第1章 助っ人の憂鬱
1.
『あおぞら』北東京支部は、西東京支部のエリアと南辺を接する支部である。ここ数週間、北東京支部はバルディオール・バルカによる攻撃に悩まされ、ついにかつてスーパー銭湯があった郊外の建物に"拠り所"を設置されるに至ってしまった。
万全を期して全メンバーによる滅失作戦を敢行したものの、半数が負傷する損害を出して退却。どうにかバルカが"拠り所"に溜めはじめていたオーガを掃討することには成功したものの、一から出直しとなってしまった。それが3日前の出来事。
もうまもなく夜7時。梅雨が明けて、いよいよ日の入りが遅くなってきたため作戦開始はこの時間となってしまった。支部長の高良里美は、500メートルほど先に鎮座まします"拠り所"をにらむ。
今度こそ、バルディオール・バルカを倒し、あの黒い霧を晴らさなくては。3日後という、あえて戦力が整わないこの時を選んでリターンマッチを行おうというからには、策はある。それが、本部隣の車内で今軽く食事を終えたばかりの、西東京支部からの援軍だ。
総勢7名。そのうち1人はどうも遅刻らしく、まとめ役の女の子――優菜ちゃん、って言ってたかな――に平謝りされてしまった。まあ、今回の目玉はその遅刻した子じゃない。
光線系。今まで誰一人見たことのない、特異な系統の彼。いや、彼女というべきなんだろうか。黒水晶を破壊できるという特殊スキルもあって、実は他の支部も興味津々のようだ。
(うちが先例になって、彼、ひっぱりだこになっちゃったりして)
里美は西東京支部で先日会った、支部長である可奈の渋面を思い出した。彼の置かれた境遇――里美は逐一聞かされたわけではないが――を思えば、その表情も理解できる。彼はただでさえ学業とバイトで手いっぱいなのだ。これ以上"騎兵隊"役をさせるのは良くない結果を招きかねない。だが。
(ごめんね。隼人君。可奈)
心中での謝罪を潮に、里美は作戦に意識を集中することにした。
2.
「まったく、るいめ……」
優菜のボヤキはこれで何度目だろうか。隼人が苦笑していると優菜ににらまれた。
「まあまあ優菜ちゃん。治癒はうちと隼人君でするさかい、ガンガンいってええよ」
美紀がそう言って隼人のほうを向き、笑いかけてきた。うなずき返すと、横から双子の姉が混ぜっ返す。
「そうそう。あ、できるだけ、理佐ちゃん共々亡き者になってぇな。隼人君はうちの妹がおいしくいただくによって」
理佐はそれを聞いて柳眉を逆立てる。
「なんでわたしが戦場で後れを取らなきゃいけないのよ!」
「いや、後れ取りまくりのような……」
「ていうか、ほんまに沸点低いな。カッカする氷て矛盾してると思わへんの自分?」
いたって朗らかに、理佐を煽り始める双子の姉妹。彼女らにとって、理佐はどうもからかい甲斐があるらしい。最近よく絡んでいるのを隼人は目にしている。というか、
(この双子にとって絡みづらいのって、支部長さんくらいか?)
