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ヤンデレ幼なじみ?②

 どのくらい時間がたったのだろうか。おそらくは一瞬だったのだろう。だがあまりの衝撃にそれは何十秒にも何分にも思えた。

 

「…。」

「どうしたの?」

 咲夜に呼びかけられて私は理性を取り戻す。そして遅れながら急激に羞恥が湧き上がってきた。

「…今…私と…キ、キスした?」

 自分でも顔に血が上り赤くなっているのが分かる。

 どうして咲夜は私なんかとキスをしたんだ。

 彼の顔を見てもその真意は探れない。ただどこか満足げな色がにじんでいるように思える。

──ま、まさか咲夜は私のことが好き…なの?いや完璧超人の咲夜だそんなことはありえないか。

 信じられない状況に脳みそがショートしてしまいそうだ。


「よかった。いなくなったみたい」

 そこで私は初めて瑠璃川君がいたことに思い至る。

 私はわざわざ来てくれたのにそれを無視して、あろうことか扉一枚隔てた場所でキ、キスをしてしまっていたのだ。

 自分はなんて痴女だったのかと頭を抱えながら、ふつふつと咲夜に対する怒りが出てきた。


「咲夜!どうしてあんなことしたの!?」

「それってあいつに会わせなかったこと、それともキスしたこと?」

「もちろん両方に決まってるでしょ」

 臆面もなくキスと言ってのけた彼にたじろぎながら咳払い。

「あのねえ、だめでしょ。人を待たせちゃ。それに…突然…キ、キス…するなんて」

「ごめん。気が付いたら体が動いてて」

 以前から何だか距離が近いと思っていたけどここまでとは…。

「はあ、今度からはやめてね」

 ため息をつきながら注意すると早速ヨミは頬にキスをする。

「分かったよ」

「絶対分かってないじゃん!」

 

 なんだか有耶無耶にされてしまった気がするが、ひとまず元の距離感に戻ったようだ。


──あの時の咲夜は、なんだか知らない人みたいだったな。

 謎の色気に満ち溢れていて、それでいてどことなく話が通じないような恐怖感があった。

 普段の様子が白百合というなら先ほどのは黒百合バージョンと言えば良いのか。

 できればあまり会いたくない。

 ドキドキしながら私は部屋に戻った。



 瑠璃川はドアのチャイムを鳴らした。訪ねたのは同じクラスの柏木である。


 明日の委員会のことで相談したいことがあった。電話でも良かったかもしれないが、あいにく瑠璃川は彼女の連絡先を知らなかった。そして、いつだか会話した時にこぼしていた情報を元に直接家に出向く事にした。

 高校から5分もしない距離にある彼女の家は新興住宅地の中にあった。柏木と表札がかかったその家は、新しく綺麗でガーデニングも凝っている。

 また、その隣にはなんとも大きな屋敷と言えるほどの建物があった。

──柏木、おそらくここだろう。


 チャイムを鳴らした後、1分ほど待っていたが誰も出てこない。

 誰も家にいないのかもしれないと思い、一旦離れる事にした。そして来た道を戻ろうとすると部屋の中から壮大な音楽が流れてきた。

──テレビの音か?

 テレビをつけたままで出かけることは考えにくいことだろう。生垣の向こうを少し覗いてみるとレースのカーテンの向こう側に何人かの人がいるのが見える。見慣れた少女の姿と、黒髪の男。

 隣り合って触れ合っている二人を見て瑠璃川は目を顰める。

──随分と距離が近いな。兄弟?

 しかし、彼女は一人っ子だと聞いている。もしや付き合っている男であろうか。

 思ってもみなかった事実に瑠璃川の心が落ち着かなくなる。


…2人の時間を邪魔されたくなかったのだろうか。

 モヤモヤした感情を抱きながら歩いていく。その顔は美しいがどこか冷たさを感じさせるものであった。

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