【第7話:なんでだよッッッ!!!!!(次元超越グラフィック・パッチ適用、そしてK-POPの貴公子降臨!?)】
読者の皆様、こんにちは。作者です。
第6話の「棒人間(のような手抜き描写)」から一転、なぜ今回急に「8K解像度の乙女ゲーム並みにクドい美麗描写」へと超進化したのか。その理由はただ一つ……私が《《鳥インフルエンザ》》に感染したからです。
「は? インフルエンザで文章が綺麗になるわけないだろ」と思ったそこのあなた。甘いですね。
鳥インフルエンザの原因ウイルス『H5N1型』……これの真の意味をご存知ですか?
H(ハイスペックな描写を)
5(5つ星級のイケメンで)
N
1(1位にする)
……という、恐ろしい《《執筆ウイルス》》の略称だったのです!!!
昨日、近所のスズメと目があった瞬間、このウイルスが私のキーボードと脳髄に直接感染し、無意識のうちに全キャラクターを「世界レベルのK-POPアイドル」や「超絶美少女」として《《過剰に美しく描写》》してしまうという副作用が発症しました。
全てはウイルスのせいです。私の筆が進みすぎたのも、全部ウイルスのせいです。
それでは、高熱にうなされながら書き殴った、無駄にキラキラした第7話をお楽しみください!
「なんでだよォォォォォォォッ!!!!!!」
明——現在絶賛、棒人間——の絶叫が、コミックスの枠線をぶち破らんばかりの勢いで響き渡った。コーヒーの染みがこびりついた真っ白なページの中で、その声は空しく木霊する。
「なんで俺の輝かしい高校生活が、ここまで跡形もなく崩壊してんだよ! 親父は卵焼きのバルーンお化けになって宇宙へ飛んでいくし! オカンは中二病のクラスメイトになるし! ヤンデレのファンは祈祷師(?)になるし! その上、作者が作画をサボったせいで俺はただの直線になっちまうし!! なんでだよォォッ!!」
明が(2本の直線を半分に折り曲げて)膝をつき、狂ったように白紙の地面を叩き続けていた、その時だった。
突如として『ティン!』という、OSの通知音のような軽快な音が鳴り響き、空中に近未来的なポップアップウィンドウが出現した。
【 神(または作者)からのシステムアナウンス: 】
『お知らせ! みんな朗報だ! さっき【NouTube】の運営から、チャンネルBAN解除の通知が来たぞ! しかもAIによる理不尽な収益化停止の異議申し立てまで通った! 神はいた! これで今月の生活費は安泰だァァァ! 超絶機嫌がいいぜ! だ・か・ら! そのお祝いとして、この第7話の作画予算を青天井まで引き上げてやる! お前ら、超特大パッチ・アップデートを受け取れェェェッ!!』
「はっ……? アップデート……?」
棒人間の明が顔を上げた瞬間だった。
ピッカァァァァァァァァァンッ!!!
フラッシュバンを100個同時に起爆したかのような、眼球を焼き尽くすほどの閃光が弾けた。真っ白だったページは黄金の輝きに包まれ、どこからともなく超絶壮大なオーケストラのBGMが鳴り響く。
やがて、光が収まると……。
「は……? うおぉぉぉい!?」
明は慌てて自分の体を見下ろした。ミミズが這ったような直線は消え去り、人間の肉体が戻ってきている! だが、ちょっと待て……これは、ただの少年漫画の絵柄じゃない!
彼の髪は、太陽の光を浴びてキラキラと輝くサラッサラの超美麗ストレート。かつての「死んだ魚のような目」は、8K解像度のカラーグレーディングが施された緻密な網目状の瞳に描き込まれ、まるで冷酷なイケメン吸血鬼のようになっている。毛穴ひとつない陶器のような肌。
極めつけに、彼の背後には**『常に真っ赤な薔薇の花が咲き誇るオーラ』**がエフェクトとして飛び交っていた!
