している気の利いた事件記者モドキなどいるはずもない。案の定、フォルダにアップされたファイルは、どうでもいい体育館の屋根ばかりが写されていた。


 聞いたところによると、学校側では正門に付いている防犯カメラもチェックしたようだが、走り去る人の姿らしきものが写っているだけで、一個人を特定できるほど鮮明ではなかったようだ。

 結局、常山じょうざん中学校の職員会議では悪質なイタズラとして、被害不明、容疑者不詳のまま警察に届けを出すらしい。

 これで、警察が捜査に乗り出すかと言われると、それは極めて期待薄だ。


 ホームルームの最後に雁久比かりくびが珍しく交戦についての注意をする。しかし、その表情は、余り冴えない。

「みんな、学校の敷地の端に近づくときには、周囲の状況に注意しろ。交戦上、学校が安全地帯かどうかは保証されていない。判断は交戦監視委員会のGPSが地上二万メートルから下すから五メートルぐらいは誤差の範囲だと思っておけ」

 首輪タグのロストについてはなぜか終始、語られないままホームルームは解散となった。

 まだ、決定事項ではないからだろうか。一組の方に行くと二年のときの級友が、丁寧にも伊富士いふじの動静を事細かに教えてくれる。

伊富士いふじは昼休みに早退したよ。元気無さそうにしてさ。そうそう、父親の知り合いの弁護士に相談に行くって言ってたよ」

「あ、ありがとう。それで首輪タグは戻ってきそうなの?」

「なにそれ? 伊富士いふじ首輪タグって今、京美きょうみさんが持ってるんじゃないの?」

「あ、そ、そうなんだ。それなら、伊富士いふじは何を弁護士に相談に行くのかな?」

「それは、やっぱり、実費がかかるからじゃない? 悪戯にしても度が過ぎるからね」

 なるほど、まだ、伊富士いふじ首輪タグの真相は出回っていないわけだ。道理で雁久比かりくびの発言がぼやけていたのも首肯ける。


 灰音はいねと情報教室に向かうと、もう、女子は三人とも集まっていた。

 ボクたちが席につくと待ち構えていたかのように、あおいがこう告げる。

「さあ、これで全員揃ったわね。情報収集なんて最初の三日でもう、たくさんよ。いよいよ、アタシたちも打って出るわよ。作戦会議ミーティングは五時からフレッサーですることにして、今からオペレーション・ブリーフィングをするわ」

「「えっ」」

 ボクと灰音はいねが驚いたように短く声を発するのを無視して、西條さいじょうあおいが意気揚々と常山じょうざん中第十八部隊チームの開戦を宣言した。


   


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