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役得で匂いを嗅ぎまくる咲良

 ・・・・・・・・。咲良の意識が徐々に戻ってくる。何とも言えない心地良さを感じて目を覚ますと、誰かの背中におぶされている自分に気付く。なんと手塚君の背中におぶされているではないか!両腿の裏側を手で押さえられ、咲良の胸は手塚君の背中に密着している。顔は手塚君の左肩に乗っている。憧れの神におぶわれ咲良はまたもや逝きそうになった。心臓が早鐘を打ち、手塚君に気付かれたらどうしようかと心配になった。手塚君は前を歩くさしこ先生の後を咲良をおぶって付いて行く。どうやら倒れた咲良を保健室に連れて行ってくれようとしている?様だ。意識が戻った後もこの幸せな状況を享受したい咲良は気絶したふりを続けた。背後からそおっと手塚を抱きしめ、首筋の匂いを嗅いだ。男子の良い香りが咲良の鼻孔を刺激する。これはいったいなんという香りなんだろう?咲良は自分が気絶しているフリをしていた事をついつい失念し、遠慮なく、くんかくんかと手塚の匂いを肺一杯に嗅ぎまくった。手塚は立ち止まり、前を歩いていたさしこ先生を呼び留めた。

「指原先生。」

「なに?手塚君。」

「救急車を呼んだ方が良いかもしれません。この子の呼吸の状態が普通ではないです。」

「本当?」

「念の為、手配をお願いします。」

 それを聞いた咲良は泡を喰った。本当に救急車を呼ばれては堪らない。

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