「これ、完全新作のAAA級『乙女ゲーム』のグラフィックじゃねえか!!」
明は自分の顔を撫で回しながら戦慄した。
「解像度が高すぎて目が痛ぇ! あと背後に浮いてる薔薇は何なんだよ! 視界の邪魔だろ!」
「きゃあああああっ! アキラくんカッコいいぃぃっ! 次元を超越したイケメン!!」
橘陽菜もまた、超美麗な乙女チックヒロインの絵柄へと劇的なアップグレードを遂げていた。(※ただし、陰陽師の退魔服というコンセプトはそのまま)。彼女は顔を真っ赤にして、もじもじと身悶えしている。
「わぁーお! 神様ったら気が利くじゃない! これで私の制作してるノベルゲーム用の立ち絵(フルHDスプライト)の素材がタダで手に入ったわ!」
超絶美少女(中身はオカン)と化した美月は、ウィンクしながらポーズを決め、息子の姿をiPadで連写しまくっている。
だが、驚くのはまだ早い。あの存在の登場が残っている……。
前回の引きで『黄色い付箋』を貼られていた『黒塗りの塊』。
それが今、眩い光を放ちながら、華奢で愛らしい少女の姿へと変貌を遂げていた。
輝くような金髪のツインテール、透き通るようなサファイアブルーの大きな瞳。最先端のファッションを取り入れたような着崩し制服。彼女は、舞い散る桜のエフェクトと共にその姿を現したのだ。
彼女の名は『結衣』。(※当然ながら、別の小説の母親キャラと混同されないよう、作者が必死に『田中』という名字を避けた結果である!)
「アキラ……この、バカ……」
結衣はパチパチと瞬きをし、テンプレ通りに頬を膨らませた完璧なツンデレの表情を作った。
「タイ南部風カレー屋での約束、果たしに来たわよ……。今日は約束通り、アキラのグリーンカレーに入れる『アレ』を持ってきたんだから!」
明はゴクリと唾を飲み込んだ。その超絶美麗な顎のラインを、大粒の汗が伝い落ちる。
「そ……それって、なんだよ結衣! まさかまた、俺の家の食卓にヤバい異物を混入させる気じゃないだろうな! 親父の『異次元フワフワ卵焼き』だけでもうお腹いっぱいなんだよ!」
結衣はニヤリと笑うと、学生鞄の中に手を突っ込み……何かを引っ張り出して頭上に掲げた!
「ジャジャーン!! 激カワの『シシバナヘビ(Hognose snake)』ちゃんでーす!!」
そこには、淡い褐色の鱗を持ち、ブタのようにツンと上を向いた鼻先を持つ小さな生き物がいた。ヘビは結衣の手首に愛らしく巻き付き、チロチロと舌を出している。
「はぁぁぁぁぁぁ!? シシバナヘビィィィ!?」
明はグラフィックが崩壊しそうなほど大口を開けて叫んだ。
「それがグリーンカレーと何の関係があるんだよ!! まさかヘビをカレーの具にして煮込む気か!? 動物虐待だろォォォッ!!」
「誰が煮込むって言ったのよ、このおバカ!」結衣が噛み付く。「いい!? アキラが激辛のグリーンカレーを食べてる時に……この『シシバナヘビちゃん』をどんぶりの横で這わせて遊ばせるの! そうすれば、このツンと上を向いたお鼻の可愛さが、カレーの辛さを中和してアキラの心を癒やしてくれるでしょ! これぞ、激辛料理と爬虫類の究極のペアリング(マリアージュ)よ!!」
「論理が完全に崩壊してんだろォォォォッ!!」
明の激しいツッコミと共に、背後の薔薇のエフェクトがバラバラと散った。
「ヘビを見てグリーンカレーの辛さが癒やされる人間がどこにいるんだよ! ていうか、俺の家は日本人なのかタイ人なのかどっちなんだよ! なんでタイ南部のカレーとかソムタム(パパイヤサラダ)の話題ばっかりループしてんだ!!」
「キーッ! なによこの金髪ツインテール! アキラくんにヘビなんか近づけないでよ!」
陽菜が十字架を振りかざし、戦闘態勢に入った。
「アキラくんは猫派なのよ! そのブタっぱなのヘビを今すぐ遠ざけなさい!」
「うるさいわね、この野蛮な祈祷師! シシバナヘビこそ全宇宙で一番キュートなのよ! 猫の百倍可愛いに決まってるでしょ!」
結衣もヘビを掲げて応戦の構えを見せる。
『ヤンデレ陰陽師』vs『爬虫類系幼馴染』のハルマゲドンが星凛高校の校門前で勃発しようとしている中、美月はゲームのカットシーンに使うために4K画質でビデオ撮影に勤しんでいる……。
その時だった。
ブロロロロロォォォォンッ!! キキィィィィッ!!
