第1話 「常心〜つねごころ〜」
何気ない毎日が続いていた。
いじめられているわけでもないし、悩んでいるわけでもない。
友達はそこそこいるし、勉強だって、運動だってそこそこできるし。
でも、なんでかな?
最近、自分に全然自信が持てないんだ。
季節は春。出会いの季節!恋の季節!春は楽しみがいっぱいで、わくわくしてる。好きな人とかできたらいいな。
なァんて思っていたのは小学生の頃まで。私は今中学校2年生。しかも学校は女子校。出会い何てあるわけない。
「おはよう。」
「あ、おはよう。」
毎日交わすこの挨拶さえもう面倒くさくなってる。まだ中1の頃は元気に言ってたはずなのに。
私の学校は、お嬢学校と言われているキリスト教学校で、都内にある中高一貫校だ。幼稚舎からある学校で、小学部、中等部、高等部、そして大学、大学院と構成されている大きな学校だ。
苦労してこの中学校に受かったときは、それはそれは喜んだことを覚えている。でも、さすがに中2になると、その喜びも心ないしか薄れていく。
最初のベルが鳴ると共にみんな席に着くかと思いきや、周りはまだわいわいがやがや。中1の頃の静けさはもう跡形もない。そんなとき、担任が教室に入ってきて挨拶をする。
「・・・後輩達の良いお手本になるように・・・」
長い話だなァ。。。後輩達の良いお手本?冗談じゃない。悪いお手本になってやる。そんなことを思っている時点でもう良いお手本にはなれないと思った。
担任が話を終えて、またベルが鳴った。みんな移動を開始する。これから講堂へ行って礼拝して、校長の長い話でも聞くのだろう。
長々と続いた校長の話はみんなの眠気を呼び戻す。1人。。2人。。。熟睡していく子が目に映る。私も寝ようかな。。。そんなことを考えていた。
「友月!」
ビクッ
声をかけたのは隣にいたリンだった。
「寝るな寝るな。」
「ええ。。眠いのに。。」
リンは根が真面目で、寝かせてくれないから厄介なんだよね〜。そんなこと思ってたら、校長の話が終ってしまった。
教室に帰ると、1時間目のチャイムがすぐ鳴った。
「ヤバ!次移動教室6階ジャン!」
「友月もう行くよ!」
「待って待って!!」
数人の友達に声をかけられて、急いで6階の音楽室へと向かった。
今日の1時間目が音楽ってコトをすっかり忘れていた。
教室に着くと、号令と共にみんなが席に着いていた。私たちも息を荒くしながらも、
あわてて席に着いた。
「何やってんだか。」
「はは、1時間目音楽ってコト忘れてた。」
音楽室で隣の席なのはユカ。私が遅れてきたことを笑っている。
「はい、じゃあ早速曲配ります。目を通してみて。」
先生がプリントを配り始めた。教室はさすがに最初の授業だから静かだ。
「この曲は7月にある歌唱コンクールの曲だから、覚えるように。」
先生が一段と声を張り上げて言った。
7月か。まだ私ここにいるね。
私は胸をなで下ろした。
この小説は、私、作者が本当に経験した事を元にして作りました。この小説が、私の初めての投稿となります。まだまだ未熟ですが、これを読んで楽しんで頂けたらいいな、と思います。