隼人は、携帯を取り出してすぐにポーチにしまった優菜に声をかけた。
「優菜ちゃん、もうあきらめなよ。そろそろ作戦開始だからさ」
そう言われても、優菜は納得いかない様子で虚空をにらむ。
「くそう、あのおでこめ! 今度会ったら、おしおきにデコピン30連発してやる!」
「「優菜ちゃん優菜ちゃん」」とミキマキのユニゾンが発動。
「「デコピンやのうて、包んで窒息させたりぃな」」
聞いて怪訝そうな目を向けた優菜。流して聞いとけばいいのにと思い、優菜にそう言おうとしたが後の祭り。
「「その意外とふくよかなお胸で」」
「~~~!!」
と赤面してもにょる優菜。それに合わせたかのように、理佐がびくっと痙攣する。もしかして、この間の飲み会で酔った双子にされた不埒三昧を思い出したのだろうかと隼人は推測したが、どうやら当たりのようだった。
「このエロ双子! 素面でも現れるようになったのね! 今度あんなことしたら、もう許さないから!」
「「はて?」」
ミキマキの眼が光る。キラーンという擬音すら聞こえるくらい。
「「あんなことて、なんやのん? うち、分からへんから、詳しく聞かせてぇな。隼人君の目の前で」」
「~~~!!」
おお、理佐ちゃんまでもにょりだした。意外とかわいいところもあるんだな。
隼人は眼福眼福とつぶやいて、スライドドアの取っ手に手を掛けた。車外で集合の合図がかかったのだ。
作戦が始まる。
3.
作戦は2段構えである。
まず北メンバー5人で"拠り所"に攻撃を仕掛ける。バルディオール及びオーガとの戦闘を行い、可能な限りバルディオールをオーガから引き離す。もちろんそう簡単に自らの城である"拠り所"から離れるはずもないため、『攻撃したものの、やはりかなわず敗走』つまり偽装退却を試みる。ここまでが第1段階である。
第2段階は単純。偽装退却に乗って追撃してきたバルディオールを西メンバーで叩く。それだけだ。
『それだけだ』っていっても、そこが難しい。そうエンデュミオール・ブラックは考える。そもそも偽装退却に乗ってこない可能性だってあるだろう。
(まあその場合は――)
「ブラック」と後ろにいたブランシュが肩に手をかけてきた。
「あなた、『作戦がうまくいかなかったら俺が体を張ればいい』って思ってるでしょ」
ブランシュのほうを見たブラックは一瞬だけ眉を上げ、また"拠り所"のほうを見た。ブランシュが横に並び、横目でにらんでくる。
「そんなこと、させないわ。またあんな無茶は絶対にさせない」
「そりゃどうも」
と口元だけでにっと笑って、前方の情勢をうかがう。第一陣が攻撃を開始して10分経過。今のところ一進一退の攻防を繰り広げているが、まだご本尊にはたどり着けない状態。偽装退却が間もなく始まるだろう。
その時、背後で誰かが立ちすくむ足音が聞こえた。
「「あ、アクアちゃん、いらっしゃーい」」
イエローとグリーンが出迎えるも、当のアクアはなんだか微妙な顔。それは、彼女の口から出た言葉からもうかがえた。
「あれ? まだ終わってなかったんだ」
「お前は何を言ってるんだ」
近づいたルージュが宣言通りのデコピンをアクアにお見舞いした。なおも詰め寄ろうとしたルージュを制したのは、状況の急展開だった。退却が始まったのだ。それも予定より早く。
ルージュはつかんでいたアクアの腕を離すと、彼女を促す。
了解と答え、それでもどことなく不承不承の感が否めないアクアの表情に一抹の不安を感じながら、ブラックも動いた。
4.