突如、スモークフィルムを貼った真っ黒な防弾仕様の高級ワゴン車が、猛スピードで星凛高校の歩道に乗り上げて停車した。凄まじい砂煙が舞い上がる。(※砂煙の作画も、画面から飛び出してきそうなほどリアルだった)。
スライドドアが勢いよく開き、そこからレッドカーペットが転がり出て、道路に美しく敷き詰められた。
直後——マグニチュード8.0の地震かと錯覚するほどの、全校女子生徒たちの鼓膜を突き破るような大歓声が轟いた!
ワゴン車から、一人の長身の青年が降り立つ。
彼はハイブランドで固めたファッショニスタのようなスーツを身に纏い、スローモーションのような優雅な動きでサングラスを外した。
そこに現れたのは、全ての視線を釘付けにする『神に祝福された超絶イケメンフェイス』。明るいプラチナブロンドの髪は、ミリ単位で完璧にセットされている。
彼はパチンッと片目でウィンクをすると、群衆に向かって指で小さなハート(指ハート)を作って放った。
「アンニョンハセヨ〜、星凛ハイスクール! 『宇宙レベルのビジュアル』のデリバリー、頼んだ人いる?」
それを見ていた明は、足の震えが止まらなくなり、膝から崩れ落ちそうになった。死んだ魚の目が、これまでの人生で最大レベルに見開かれている。
「あ……兄ちゃん……」明は裏返った声で呻いた。
「なんで……子供の頃に家出して、韓国で練習生やって……今じゃ世界的に有名なK-POPのセンターとしてデビューした実の兄貴が……こんなとこにいるんだよォォッ!! 兄貴のグループ、昨日ワールドツアーを発表したばっかりだろ!!」
そう! 今現れたこの男こそ、明の実の兄である! 家を出て韓国でアイドル修行を積み、今やビルボードチャートを席巻する超有名K-POPアイドルなのだ!
兄は明に向かって爽やかな笑顔を向けると、末っ子の弟の肩をポンッと叩いた。
「よっ! 久しぶりだな弟! いやー、親父が『卵焼き味のミシュランマン』になって宇宙に飛んでいく動画が【TikTak】でバズってるのを見ちゃってさ! うちの事務所の社長が『これは歴史的バズだ!』って大騒ぎして、ニューヨーク公演をキャンセルして俺を緊急帰国させたんだよ! 『量子卵焼きファミリーの故郷ツアー』ってVLOG撮って、再生回数稼ぐためにな! さあ、カメラ回すぞアキラ! もっと笑えよ!」
「なんで家族の絆や友情が、全部アルゴリズムと再生回数に支配されてんだよォォォォォッ!!」
明は血の涙を流しながら絶叫した。
「作者ァァァァ!! 頼むから前の棒人間グラフィックに戻してくれ!! お願いだァァァッ!!」
【 神(または作者)からのシステムアナウンス: 】
『残念だったな主人公! 一度適用されたパッチはダウングレード不可だ! K-POPの兄貴と、シシバナヘビと、修羅場のハーレムライフを存分に楽しんでくれ! あ、そうそう。お母さんが描いてる漫画『JUST HiT』のPVが100を超えたか、後でちゃんと確認しとけよ! じゃあな!』
明の高校生活は……ここに正式に『帰還不能点』を突破した。
もはやこの世界には、彼を救える『Ctrl+Z(元に戻す)』ボタンは存在しないのだった……。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
……というわけで、鳥インフルエンザ(H5N1型)の猛威によって、アキラの日常はさらにカオスな方向へと「記述」されてしまいました。
現在、作者はこのウイルスの高熱(と締切のプレッシャー)と激しく闘いながらキーボードを叩いています。
実は、医学界でも極秘とされている情報なのですが……この《《ハイスペック執筆ウイルス》》の唯一の特効薬をご存知でしょうか?
それは……読者の皆様からの『ブックマーク』と『評価の星(☆☆☆☆☆)』による《《抗体》》なのです!
皆様が画面の下にある星をポチッと最大まで(★★★★★)にしていただき、ブックマークを登録してくれるだけで、私の体内に強力な抗体が生まれ、次回の「描写崩壊」を防ぐワクチンとなります!
もし評価がもらえなかったら……ウイルスが変異して、次回のアキラは《《全編アメーバのような抽象的な文章》》で記述されることになるかもしれません!
どうか、鳥インフルエンザで苦しむ哀れな作者を救うために、皆様の清き評価とブクマをお願いします!
次回の更新でお会いしましょう!




