桜の木の下で
「わあ 見て!
いっぱい咲いてる!」
友だちが バーっと満開の桜並木の方へ 駆けだしていく
「凄く綺麗 だけどもう 散ってきちゃっているね」
桜の花びらが ひらひらと 私たちの目の前を通り過ぎ
次々と地面に落ちていく
もう春だなあと 一瞬明るい気持ちになったが
あっという間に また木だけが残ってしまい
花は全て 失われてしまうのだと考えると
少し 寂しい気持ちになってしまう
「はい 唐揚げ! ポテトもあるよ!」
私ははっとした
気がついたときには 友だちが私の真横まで来ていて
手には唐揚げとフライドポテト
すぐそこの屋台で 買ってきたらしい
「もう 食い意地が張ってるのね」
友だちの行動の速さに 私は思わず 笑ってしまった
「桜 どんどん散ってきているね」
唐揚げを頬張りながら 友だちが呟いた
「そうね」
私は答えながら フライドポテトを一本もらう
「だけどさ」
明るい声で 友だちが話を続けるので 私は顔を上げた
「散っちゃってもさ 次は緑色の葉っぱが生えてきて
地面には また次の季節の花が咲いて
私たちが 夏休みや冬休みを楽しんでいる間に
また 次の季節がやって来て また次の春が来るね」
「確かに これから花が散っちゃっても
まだまだ たのしみはたくさんあるね」
確かにそうだ
これから まだまだ楽しいことがたくさんあって
あっという間に また 満開の桜の季節が巡ってくる
そう思うと すっと気持ちが 軽くなったような気がした