「な、なんだお前らは?!」
単に調子に乗ったのか、それともこの機会にエンデュミオールたちを叩いておこうと考えたのか、バルディオール・バルカは"拠り所"を離れてきていた。そこを横合いから、ブラックたち第二陣が襲う。
「へっ、悪いね。今夜で終わりにしようぜ」
とルージュが火球を放つなか、ブラックとブランシュが得物を手に突進。イエローとグリーン、アクアは"拠り所"のオーガとバルディオールを分断する位置に急ぐ。この措置は、敵が電撃系であるため、同じ系統でまだ実力も経験もないイエローでは役に立たないためでもあった。北東京支部のメンバーはオーガたちに攻撃を切り替えて一進一退。
バルカの手から雷球が続けざまに黒と白のエンデュミオールに飛んでくる。スピードを緩め三段ロッドで払いのけようとしたブラックだったが、ブランシュはその前にかぶさるように進路をずらした。そのまま走り続けて気合一閃、氷槍を旋回させて雷球を叩き落としていく。
(あ、そうか)
ブラックの三段ロッドは重さによって敵にダメージを与えることも考慮して金属製。雷球に触れたら、手袋越しに感電はしないだろうが通電の衝撃で手を負傷しかねないことに考えが至らなかった。ブラックは頭を掻き反省して、ブランシュの後を追う。
一方氷が通電しないことを経験上知っているブランシュは、雷球を全て氷槍で処理してバルカに迫る。
「っと、くわばらくわばら」
反転攻勢に出た北のエンデュミオールからの攻撃をも器用にかわしたバルカは、胸に付けたホルダーからナイフを引き抜くと、逆手に持って突進を開始! 目的が"拠り所"に戻ること、よってその目標は、
『イエロー、グリーン! そっちに向かったわ!』
本部から注意の指示が飛んでいる。ブラックは近接戦闘をあきらめスライスアローを発動!
「はっ!!」
光鏃はあえてバルカの足元を狙って地面に突き刺して突進を鈍らせる。
「なるほど、貴様、西東京支部の黒いデカブツか!」
ニヤリと不敵に笑ったバルカの挑発に思わずくすりとしたブラックは、次の瞬間顔をこわばらせた。敵が疾走を再開したその行く手にいるのは――
「アクア!? なに突っ立ってんだ!」
まるで見物客のように手を後ろに組んで戦闘を眺めていたアクアだった。ルージュの怒声に我に返ってファイティングポーズをとるが、ナイフを上段に構えたバルカのスキルが既に発動していた。
「くらえ! グロムルナー!」
バルカが帯電させたナイフを振り下ろすと、半月上に形作られた電撃がアクアに向かって飛ぶ!
「アトランティック・ウォール!」
「っ! 止せバカ!」
ルージュの静止も間に合わず水壁を展開させようとしたアクアにとって、先ほどの傍観は致命的だった。
まだ手を離れていない水壁に電月が衝突したと見る間に、電流が水壁を駆け巡り、そしてアクアの身をも襲う!
「ギャッ!!」
短い絶鳴を発して、アクアは糸の切れた操り人形のようにアスファルト上に崩れ落ちた。その身を淡い光が包み、変身が強制解除される。
「うらうらぁ!!」
なおもアクア――いや、るいに近寄りとどめの刃を振り下ろそうとしたバルカにグリーンがバール(北東京支部の備品を真紀が借りたもの)を振り回して挑む。本来重いバールの質量を変化させての素早いスイングに一瞬だけバルカをたじろがせたようだったが、逆にそれが裏目に出た。反撃したバルディオールの刃を慌ててバールで受け止め、
「わっ!! 痛っ!」
ナイフからバールに通電し、グリーンは痛みで得物を取り落してしまった。
しかしこのグリーンの結果的に体を張った食い止めが功を奏す。グリーンがバルディオール迎撃に向かったため、北メンバーは孤軍奮闘する形になったイエローの援護に回っていた。その1人がオーガに向かって放つため溜めた巨大な氷の棘を、向きを変えてバルカめがけて放ったのだ。
殺気を感じたのか、グリーンへの追撃をあきらめ横へ身を倒そうとしたバルカだったがわずかに遅く、槍の穂先がバルディオールの右肩を貫いた。
「ブラック! 今だ!」
「おう!」
とルージュの指示に応え、ブラックはラ・プラス フォールトを発動!
「ハァッ!」
溜めもそこそこに組んだ右腕から光線がほとばしり、バルカの身体を包む!
