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Stand by me  作者: 六花
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ボクは


「ボクは誰かに必要とされたい」

ずっとそう思ってきた。

愛してくれなくていいから。

愛されるとも思っていないから。

だから、ボクの存在を認めてほしい。

生きていることを、ボクがそこにいることを。





目の前のプリントの束を見てひどく悲しくなった。

いつまで、こんなことをすればいいのだろう?

周りに怯えて、相手のいいように使われる。

いつまで、都合のいい人形でいればいいのだろう?

さっきのヤツだってボクにこのプリントの束を押しつけてさっさと遊びに行ってしまった。

渡り廊下に佇みながら校庭に目を向ければ、歓声を上げながら楽しそうに遊ぶクラスメイト達が目に入った。

あそこに入りたいと思う、でも同時に入れないと言う諦めが込み上げる。

前に担任に「みんなの中に入れない」と言ったら「大丈夫、みんな一言言えば入れてくれるわよ」と笑顔で言われた。

何が大丈夫なのだろうか?

確かに表面的には受け入れてくれるだろう。

けれども、それは結局のところ表面的でしかないのだ。

子供な自分が言うのもおかしい気がするが、子供はとても残酷だ。

自分と違うものには特に。

そして、価値観の違いは大きいと思う。

少しでも自分と違うと思った時点で「変な奴」のレッテルを貼られる。

それが、ずば抜けておもしろいとかでない限りそこからはじき出されるのは目に見えている。

そうなったら、おもしろさを提供できない代わりにみんなの暇つぶしになるしかない。

そして、自分はおもしろさを提供できない。

だから、諦めるしかないのだ。

そう、諦めるしかないのだ。

でも、きっと自分は諦め切れていないのだ。

家での両親のひどく醒めた目を思い出す。

いるのにいないように扱われる。

ただ、唯一、その目に怒りを宿したときだけ両親は自分を思い出すようだ。

大声で激情のままに罵られるが、手を出されることが少ないのは不幸中の幸いなのだろう。

けれども、両親から浴びせられる言葉はとてもとても痛い。

いつも、その言葉達を浴びせられる度に体から血が流れないのは不思議だと思う。

それくらい痛い。

でも、自分の体は無傷で、それが時々ひどく恨めしくなる。

ひどいことを言われる度に体に傷が付いていれば今頃、出血多量でいなくなれたかもしれないのに...。

だって、きっと、ボクがいなくなったところで誰も困らないし悲しまない。

結局誰にも必要とされていない。

自分は誰にも必要とされていない。

腕の力が抜けてプリントが落ちていく。

胸が、肺が締め付けられるように痛い。

視界が白くぼやけてぐるりと世界が廻る、途端に目の前が黒く塗りつぶされた。

あぁ、息が苦しい。

肺が焼けるように痛い。

自分の喉が力なくヒューと鳴る。

このままいなくなれるだろうか?

そう思った途端、意識がぷつりと途切れた。


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