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フェアリータップを踊って ~迷い妖精の少女と欠落の魔導士の出会い~  作者: 羽羽樹 壱理


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23/49

もどかしい時間

 昼頃を迎える前の時間に、律織りつおりから連絡が入った。


「【バランサー】の情報を欲しがってたよな? ――やはり名が通ってるのは、余技打よぎうち 伊代祇いよぎくらいだ。【バランサー】は俺が動いた時節より少し先んじて妖精を追っていたようで、今は【ミヅチ宗呂そうろ】周辺にアタリをつけて捜索しているみたいだ」


 思わず指を鳴らしそうになった。

【ミヅチ宗呂そうろ】! そこまで遠くはないが、明後日の方向だ。


 ブラフを掴まされてでもなければ、ここら一帯は、数日は確実に平和だろう。


律織りつおり、急ぎのところ悪いがあと四日はかかる。おそらくそれまでに妖精が発見されることはない」


「分かった。――可能なら、できるだけ急げる道を模索してほしい」


「…………? 急ぐ理由が?」


「まあ、な……。――できれば、【バランサー】に先んじて、妖精を発見したい」


「なぜ?」


「それは……、…………、……妖精ってのは、もちろん種族にもよるけどな、そんな、邪険に扱うような奴らばかりじゃないと、そのことを知っているから……。【バランサー】に先んじられれば刺殺手段での解決になる可能性大だ、できれば……先んじて発見したい」


 思わず、優しい相槌の声が出そうになった。

 気を引き締め()()()()声で応える。


律織りつおり。四日はかかる、もしかすれば三日で済む可能性もあるが、それは期待するような展開じゃない、ただ、四日のあいだは、妖精は発見されないという推測もある、兎にも角にも、俺のほうの手段を頼るなら時間は受け入れてもらうしかない。……詳細を明かせず、済まない」


「頼んだのは俺だ、分かった。それを踏まえて、こっちでも捜索を進めてみるわ。無駄だとしてもやってたほうがいいだろ?」


 注目株ハイライトホープ律織りつおりが走り回ることで、捜索のマークをレーヴィアサイドに向けさせないという意味では、こちらにとっても都合がいいかもしれない。荷も人も乗せない馬車馬のように走り回っていてほしい。


 警戒は怠らない、しかし追っ手は影も見えず、そして、素晴らしいことに本日も快晴続きだった。

 周辺は今晩曇るそうだが、幸い、ここら付近は雲も避けていく。幸運も確実に味方していた。


 注意を怠らなければ大丈夫だ。


 しかし……時間の進みが遅いな。まだ、昼前か。


 …………。


 時計の針を指で回し進めたいようなもどかしさを感じていた。




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