「よし! ……ん?」
オーガを1人できりきり舞いしながらなんとか食い止めていたイエローが訝しがる表情を見せたのは、ラ・プラス フォールトの光が体から消えたバルカがまだ立っているから。それどころか重い足を引きずって"拠り所"に戻るそぶりすら見せるではないか。
「ちょっと、どないなって――」
「ゼロ・スクリーム」
手を押さえながらのグリーンの叫びにかぶさるように聞こえるは、雪と氷の戦士の絶対零度攻撃スキル発動、その冷徹に徹した声。
ブランシュが槍を振り下ろし、その穂先から投げつけられた白球がもはや避けることすらかなわぬバルディオールを直撃して凍結させ、彼女は倒れた。こちらは暗い光が体を包み、変身が強制解除される。
北メンバーたちが歓声を上げ、イエローとルージュがそれぞれグリーンと倒れ伏したままのるいに走り寄る中、ブラックは自分の両手を見つめていた。
5.
北東京支部に帰り着き、乗ったエレベーターの中。沈黙を破ったのはルージュだった。
「ブラック、お前、手加減したんじゃないよな?」
「ああ、してない。つもりだったのに……」
と答え、ブラックはまたじっと自分の手を見つめる。発動を急いだのは確かだ。でも、とどめを刺せないなんて。黒水晶を破壊できないなんて。
「まあでも、黒水晶は回収して破壊できたんやし。今日は調子が良くなかったんやと思うよ、うち」
イエローがフォローしてくれた。その懸命な顔に笑い返す。ありがとなと言ってイエローの頭をなでると、くすぐったそうに笑ってくれた。
「ささ、ルージュちゃんとブランシュちゃんは控室へ。イエローとブラックはあっちの暗がりへGO!」
俄然張り切りだす緑色の姉に苦笑しながら、黄色い妹はみんなと一緒に控室に入るほうを選んだ。北東京支部のエンデュミオールたちは律儀に控え室の前で待ってくれてた。
ブラックも仲間とともに入室したが――
「……えーと」
入室直後、眼前に展開しはじめた光景に立ち尽くす。
おつかれさまー、とこちらに向かって口々に言いながら、変身を解除した北のメンバーが着替えを始めたのだ。色とりどりの、いや、やや白が優勢かな。そうだよな汗かいたもんな。
「ブラック、出なさいよあなた!」
ブランシュが動揺に怒りを混ぜた表情で腕を引っ張るが、それは逆方向への力によって相殺された。
「「ちゃうちゃう、ブランシュ。引っ張るならこれやこれ!」」
グリーンとイエローが、ブラックの胸中央に付いた白水晶を力いっぱい引っ張った!
パチン、と小気味いい音が聞こえて白水晶がブラックの身体から外れ――
「!!!!!!!!!!」
お年頃の女の子が放つ悲鳴×5が、控室のドアを盛大に揺らす。
ブラックが男子であることを北東京支部の女の子たちがすっかりうっかり忘れていたらしい。ラ・プラス フォールトの件といい、いろいろ釈然としない隼人であった。
6.
翌日。季節相応に強まり始めた午後の日差しの中を、優菜と理佐、真紀と美紀は病院へと向かっていた。自身の健康診断のためではなく、昨晩倒れて入院しているるいのお見舞いだ。
るいの回復が遅れている。そのことに不吉な予感を禁じえず寡黙な優菜を慮ってか、双子も口数は少ない。
るいはまだ起き上がれないようだった。ベッドそのものを起き上がらせようとする真紀と美紀を制して理佐が口にしたのは、優菜と同様の疑念からだった。
「るい、あなたこの間の"氷"の時も、わざと遅刻したでしょ?」
相部屋のためぼかしながらもストレートな問いに真紀と美紀がたじろぐ仕草を見せたが、当の本人はわずかに眉を上げただけで口を開いた。
「どうしてそう思ったの?」
「思ったんじゃなくて、聞いたのよ。ケーコちゃんがあの日の夜、るいとつるんで遊んでたって言ってたから」
ケーコめ、とるいがつぶやき目を閉じた。やがて目を再び開いたるいは、ぽつぽつと話し始めた。
「なんかね、モチベーションっていうのかな……上がらないんだ。支部からのメール見ても、ふーんてなっちゃって。るい、必要ないじゃんって思えてさ……隼人君もミキマキちゃんも頑張ってるし、さ」
だからボランティア、やめようかなって。るいの告白に優菜の心は乱れる。
「そんな! 団長! ちっぱい団はどうけふっ!?」
「ねーやん?――」
美紀がふざけ始めようとした姉の襟首を掴んで締め上げていた。
「ちょっと外で話しよか」
妹にそのまま引きずられ、悲鳴を上げながら真紀は部屋から出て行った。呆然と失笑をないまぜにした顔で見送った優菜は気を取り直すと、るいのほうに向き直って説得開始。理佐も援護に入る。
「るい、そんなこというなよ。な? 一緒にがんばろうぜ」
「そうよ。あなたを必要ないなんて誰も言ってないじゃない」
「誰かがそう言ったから、じゃないんだ」
とるいは窓のほうを見ながら言った。
「るいが、自分はここに必要ないなって思ったから。だから――」
その後、手を変え品を変え、戻ってきたミキマキも交えて話をしたのだが、るいの心は覆らない。
「分かった」
優菜はついに席を蹴立てて踵を返した。慌てた理佐の制止も聞かず、優菜は病室のドアの前で言った。振り返りもせずに、明らかに怒声交じりに。
「じゃあな。ボランティアには自分で連絡しろよ」
最後に慰留の言葉をかけている理佐の声を待たず、優菜は部屋を出ていった。
「じゃあ、るいちゃんがまだ回復しないのは、やる気がなくなっちゃったからなん?」
帰り道に立ち寄ったカフェ。美紀が首をかしげるのを見たが、優菜には説明する気力が湧かない。慮ってくれたのか、隣に座った理佐が首肯して話し始めた。
「白水晶は致命傷を全快させてくれるけど、生命維持に必要なある程度の体力回復までしかしてくれないのよ。真紀ちゃんは一度食らってるからわかるわよね?」
「うん。正直もう嫌です。めっちゃかったるいもん、あれ」
真紀のプルプル震える仕草にくすりとして、理佐は続けた。
「でも午前中の早いうちに回復して、圭ちゃんの話を聞きに屋上まで来られるくらいには回復してたじゃない。わたし自身の経験から言うと、回復が遅いというより、回復のスタートラインが低くなるって言うべきなのかもね」
バルディオールがエンデュミオールを倒しに来るのは、そうやって怪我の苦痛や体力切れの倦怠感を味あわせてリタイアに追い込むため、少なくともやる気を削いで回復を遅らせ、一度に揃う戦力を減らすためなのだ。理佐はそう説明した後、
「わたしも、昔ちょっと挫けそうになったことあったから」
理佐のちょっとはにかみ混じりの告白を聞きながら、優菜は無言で携帯ポーチを握り締めていた。
(あいつ、ほんとに辞める気なんだろうか)
もっと言葉を尽くして慰留するべきだったんだろうか。
「まあ、わたしたちはボランティアだから。やるやらないは本人の意思次第。辞めたいっていう人を止める権限は誰にもないわ」
理佐のすました顔が優菜には小憎らしい。それは理佐の言うことがこの世界の常識だから。
でも。
「なんちゅうか、ええんかいな。そないアバウトで。日本を守ってるんやなかったけ? うちらって」
真紀ちゃん、それはそうなんだけど。そこじゃないんだ。
優菜はそう叫びたくなる自分を抑え、おかげでポーチの中の携帯がミチミチと悲鳴を上げている。それに気付いた理佐が自分の手を添えてきた。
「優菜、るいのところにもう一度戻る?」
優菜はかぶりを振って答えた。
「いや、今は倦怠感でナーバスになってるだけかもしれないから。明日また会った時に話してみるよ」
自分の言葉に自信がもてない苛立ちを携帯にぶつけながら、優菜はそう言うしかなかった。




